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フィギュアスケートのプログラムを共有化するための2つのポイント | 町田樹のスポーツアカデミア 【Archive:フィギュアスケート・ザ・マスターピース】 エチュードプロジェクト徹底解説
フィギュアスケートレポート by J SPORTS 編集部ただし、プログラムを創作する段階で、あることをしておけば、著作権の問題は解消されます。著作権を1カ所に集約するということです。著作権という権利は、法律によって定められている権利ではありますが、一方で、契約によって帰属先や取り扱い方法を変更することができる性質を持っています。この性質を利用してプログラムに関係する著作権を、共有化する主体に集約するのです。例えば、エチュードプロジェクトにおいてプログラムを共有化する主体は私自身なんですけれども、今回どのように権利を集約したのかというと、このような形で集約しました。
まず大前提として今回ご紹介する「チャーリーに捧ぐ」という作品には、振付、衣装、作曲家、演奏家の権利が関係していますので、これらの権利をクリアランスする必要がありました。1つ目の振付家の権利ですが、これは単純な話で、私自身が振り付けをしたため、その著作権は私自身に元から帰属しています。問題なしです。
2つ目の衣装デザイナーの権利についても、私も属しているアトリエタームという制作陣の一員がデザインをしましたので、これも私たち制作陣に著作権が帰属しているため、クリアランスする必要はありません。
問題なのが3つ目の作曲家の権利です。元来、音楽を使用するときには、音楽の作曲家だけでなく、歌詞が付いている場合には作詞家、CDやレコードの音源を使う場合にはレーベルにも許諾を得なければならないので、音楽の著作権クリアランスは非常に難しいわけです。今回紹介する「チャーリーに捧ぐ」という作品は、ジャコモ・プッチーニが作曲した「私のお父さん」という音楽を使っています。
本来であればこの音楽を作曲したプッチーニさんに許可を得る必要がありますが、この音楽に関しては、著作権クリアランスの必要はありません。なぜかというと、著作権というのは権利が存続する期間が定められていて、その期間は著作者の死後70年間と設定されているからです。プッチーニが亡くなったのは1924年で現在没後99年にあたります。なのでプッチーニさんのこの著作権というのは、もう失効しているわけです。ということで、音楽の著作権クリアランスは今回は必要ないということになります。
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