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沢山優介(トヨタ自動車/ヤマハからの補強)
2025年のプロ野球ドラフト会議では、社会人野球から12名(投手7名/打者5名)が指名を受けた。
鷺宮製作所のエースとして昨年の第96回都市対抗野球大会でベスト8進出に貢献した竹丸和幸は、読売ジャイアンツの1位指名を受け、開幕から「即戦力」としての評価に見合った実力を見せている。
第96回大会で王子の優勝に貢献し、橋戸賞を受賞した九谷瑠は6位指名で、しかも26歳と遅いプロ入りだった。だが、今季は東北楽天ゴールデンイーグルスの中継ぎとしてチームを支えている。他に増居翔太(トヨタ自動車→東京ヤクルトスワローズ)や、片山皓心(Honda→横浜DeNAベイスターズ)もすでに一軍で初勝利を挙げている。
社会人野球も最近は選手寿命が伸びていて、ドラフト指名解禁年となる「高卒3年目」「大卒2年目」までに強豪のエース格となっている投手はなかなか見当たらない。一方でプロはその時点の能力に加えて潜在能力、伸びしろを見る。「社会人で伸びた」「上昇基調にある」タイプは評価を受けやすい。
今回は2026年夏の都市対抗に出場する投手の中から「ドラフト指名候補」という観点から、3名を紹介したい。
磯貝和賢(Honda)は中京大学から入社して3年目の右腕。185センチ・95キロと大柄で、速球は最速157キロを記録する本格派だ。東京都第1代表決定戦では8回裏二死2・3塁、1点差のピンチで起用され、「火消し」の役割を全うしている。
中京大学時代はケガがちで、Honda入社直後に右肘のトミー・ジョン手術(内側側副靱帯再建手術)を受けている。復帰は2025年秋で、投手として「経験を積んでいる途上」とも言える。
スライダー、フォーク、カーブを交えつつ、「ここ」という場面では強気に速球で攻めてくる。走者がいる状況でもしっかり投げ切れるところも実戦向きで、特にリリーフの適性はありそうだ。
沢山優介(トヨタ自動車/ヤマハからの補強選手)は高卒5年目で、22歳の左腕。187センチ・83キロと大柄で、最速151キロを記録する速球を持ち、以前からその能力は注目されていた。
彼が一気に知名度と評価を上げたのは、2026年春のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。彼は両親がブラジルにルーツを持ち、ブラジル代表の資格を持っていて、2025年のWBC予選でも同国の本大会出場に貢献していた。
WBC本大会でもイギリス戦、イタリア戦と2試合に登板し、8イニングを自責点0と好投。特にベスト4入りしたイタリア戦は4回を被安打2、四死球1で封じる快投だった。
長身を利した「角度」や、制球力も彼の強みで、変化球の中ではチェンジアップがメジャーリーガーを翻弄した最大の武器だ。NPBはもちろんだが、国際舞台の活躍からMLBのスカウトも彼に注目しているという。
東海2次予選は3試合に登板したものの、所属するヤマハは本大会出場が叶わなかった。しかし東海第2代表のトヨタ自動車に補強されていて、東京ドームでも登板のチャンスはあるだろう。
第97回 都市対抗野球大会
柿本晟弥(NTT西日本/パナソニックからの補強選手)は入社2年目の右腕。183センチ・80キロと体格的にも十分だ。
東洋大学時代は2部でのプレーが長く、アマチュアの実績はまだ際立ったレベルにない。とはいえポテンシャルは間違いなく高い。躍動感のあるフォームから最速150キロ台の速球を投げ込み、加えて変化球の球種も豊富。社会人入りしてからカットやスライダーといった変化球の「質」が上がり、速球以上の武器となっている。
所属するパナソニックは今シーズン限りでの休部が決まった。また、今回の近畿2次予選も敗退に終わっている。そんな中で柿本は近畿第2代表のNTT西日本に補強された。
NPBの各球団は人数制限なくパナソニックから指名可能で、また通常は社会人チームに対して認められない「育成指名」も例外的に許される。柿本がプロ入りを目指すならば、都市対抗野球は大切なアピールの場となる。
文:大島和人/写真:産経新聞社
大島 和人
1976年神奈川県で出生。育ちは埼玉で現在は東京都町田市に居住。早稲田大学在学中にテレビ局のリサーチャーとしてスポーツ報道の現場に足を踏み入れた。卒業後は損害保険会社などの勤務を経て、2010年からライター活動を開始。現在はサッカーやバスケ、アマチュア野球など多彩なボールゲームの現場に足を運んでいる。Twitter(@augustoparty)
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