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モータースポーツ コラム 2026年7月28日

第3戦延期のSUPER GT、富士連戦ながら第4戦は300kmでの戦いに

SUPER GT by 島村 元子
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第2戦 GT500 決勝

現在、執筆の時点(7/27現在)で北陸、東北エリアは梅雨明けが気象庁から発表されていないようだが、最近は猛暑日、さらには今年から制定された酷暑日になっているエリアもあり、日本列島は厳しい暑さに包まれている。そんななか、およそ3ヶ月ぶりとなるSUPER GT開催が迫っている。場所は静岡・富士スピードウェイ。第3戦マレーシア大会が延期となったため、前回と同じ舞台での一戦になるが、今大会は決勝フォーマットが異なるため、レース展開も戦略も違う内容になるだろう。暑さを吹き飛ばすほどの”アツい”戦いに注目だ。

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8月は富士、鈴鹿で連戦

長いインターバルを経て開催される第4戦。サーキットが位置する御殿場は都心とは異なり朝晩は気温も下がりやすいが、晴れれば日差しも強く、観戦の際はしっかりと熱中症対策も必要。昨年のレースでは初日に気温34度超えになり、薄曇りとなった2日目は、30度を切っていたが湿度が高く、かなりタフなコンディションだった。今大会の天候を予想するにはまだ早すぎるが、来場される場合は、真夏の暑さをしっかりと意識して準備万端で現地に出かけて欲しい。

昨年の第4戦は、SUPER GTのシリーズ戦としては初の試みとなるスプリントレースを開催。今年は「FUJI GT 300km RACE」という名のとおり、通常のフォーマットでの300kmレースとなるため、サクセスウェイトの影響が出る展開になりそうだ。

現時点でランキングトップにつけるNo.36 au TOM’S GR Supra(坪井翔山下健太)は開幕から2連勝で40ポイントを獲得。サクセスウェイトは80kgだ。ただし、車載ウェイトは今シーズンからGT500クラスでも上限が50kgまでになっており、超過分として燃料流量リストリクターだけでなく、68kgからは新たにサクセス給油リストリクターの調整が採用され、”燃リス”と併用される。エンジンの使用数もこれまでの2基から1基へと制限されているため、エンジンマイレージを意識したルールとして採用されたようだ。ただ、期せずして第3戦セパンが延期扱いになり、今シーズンの年間レース数はひとつ減って7戦となったため、エンジンにかかる負荷は軽減されるだろうが、今回のような真夏の一戦は気候的にはタフなものだけに、かなり周到な準備が必要になるだろう。

なお、今大会で両リストリクターを併用するのは36号車のみ。ランキング2位につけるNo.14 ENEOS X PRIME GR Supra福住仁嶺大嶋和也)が48kg、同3位のNo.38 KeePer CERUMO GR Supra大湯都史樹小林利徠斗)は32kgのサクセスウェイトを実重量でそれぞれ搭載する。GR Supraは富士でのパフォーマンスに優れていることで知られるため、この2台が多少のウェイトも問題にせず、強さを見せる可能性もありそうだ。しかしながら、いくらコースとの相性が良いとしても、ウェイトが足かせとなってボディブローのように効いてくるかもしれない。であれば、ウェイトの軽い他のトヨタ陣営に追い風が吹きそうだ。ダイナミックな戦略で後方からポジションアップを遂げることも多いNo.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra関口雄飛サッシャ・フェネストラズ)はじめ、唯一ヨコハマタイヤを装着するNo.19 WedsSport BANDOH GR Supra国本雄資阪口晴南)は、コースコンディションとタイヤの相性がピタッとハマれば、速さをしっかりとアピールできるかも。ホームコースでの躍進を狙っているのは言うまでもない。

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ヨコハマの19号車同様、唯一のダンロップタイヤユーザーがNo.64 Modulo HRC PRELUDE-GT大草りきイゴール・オオムラ・フラガ)だ。開幕前のセパンテストで手応えを得たこともあり、期待していた第3戦の延期に「優勝を狙っていた」と大草は落胆していた。それだけに、今大会ではシーズン中盤以降に向けて上昇気流に乗りたいところ。もちろん、新車投入以降まだ表彰台に上がっていない他のPRELUDE-GT勢も見せ場を作りたい。全8戦がひとつ減って全7戦になったことで1戦にかかる”重み”も増えているだけに、確実に結果を出すためのチャンスを虎視眈々と狙っているだろう。ランキングでホンダ陣営のトップはNo.16 #16 ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GT(野尻智紀佐藤蓮)だが、ルーキーを擁し、予選で速さを見せるNo.17 Astemo HRC PRELUDE-GT塚越広大野村勇斗)や決勝での勝負強さに定評があるNo.100 STANLEY HRC PRELUDE-GT山本尚貴牧野任祐)にも注目したい。

そして、岡山、富士と2戦でトヨタ陣営による表彰台独占を阻止したニッサン陣営の奮闘も見逃せない。なかでもNo.12 TRS IMPUL with SDG Z平峰一貴ベルトラン・バゲット)は、昨シーズンは二度の富士戦でいずれもZ勢トップの結果を残しているだけに、今シーズンも臨戦態勢に抜かりはなさそう。さらには前回の第2戦で3位表彰台に上がったNo.23 MOTUL Niterra Z千代勝正高星明誠)も抜群の総合力で好機をうかがっているはずだ。

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実力伯仲のGT300。頭ひとつ抜け出すのは?

GT500クラスに対して、混沌の様相を呈しているのがGT300クラスだ。開幕戦では速さに定評あるNo.777 D'station Vantage GT3(藤井誠暢/チャーリー・ファグ)がポール・トゥ・ウインを達成。前回の富士は7位入賞に留まっているが、ランキングでは暫定トップにつける。昨シーズンの夏の富士では、スプリントレースのレースフォーマットであるノーウェイトを味方につけて2レースとも優勝を果たしており、実力は申し分ない。今回の富士は通常レースであるため70kgのサクセスウェイトで臨むことになるが、着実なレース運びで状況によっては上位入賞を狙えるかもしれない。

その一方で、試合巧者の戦いにも関心が集まる。昨シーズンの王者であるNo.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟)や前回の富士で3年ぶりに勝利したNo.56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/木村偉織)がこれに該当する。さらにNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)を挙げないわけにはいかないだろう。第2戦では新エンジンを武器にポールポジションを獲得。決勝では残念ながらタイヤトラブルで勝機を逸したが、今回もウェイトを気にすることなく予選から攻めの走りに挑んでくるはず。タイヤパフォーマンス次第では間違いなく優勝候補になり得るだろう。GT300クラスはGT500クラス以上に車種が多く、タイヤメーカーの組み合わせによって、予想される展開もそれぞれ異なってくる。注目の1台をピックアップし、その違いに着目してみるのもおもしろそうだ。

クルマやタイヤのパフォーマンスは当然のことながら、レースウィーク中のコンディション、ライバルとの駆け引きなど、複数の要素が絡み合って計り知れない戦いになるのか。その答えをしかと見届けてもらいたい。

文:島村元子

島村元子

島村 元子

日本モータースポーツ記者会所属、大阪府出身。モータースポーツとの出会いはオートバイレース。大学在籍中に自動車関係の広告代理店でアルバイトを始め、サンデーレースを取材したのが原点となり次第に活動の場を広げる。現在はSUPER GT、スーパーフォーミュラを中心に、ル・マン24時間レースでも現地取材を行う。

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