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野球 コラム 2026年8月25日

都市対抗野球、注目選手紹介:社会人野球で輝く元プロ野球選手たち

野球好きコラム by 大島 和人
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吉田大喜(東邦ガス)

社会人野球にはプロ野球選手候補生がいる一方で、既にドラフトを経験した「元NPB」の選手もいる。「1チーム3名以内」など、一定の制限はあるが、8月26日に開幕する第97回都市対抗野球大会にも元NPB所属選手が登場する。

各地区の予選で敗れたチームの中にも水上由伸(埼玉西武ライオンズ→三菱重工WEST)、桜井俊貴(読売ジャイアンツ→同スカウト→ミキハウス)など、少なからぬ「元NPB」がいた。

元NPB組の活躍はチームの躍進、結果にも影響する。例えば2019年の第90回大会でJFE東日本の都市対抗制覇に貢献し、同大会の橋戸賞(MVP)を獲得したのは、その前年まで横浜DeNAベイスターズに在籍していた右腕・須田幸太だった。

野手ならば武田健吾(オリックス・バファローズ→中日ドラゴンズ)も2022年から三菱重工Eastに所属し、第95回大会の優勝に貢献している。

一方で元プロ、元NPBだからといって、社会人野球で活躍できるとは限らない。逆に「社会人に来て明らかに伸びた」と感じる人材もいる。今回の原稿ではプロ野球出身選手の中から、特に注目される4名を紹介しよう。

第97回 都市対抗野球大会

投手では、まず吉田一将(JR東日本東北/マルハン北日本カンパニーからの補強選手)を取り上げたい。

36歳の大型右腕(191センチ・98キロ)がNPB、独立リーグ、台湾を経て都市対抗に13年ぶりに帰ってくる。第83回大会、84回大会にJR東日本から出場し、2年連続で準優勝。83回大会は若獅子賞(新人賞)と久慈賞(敢闘賞)をダブル受賞した。

2013年のドラフトでオリックス・バファローズから1位指名を受け、NPBでは通算226試合に登板。主に中継ぎで8シーズン所属した。

2022年以降は新潟アルビレックス・ベースボール・クラブ(現・オイシックス新潟アルビレックス・ベースボール・クラブ)、CPBL台鋼ホークスでプレー。2026年からは元阪神タイガースの佐藤蓮とともに、マルハン北日本カンパニー硬式野球部に加わっている。

マルハン北日本は東北2次予選で敗れたものの、吉田はTDK、トヨタ自動車東日本を相手に先発し、14イニングで自責点4、四死球1という安定した投球を見せた。そして彼は東北第1代表のJR東日本東北に補強され、再び緑色の帽子を被って東京ドームに戻ってくる。

若き日の彼は大型でありながらしなやかで、打者のタイミングを狂わせる「球持ち」も印象的だったことを覚えている。筆者も社会人復帰後の吉田をまだ見ていないが、キャリアを重ねた彼がどう成熟したのか確かめたい。

第97回 都市対抗野球大会

社会人で「伸びた」印象を受けるのが東邦ガスの吉田大喜だ。今大会の予選は激戦の東海地区予選で、チームを第1代表に押し上げる活躍を見せた。吉田は現在29歳で、175センチ・83キロの右腕。

日本体育大学時代は最速152キロの速球に加えてフォーク(スプリット)が抜群で、2019年のドラフトでは2位指名を受けて東京ヤクルトスワローズ入りしている。ただ、NPB在籍は4年にとどまり、1軍登板は通算で32試合だった。

しかし、2024年に東邦ガス入りすると徐々にチームの主戦として存在感を示すようになり、昨年はヤマハの補強選手として都市対抗に出場。第97回の東海地区2次予選では4試合のうち3試合に登板した。第1代表決定戦は三菱自動車岡崎相手に、10回タイブレークまで自責点1で投げ切り、「胴上げ投手」になっている。

球速自体は大学時代ほど速くないが、実際に試合を見ると「高めに伸びてくる速球」と「落ちる変化球」を交えた上下の揺さぶりが有効。社会人で試合を重ねる中で打者との駆け引きを覚え、開眼した印象を受ける。単に元プロというだけでなく、今大会の注目投手の1人だ。

勝俣翔貴は29歳で、178センチ・88キロの左打者。南関東第2代表の日本製鉄かずさマジックでは4番を任され、2次予選の4試合で16打数8安打4打点の活躍を見せた。

東海大菅生高校時代は「侍ジャパンU-18代表」の主力でもあり、「WBSC U-18ワールドカップ」では首位打者と打点王に輝いた実績を持つ。国際武道大学でも2年次、3年次と全日本大学選手権の連続準優勝に貢献している。

NPBではオリックス、巨人に合計3年所属したものの、爪痕を残せなかった。ただ、2023年からはかずさでプレーしていて、都市対抗は今大会が3度目の出場。その打撃センス、大舞台での強さが、今年の東京ドームで光るかもしれない。

韮澤雄也(NTT東日本)は25歳で、176センチ・83キロの内野手(右投左打)。広角に打ち分ける打撃と、内野ならばどこでもこなせる万能性が持ち味だ。

花咲徳栄高校では1年次に控え選手ながら選手権制覇を経験し、彼も3年次は「U-18ワールドカップ」に出場して、一塁手としてベストナインに選ばれている。2019年のドラフトで広島東洋カープの4位指名を受けてプロ入りした。1軍には合計で63試合に出場しているものの、定位置獲得はならず、在籍6年で戦力外通告を受けた。

2026年からはNTT東日本に同社初の「元NPB選手」として入社。東京2次予選では8番・セカンドで定位置を確保し、19打数6安打4打点と第4代表獲得にしっかり貢献している。

武田健吾や、元横浜DeNAの網谷圭将(トヨタ自動車/ヤマハからの補強選手)は既に社会人野球でも「主役」と言い得る、ファンにはおなじみの存在だろう。ドラフト1位でプロ入りし、埼玉西武や東京ヤクルトで6年在籍した宮川哲の東芝復帰も楽しみだ。

◆第97回都市対抗野球大会に出場するNPB球団所属経験選手

・田中楓基(投手/千葉ロッテ/JR北海道硬式野球クラブ)
・吉田一将(投手/オリックス他/マルハン北日本カンパニー→JR東日本東北補強)
・勝俣翔貴(内野手/オリックス→巨人/日本製鉄かずさマジック)
・韮澤雄也(内野手/広島/NTT東日本)
・宮川 哲(投手/埼玉西武→東京ヤクルト/東芝)
・大城真乃(投手/福岡ソフトバンク/三菱重工East)
・武田健吾(外野手/オリックス→中日/三菱重工East)
・吉田大喜(投手/東京ヤクルト/東邦ガス)
・網谷圭将(外野手/横浜DeNA/ヤマハ→トヨタ自動車補強)
・小深田大地(内野手/横浜DeNA/日本製鉄瀬戸内)

文:大島和人/写真:産経新聞社

大島 和人

大島 和人

1976年神奈川県で出生。育ちは埼玉で現在は東京都町田市に居住。早稲田大学在学中にテレビ局のリサーチャーとしてスポーツ報道の現場に足を踏み入れた。卒業後は損害保険会社などの勤務を経て、2010年からライター活動を開始。現在はサッカーやバスケ、アマチュア野球など多彩なボールゲームの現場に足を運んでいる。Twitter(@augustoparty

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