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モータースポーツ コラム 2026年6月3日

ラリーにおける「サービスパーク方式」と「ロードセクション方式」について

今日も今日とてプッシュ&ルーズ by 高橋 二朗
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優勝したエルフィン・エバンス選手のドライブ

世界ラリー選手権(WRC)第7戦、ラリージャパンを、前週に続きJ SPORTSで観戦していました。ご視聴された皆さんは、ご存知の通り、トヨタがWRC1クラスのトップ4を母国イベントで独占するという結果。速かった。優勝したエルフィン・エバンス選手の付け入る隙がない完璧な走りがテレビモニターを通して感じられた。
フルターマック(舗装路)、そしてこの時期にしては高い気温というコンディションの中、タイヤの選択、セッティングのほんの少しの差がタイム差、ミスにつながるとてもシビアな今年のラリージャパン。その中でエバンス選手は、完璧なドライブだったと思う。そして、このイベントは自治体のご理解と協力に支えられて、成功への礎となっている。
また、メディアサービスを日本人ジャーナリストがサポートしている。関係者の皆さん、ご苦労様でした。

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ラリージャパンではサービスパークを豊田スタジアムに置き、4日間の競技が展開されていた。このサービスパーク方式(クローバーリーフ方式)は、正確には分からないが、2000年あたりに始まった。それ以前は、1日の終わりにサービスパークに戻るのではなく、移動する途中にサービスポイントを置く「ロードセクション方式」が採用されていた。
ボクが1980年代に取材&チームのサポートスタッフとして当時のWRC最終戦、RACラリー(イギリス)に参戦していた時は、古都をスタートしてイギリスのほぼ全土を旅して周り、スタート地点に戻るといった形式だった。バース、チェスター、ノッティンガム──。各スタート地点で、イギリスらしい歴史を感じさせる街並みを観光するのもとても楽しかった。
そして、各スペシャルステージ(SS)をクリアして行く途中の各地も印象的だった。特に思い出に残っているのは、イングランドとスコットランドの境界周辺に広がる湖水地方、ウィンダミア。世界的に有名な絵本「ピーターラビット」は、この湖水地方が舞台となっている。
競技車との無線連絡の状況を良くするために丘の上に車を停め、眺めた景色は素晴らしかった。競技中なのに、そこに立ちすくんでいて気がつくと放牧の羊が数頭寄って来て<メーッ>と挨拶され、思わず吹き出してしまったっけ・・・。

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ロードセクション方式は、参加チームにとってサービス体制の移動、宿泊、経費が嵩んでしまっていた。またファンにとっても競技車を追いかけるのも大変であった。
現行のサービスパークをハブとすれば、ファンにとっても楽しめる。メディアにも拠点があり、情報が集約されてライブで競技の状況を把握できる。そしてイベントとしての商業的な利益を生むことができる。チームにとっても諸々の負担が軽減でき、スタッフの移動がないために安全性が高まる。競技車の夜間走行がなくなったことも、安全性が高くなった。

ただ、その一方でかつてのようにWRCイベントを「旅の中で楽しむ」ということは少なくなったように感じる――そんなことを思いながらテレビ観戦していた前期高齢者がここに一人。

文:高橋 二朗

高橋 二朗

高橋 二朗

日本モータースポーツ記者会。 Autosport誌(英)日本特約ライターでもあり、国内外で精力的に取材活動をするモータースポーツジャーナリストの第一人者。1983年からルマン24時間レースを取材。1989年にはインディー500マイルレースで東洋人としては初めてピットリポートを現地から衛星生中継した。J SPORTSで放送のSUPER GTのピットレポーターおよび、GTトークバラエティ「GTV」のメインMCをつとめる。

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