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モーター スポーツ コラム 2025年5月29日

今年も各クラス注目の対決や共演が目白押し! 2025スーパー耐久 富士24時間いよいよ開幕

モータースポーツコラム by 吉田 知弘
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8度目の開催を迎える富士24時間

今年も“富士24時間レース”の季節がやってきた。

2025年のスーパー耐久シリーズは、3月にモビリティリゾートもてぎで開幕し、4月の第2戦鈴鹿5時間を経て、シーズン3戦目として、長丁場の週末を迎える。

現在のかたちで富士24時間が初めて行われたのは2018年。そこから今年で8度目の開催となり、国内のモータースポーツファンの間でも定着したイベントに成長した。さらに参戦台数も増えていき、長丁場のレースを走り切るために“助っ人ドライバー”を招聘するのも恒例となっている。今年は全クラス合わせて60台がエントリーし、総勢300名を超えるドライバーが参戦する。

その中には、国内最高峰カテゴリーで活躍するドライバーたちも多数エントリーするなど、トピックスが盛りだくさんだ。

まずは昨年いっぱいでSUPER GTを引退したロニー・クインタレッリ。今季はスーパー耐久のSTMOエグゼクティブアドバイザーを務めているほか、インタープロトシリーズに引き続き参戦しているが、今回はST-ZクラスのNo.25 raffinee日産メカニックチャレンジZ NISMO GT4からエントリー。久しぶりに大舞台に帰ってくる彼の姿は必見だ。

さらにST-2クラスでは、SUPER GTのGT500クラスのホンダCIVIC TYPE R-GTで戦う野尻智紀と大津弘樹が、今回は別のシビックTYPE Rで対決する。野尻はホンダの社員有志が集って参戦するNo.743 honda R&D Challenge FL5、大津は日本自動車大学校の生徒たちがメカニックを務めるNo.72 OHLINS CIVIC NATSのEドライバーとしてエントリーする。

No.743 honda R&D Challenge FL5

それぞれコンセプトが異なるチームではあるが、使っている車両は同じCIVIC TYPE R。さらにレギュラー参戦しているNo.95 SPOON リジカラ CIVICの小出峻も今季はGT500に参戦中ということで、ホンダドライバーたちの対決というところも目が離せない。

またST-Qクラスでは、昨年の国内モータースポーツ界で“夫婦同日優勝”の快挙を達成して話題となった坪井翔と斎藤愛未がチームメイトとしてNo.28 TGRR GR86 Future FR conceptをドライブする。あまり順位争いという点が重要視されないクラスではあるが、こちらも富士24時間レースだからこそ見られる組み合わせ。

No.32 TGRR GR Corolla H2 conceptには、中嶋一貴がFドライバーとして登録している。現在はTGR-Eドライバーとして忙しい日々を過ごしているが、そんな彼がドライバーに戻る数少ない機会というところで見逃せないポイントだ。

この他にも、ST-TCRクラスのNo.98 WAIMARAMA Elantra N TCRにはジュリアーノ・アレジ、No.20 NANIWA DENSO TEAM IMPUL Zにはベルトラン・バケット、No.26 raffinee日産メカニックチャレンジZ NISMO GT4には今季スーパーフォーミュラで大活躍中のイゴール・オオムラ・フラガと……ここで紹介しきれないほど、今年も豪華メンバーが助っ人として参加する。

【今年もST-Xは激戦の予感…注目の総合優勝争いは?】

No.666 seven x seven PORSCHE GT3R

その中でで気になるのは、今年の総合優勝争い。最高峰となるST-Xクラスには6台がエントリーする。今シーズンの序盤2戦を振り返ると、新たに参戦を開始しているNo.666 seven x seven PORSCHE GT3Rが開幕2連勝と絶好調。その分、今回の富士24時間では多くのサクセスウェイトを背負うことになるが、今回はジョアオ・パオロ・デ・オリベイラを助っ人として起用。チームの牽引役でもある藤浪清斗とは2020年と2022年のSUPER GT(GT300)でチャンピオンを獲得したコンビ。当時もみせた力強さに、今季速さをみせているAドライバーのBANKCYの活躍も加われば、ライバルを上回るレース運びをみせる可能性は高い。

そして何より、エースの藤波は富士24時間レースを3度目も制している実績を持っているということもチームにとっては大きなプラス材料。このレースを制し、今シーズンを制して“その先”を目指す彼の走りも目が離せない。

ただ、今年はライバルも非常に多い。その中で気になるのは、昨シーズンから参戦を開始しているNo.33 Craft-Bamboo Racing Mercedes-AMG GT3だ。今季の初レースとなった第2戦鈴鹿でも2位に入る走りを見せた。こちらもレースペースのアベレージ高いため、波乱が起きやすい24時間レースでミスやトラブルなく走り続けていけば、最終的にトップに立っているということも十分ありそうだ。

ここ数年は、富士24時間レースでも上位争いに加わる走りをみせるNo.31 DENSO LEXUS RC F GT3は、昨年の富士24時間優勝メンバーである蒲生尚弥や、SUPER GT/スーパーフォーミュラで活躍中の阪口晴南をスポットで起用する豪華ラインナップでエントリー。レクサスRC F GT3も毎回安定した速さをみせているため、手強い存在になることだろう。

この他にも、昨年の富士24時間では、最後まで優勝争いに加わったNo.23 TKRI松永建設AMG GT3や、富士24時間で優勝経験のあるNo.81 DAISHIN GT-R GT3など、注目チームは盛りだくさんだ。

No.23 TKRI松永建設AMG GT3

そして、レースの展開を占う上で欠かせないのが天気。5月28日時点の天気予報をみると、予選日と決勝スタート時が雨の予報。日曜日は曇りとなっているが、富士スピードウェイ周辺は天候が変わりやすいため、今年の24時間レースは雨絡みになる確率が高そうだ。そうなってくると、どのタイミングでドライタイヤ/ウエットタイヤを履くかなど、戦略面も重要になってくるため、より予想がつかない展開が待ち受けていそうだ。

雨が降るということは、現地観戦に来る皆さんも雨対策をお忘れなく。1年に一度の24時間レースを、楽しんでいただければと思う。

J SPORTS オンデマンド番組情報

文:吉田 知弘

吉田 知弘

吉田 知弘

幼少の頃から父親の影響でF1をはじめ国内外のモータースポーツに興味を持ち始め、その魅力を多くの人に伝えるべく、モータースポーツジャーナリストになることを決断。大学卒業後から執筆活動をスタートし、2011年からレース現場での取材を開始。現在ではスーパーGT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久、全日本F3選手権など国内レースを中心に年間20戦以上を現地取材。webメディアを中心にニュース記事やインタビュー記事、コラム等を掲載している。日本モータースポーツ記者会会員。石川県出身 1984年生まれ

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