人気ランキング

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム一覧

モータースポーツ コラム 2026年5月27日

【プレビュー】無敵のドゥカティ&ブレガ! レクオーナは母国スペインで初勝利を目指す | FIM スーパーバイク世界選手権 2026 第6戦 アラゴン

モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ
  • Line
FIM スーパーバイク世界選手権  2026 第1戦 フィリップアイランド

FIM スーパーバイク世界選手権 2026 第6戦 アラゴン

市販車ベースの世界最高峰オートバイレース「FIMスーパーバイク世界選手権(WSBK)」の第6戦がスペインのモーターランド・アラゴンにて5月29日(金)〜31日(日)に開催されます。今シーズンも「J SPORTS」ではWSBKを全戦放送中。快進撃を続けるニッコロ・ブレガ(ドゥカティ)は前半戦を負け無しで終えられるでしょうか。第6戦・アラゴンのレースプレビューをお届けしましょう。

チェコのモストで開催された第5戦はまたもドゥカティワークスチーム「Aruba.it Racing-Ducati」のニッコロ・ブレガ(ドゥカティ)、イケル・レクオーナ(ドゥカティ)による3レース連続の1-2フィニッシュとなりました。これでドゥカティワークスの1-2フィニッシュは4ラウンド12レース連続という圧勝ぶり。ニッコロ・ブレガ(ドゥカティ)は1シーズンの連勝記録13勝を更新し、15連勝。昨年から19連勝を続けているという無双状態です。

もはや定番化してしまっているドゥカティワークスの1-2フィニッシュ。WSBKでは特定のライダーが連勝を続けるということはよくあることです。過去にはカワサキ時代のジョナサン・レイ、ドゥカティ時代のアルバロ・バウティスタ、そして昨年までWSBKに参戦したBMW時代のトプラック・ラズガットリオグルなど、その年のベストマシンとポテンシャルが高いライダーのマッチングでこういう状況は起こりがちです。

WSBKでは市販モデルのオートバイをベースにしているため、シーズン中の大幅なモディファイやアップデートができません。元々が公道用であるために、スピードレンジの高いサーキットから、中低速あるいはストップアンドゴーのテクニカルレイアウトのサーキットまで、全てで優位に立てるマシンはそうそうありません。WSBKは独自の性能調整を行い、ポテンシャルを発揮できないマシンの優遇措置も導入していますが、素性の良いバイクに速いライダーの組み合わせが一度決まると、そう簡単には情勢は覆らないものです。

オートバイのポテンシャル以上にライダーの差が結果となって生まれやすいのはこのカテゴリーの必然とも言えるでしょう。昨年王者のトプラク・ラズガットリオグルのように、とんでもない速さを持ったライダーは当然MotoGPへと誘われますし、MotoGPにチャンスがあるならライダーとしてその道を断る理由はないでしょう。WSBKではたまたまMotoGPのチャンスを掴み取れなかった速いライダーと契約することが重要です。

そういう意味ではドゥカティがMoto2ライダーだったニッコロ・ブレガ(ドゥカティ)をスーパースポーツ世界選手権に参戦させ、チャンピオン獲得後にいきなりワークスチームからWSBKに参戦させたことは、大胆かつ素晴らしい選択肢だったといえます。ジョナサン・レイやトプラク・ラズガットリオグルもブレガと同じパターンで、自身はMotoGPにも乗れるポテンシャル持っていることをWSBKで証明してきました。

ブレガのチームメイトのイケル・レクオーナ(ドゥカティ)はKTMで2シーズン、MotoGPを経験しています。MotoGPでの最高位は9位。彼は2022年にホンダからWSBKに転向しました。当時のホンダは元MotoGPライダーのアルバロ・バウティスタが去ったタイミングであり、WSBKの中でもドゥカティが台数を増加させてきていた状況でしたから、若手中心のラインナップに刷新して流れを変えたいという時代でした。レクオーナはホンダのエース格となり、1年目から表彰台とポールポジションを獲得。しかし、その後はホンダのポテンシャルが徐々に厳しくなり、4年間で表彰台は1度だけという結果になりました。

今季のレクオーナはドゥカティに移籍。第2戦以降は12レース連続で2位表彰台を獲得しています。第5戦・モストでもまたブレガの後塵を拝すことにはなりましたが、徐々にその差は縮まり始めています。そんな中で迎える第6戦はスペインのアラゴン。彼自身はバレンシアの出身で、完全な地元ではありませんが、やはりスペインでのレースでは初優勝を飾りたいことでしょう。アラゴンでのベストリザルトは6位で、昨年は怪我のため欠場していますが、出場したレースは全てトップ10以内で完走しています。前半戦の締めくくりとなるアラゴンでレクオーナがブレガの前を走り、初優勝を勝ち取れるかは今季のWSBKの行方を占う上で重要なポイントです。

ドゥカティが表彰台を独占した第5戦モストでは性能調整の恩恵を受けたギャレット・ガーロフ(カワサキ)の走りがレースを盛り上げました。カワサキは同じグループのビモータに力を入れており、現在参戦しているカワサキのマシンZ X -10RRはガーロフの1台のみ。モストではレース1で4位、スーパーポールで6位、レース2で5位と、今季ベストのレースウィークとなりました。ドゥカティのプライベーターやビモータとのバトルシーンが多く、彼自身にとっても良いアピールになったレースといえるでしょう。

一方、良い流れを作れていないのはBMW。第4戦バラトンパークでの怪我でミゲール・オリベイラ(BMW)が欠場。マイケル・ファンデルマーク(BMW)を代役で投入。オリベイラは怪我の回復が長引いており、ファンデルマークが引き続き代役を務めます。そして第5戦モストのレース1ではダニロ・ペトルッチ(BMW)もクラッシュで尾骨を怪我してしまい、その後のレースを欠場。アラゴンも出場できるかどうか微妙です。

ミサノで実施されたテストではファンデルマークとハンネス・スーマーが走行。スーマーは今週、レギュラーで参戦するEURO MOTO(旧IDMドイツ選手権)のレースと重なっています。レギュラーライダーの相次ぐ怪我と欠場でBMWは大苦戦のシーズンになってしまっており、チームランキング4位、マニュファクチャラーズランキング3位に転落してしまいました。

好調のドゥカティに対して苦戦するライバル勢。まだまだドゥカティワークスの快進撃は続きそうですね。

文:辻野ヒロシ

無料動画

【決勝レース ハイライト】FIM スーパーバイク世界選手権 2026 第5戦 モスト(チェコ)(5月17日※現地)#sbk

辻野 ヒロシ

辻野 ヒロシ

1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
モータースポーツを応援しよう!

モータースポーツの放送・配信ページへ