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これ以上はできない、と言いきれる演技でしたーー。右足首の怪我を乗り越え、宇野昌磨が栄冠掴む | ISU世界フィギュアスケート選手権2023 男子シングル レビュー
フィギュアスケートレポート by J SPORTS 編集部「ものすごく難しい試合ではあったんですけど、最後は笑顔で大会を終えることができました。もっと強くなって、世界選手権の舞台にまた戻ってきたいと思っています」(山本)
とりわけFSの最終滑走グループは、スタンディングオベーションが鳴り止まなかった。たとえば北京五輪以来となる国際競技会で、ジェイソン・ブラウン(アメリカ)は改めてその特別な存在感を見せつけた。今大会も4回転なしで、しかし一つひとつ丁寧に磨き上がれれたエレメンツや、淀みのないしなやかなムーブメントで、堂々世界5位に食い込んだ。PCS演技構成点だけなら、トータルで全参加選手中1位だった。
ケヴィン・エイモズ(フランス)は、世界最高の舞台で、ついに自らのポテンシャルを思う存分解き放った。身体を自在に操り、伸びやかに、力強く、空間や重力さえも支配した。SPはノーミスで3年ぶりの高得点を記録し、FSと総合では……やはり3年ぶりにPBを更新。苦しい時間が長かったからこそ、喜びはひときわ大きかった。欧州選4位は素直に悔しがったが、世界選での自己最高4位は、「僕にとっては金メダルに等しい!!」
2月に人生最後の四大陸選手権で、人生初のISUチャンピオンシップ表彰台乗りを果たしたキーガン・メッシング(カナダ)は、「自由な気分」で滑った今大会SPでは世界選自己最高の4位に飛び込んだ。100点まであと1.25点に迫る大きな得点で、31歳にして、パーソナルベストさえ塗り替えた。FSではおなじみ「ホーム」のどこか懐かしいメロディに乗って、リンクを所狭しと駈け巡った。あまりに高速で飛ばしすぎたせいで、ジャンプやフライングシットスピンがすっぽ抜けてしまったけれど……「全体的にはめちゃくちゃいい気分。観客のみなさんと心からの一体感を得られた」と泣き笑い。総合7位で、キャリア最後の世界選手権を美しく締めくくった。
18歳のイリヤ・マリニン(アメリカ)は、シニアのISUチャンピオンシップで初めてのメダルに手が届いた。昨季の初出場時と同じように、SPは鮮やかなノーミスでまとめ上げた。しかも今回はスピンもステップも全レベル4で揃え、PBの100.38点を叩き出した。
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