人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

フィギュア スケート コラム 2023年7月26日

カルチュラル・スタディーズとは | 町田樹のスポーツアカデミア 【Dialogue:研究者、スポーツを斬る】 ~ポスト・スポーツの先を見据えて~

フィギュアスケートレポート by J SPORTS 編集部
  • Line

Y:おっしゃる通りです。まさに町田さんがおっしゃる通りで、やっぱりヨーロッパや北米の白人の男性のヘテロセクシャルが規範や理想として作られたカルチャーだと思うのですけど、そこに当てはまらない人たちもスポーツをする。そういった時にいろいろな障壁が出てくるわけですよね。カルチュラル・スタディーズは、まさにその障壁をどういうふうに変えていくのかという学問だと思いますし、スポーツもまさにそういう障壁がたくさん可視化されてきた時代が90年代です。男性だけのスポーツだったサッカーが女性たちも積極的に行うし、ヘテロセクシャルが前提だと言われているアスリートでもカミングアウトする選手たちがたくさん登場してきました。ちょうど私が勉強して研究しはじめていく時代と、その転換点が重なっていたというところもあって、カルチュラル・スタディーズを自分の方法に取り入れたのはとても有効だったなというふうに今、思いますね。

M:スポーツ社会学とかカルチュラル・スタディーズにおけるスポーツ研究の動向ってどうなんでしょうか。

Y:スポーツははじまってから150年から200年ぐらい経つと思いますが、おそらく最大の転換点を迎えています。私は2010年代からのこの十数年は、長いスポーツの歴史の中の大きな転換期だと思っていて、それをなんとかこの時代にきちんと書いて残しておきたいという思いがあって本を書いたんですけれど、まさに今、スポーツ界で起きている大変化というのはすごくカルチュラル・スタディーズのテーマと重なっています。多くの方々もご存知かもしれませんけど、今、アメリカでも人種差別の問題、これは毎日のようにニュースになっています。それから今、フェミニズム運動が世界的にすごく大きな力を持ちはじめていて、例えば「#Me Too運動」のようにインターネットという新しいメディアを通じて、問題・関心が国境を越えて共有されていくような時代。このような時代に、スポーツが競技のフィールドだけじゃなくて、社会変革にとっての大事なフィールドになりはじめている。

  • Line

関連タグ

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
フィギュア スケートを応援しよう!

フィギュア スケートの放送・配信ページへ