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モータースポーツ コラム 2026年6月3日

【プレビュー】雨が絡めばトリッキーな展開に。レギュラーチームだけで争う8時間レース | FIM 世界耐久選手権(EWC) 2026 スパ・フランコルシャン8時間耐久ロードレース

モータースポーツコラム by J SPORTS 編集部
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FIM 世界耐久選手権(EWC) 2026 スパ・フランコルシャン8時間耐久ロードレース

「鈴鹿8耐」を含む全4戦で争うオートバイ耐久レースシリーズ FIM 世界耐久選手権(EWC)。今シーズンもJ SPORTSオンデマンドではFIM 世界耐久選手権 2026全戦 LIVE配信!。第2戦の「スパ8時間レース」は、鈴鹿8耐を前にした重要な1戦となるので、EWCレギュラー参戦チームにとっては、負けられない戦いとなります。今回はベルギーのスパ・フランコルシャンで6月5日(金)〜6日(土)に開催される「スパ8時間レース」のレースプレビューをお届けしましょう。

4月に開催された2026年シーズンのFIM EWC開幕戦「ル・マン24時間レース」は2年連続でヤマハのトップチーム「#1 YART YAMAHA」(マーヴィン・フリッツ/カレル・ハニカ/レアンドロ・メルカド)が優勝を飾りました。予選からBMWのファクトリーチーム「#37 BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM」(マイケル・ファンデルマーク/スティーブン・オデンダール/マーカス・レイテルベルガー)と激しく首位を争い、決勝レースでもこの2チームが驚異的な速さを披露。しかし、スタートから20時間経過して首位を走行していた#37 BMWがトラブルで緊急ピットイン。首位の座から陥落し、チャンピオンチームらしい速さと粘り強さを見せた#1 YARTが開幕戦を制しました。

#1 YARTが走らせるヤマハYZF-R1はかつて8時間耐久レースにめっぽう強いチームながら、24時間レースでは厳しい結果になることが多かったのですが、2023年ごろから24時間レースでも良い結果を残せるようになりました。2年連続でル・マンを制したことで#1 YARTが走らせるヤマハYZF-R1の耐久性、信頼性が完全に証明されました。

一方で24時間レースではまたも涙を飲んだのが#37 BMWです。BMWはなかなか24時間レースで勝てません。今年はマイケル・ファンデルマークの加入で戦力強化を図り、今回もル・マン初制覇は確実と見られていたのですが、その夢は叶いませんでした。

そして、小さなトラブルを抱えつつも2位表彰台でフィニッシュした「#12 Yoshimura SERT MOTUL」(グレッグ・ブラック/エティエンヌ・マッソン/ダン・リンフット)は安定の強さ。チャンピオンシップを考えると、重要なル・マンで2位はトラブルでガレージインしたタイミングがあったことを考えると、素晴らしいシーズンスタートです。

3位表彰台を獲得したのは「#11 Kawasaki Webike Trickstar」(ロマン・ラモス/クリスチャン・ガマリノ/グレゴリー・ルブラン)です。耐久のエキスパートライダーたちが走るカワサキのトップチームも、予選では苦しんだものの、レース展開がとにかく落ち着いていて、まさに耐久チームらしい走りを見せました。

4位には「#6 ERC ENDURANCE」、5位には「#76 AutoRace Ube Racing Team」のBMW勢が入りました。両者共にこちらもトラブルでガレージインするタイミングがあり、それを乗り越えて走り切ったという形です。レースの終盤はBMW勢同士による4位争いも一気にギャップが縮まりましたが、最後に逆転はなりませんでした。

さて、昨年の「スパ8時間」で優勝したのは「#5 F.C.C. TSR Honda France」(アラン・テシェ/コランタン・ペロラーリ/ジョン・マクフィー)ですが、#5 TSRはル・マンでは速さがあったものの、接触転倒で優勝のチャンスを失ってしまいました。コース幅が広くなく、ライダーのペース差が大きいル・マンでは慎重にならなければいけない接触でしたが、上位フィニッシュが可能なレースでもったいないアクシデントでした。

ただ、TSRは今回の「スパ8時間」は優勝候補の筆頭でしょう。アップダウンがきつく、高速コーナリングの多い1周7kmのスパ・フランコルシャンでは、TSRのホンダCBR1000RR-Rのパワーは大きな武器。同じくスパのレースを得意とする#1 YARTと優勝争いを展開することは確実でしょう。

最終的にはトラブルで優勝を失った#37 BMWもスパは得意とするサーキットです。BMWはとにかくストレートスピードが速く、バックマーカーを抜くために使いたいケメル・ストレートなど全開区間でのアドバンテージはかなりあるはずです。24時間レースでは厳しい結果になることが多いものの、8時間レースでは灼熱の鈴鹿8耐を含めて好結果をもたらしているだけに、BMW勢のスパでの活躍は大いに期待したいところですね。

ただ、スパ・フランコルシャンはサーキットの標高が高く、天候が変わりやすいことでも有名。スパ・ウェザーと呼ばれる気まぐれな天候だけでなく、1周が7kmと非常に長いため、雨が降っているところと降っていないところが同じコース上で同時発生する可能性があり、ライダーにはある程度の経験値が必要なコースでもあります。ましてやル・マンと違い、事前テストがなく、練習走行は6月4日(木)の1日だけ。この日が1日中ウェットコンディションになれば、その後は波乱が起こること間違いないといえる展開が待っています。

そういう意味では昨年と同様のチーム体制、ライダー編成を敷くチームが有利になってくるかもしれません。「#12 Yoshimura SERT MOTUL」はその筆頭で、ピット作業や緊急時の対応にも長けている彼らは鈴鹿8耐を前に今季初優勝を達成できるか楽しみです。

FIM EWCレギュラー勢にとっては本当の意味で、スピードで勝負するレースがスパ8時間です。第3戦・鈴鹿8耐では全日本ロードレースのレギュラーチームや、ホンダ、ヤマハ、スズキのフルワークスチームが参戦するなど、鈴鹿ですでにテストし、ノウハウとデータを持ったチームが上位を争います。鈴鹿8耐はとにかく自分たちとの闘いで可能な限り大きなポイントを積むことが重要になってきますから、レギュラーチームはスパでの勝利に全力を燃やしてくるでしょう。24時間レースの後は、8時間なんてスプリントレースみたいなもの?流石にそこは耐久ですが、激しいバトルの8時間になることは間違いありません。

文:J SPORTS編集部

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