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これ以上はできない、と言いきれる演技でしたーー。右足首の怪我を乗り越え、宇野昌磨が栄冠掴む | ISU世界フィギュアスケート選手権2023 男子シングル レビュー
フィギュアスケートレポート by J SPORTS 編集部一方のFSは、大きく崩れ9位で終えた1年前の失敗を、マリニンは繰り返さなかった。冒頭に世界選史上空前絶後の4Aを成功させると――アリーナが歓声で揺れた――、直後2本のジャンプで着氷が乱れながらも、4回転6本という……BV基礎点106.66点という史上最高難度のプログラムを実現させた。順位はSPから一つ落としてしまったものの、総計288.44点のPBで、銅メダリストになった!
表彰台に上った3選手
「自分があれだけのパフォーマンスを引き出せたことを、嬉しく思っています。多くの練習と努力を重ねてきましたし、やり遂げることができました。僕にとって本当に素敵な大会になりました」(マリニン)
ところでTES技術点だけならSP・FSともに、マリニンが堂々たる首位だった。優勝した宇野の得点をも5.74点上回る。ただスコアの半分近くを占めるPCS演技構成点に関しては、全体の11位に過ぎない。宇野からの遅れは18.44点にもなる。「クワッドゴッド」にとって、これは大きな教訓となったようだ。
「4Aだけで12.86ポイントいただけたことを、本当に光栄に思っています。ただし多くのリスクを冒すことの難しさにも気付きました。高難度のジャンプをたくさん飛んだ後、観客に楽しんでいただけるパフォーマンスを続けるのは非常に難しいこと。だから来季は、この『パフォーマンス』面に集中したいと思ってます」(マリニン)
まさに技術力と表現力とをバランスよく備え、さらにはこの世界選手権に調子のピークを合わせることに成功したのがチャ・ジュンファン(韓国)だ。例年シーズン最後の世界選では、期待通りの成果を収められずにきた。また昨大会はスケート靴の問題でSP17位に沈んだ後、途中棄権を余儀なくされた。
「シーズン終わりに少し力を落としてしまうことが多かったのです。だから世界選手権に集中するために、今季はいつもとは異なる方法でシーズンを組み立てました。おかげで調子良く大会に乗り込めました」(チャ)
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