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カナダGPでの予期せぬ事態にうなだれるアレックス・アルボン
モントリオールで開催されるカナダGPでは毎年、ライバルチームや天候、マシントラブル以外にも、レース結果を左右しかねない思わぬ要因が存在する。
フリー走行1回目、ウィリアムズのアレックス・アルボンはターン7でウッドチャック(グラウンドホッグ)と接触し、コントロールを失って壁に激突。幸い怪我はなかったが、マシンは深刻なダメージを負った。パワーユニットとギアボックスを交換する事態となり、スプリント予選への出場は断念せざるを得なかった。
翌日、アルピーヌのピエール・ガスリーも予選Q1でウッドチャックと接触。フロアにダメージを負い、その影響がQ2でのマシンハンドリングにも及んだ。
モントリオールならではの光景
カナダGPの舞台であるジル・ヴィルヌーヴ・サーキットは、セント・ローレンス川に浮かぶジャン・ドラポー公園内にある。公園は天敵が少なく食糧も豊富なため、多くの小動物が生息する。過去にはキツネやリスがコースに侵入したこともあり、なかでもウッドチャックはよく現れ、走行中のマシンの直前に飛び出すことも珍しくない。ウッドチャックは、今やカナダGPを象徴する存在となっている。
Gary the Groundhog makes a daring dash in Montreal! 🐾💨#CanadianGP #F1 pic.twitter.com/PrCfrjMeZF
— Formula 1 (@F1) June 14, 2023
ドライバーたちを悩ませてきた存在
2024年には、レッドブルのマックス・フェルスタッペンも決勝で危うくウッドチャックと接触しそうになる場面があったが、直前で回避し、このレースで通算60勝目を挙げた。昨年はフェラーリのルイス・ハミルトンがレース中にウッドチャックと接触していたことをレース後に知らされ、「胸が張り裂ける思い」と語っていた。
さらに遡ると、2007年のカナダGPではアンソニー・デビッドソンに悲劇が起きた。デビッドソンはこの年にスーパーアグリで佐藤琢磨のチームメイトとして、念願のF1レギュラーシートを勝ち取ったばかりだった。レースでは3位走行中にウッドチャックと衝突し、フロントウイングの修理のためピットインを余儀なくされ、最終的に11位に終わっている。
一方で、サーキット周辺では対策も講じられている。カナダの全国ニュースネットワーク『CTV News』によれば、ジャン・ドラポー公園協会は毎年カナダGPに先立って小動物の捕獲に取り組んでいる。今年はウッドチャックとアライグマ合わせて約30匹を捕獲し、公園内の別の島に移送したという。また、位置情報を活用した追跡システムや各種デバイスを導入するなど、さまざまなアプローチが試みられているが、すべてのリスクを排除できていないのが現状だ。
各地で見られる予期せぬ訪問者たち
動物の侵入はカナダGPだけの問題ではない。たとえばシンガポールGPでは、大型トカゲの出没がたびたび見られ、昨年のフリー走行3回目もその影響で中断している。スタッフが逃げ足の速いトカゲを追う動画が話題となった。
2011年のインドGPでは野良犬がコースを自由に走り回り、各チームが無線で注意を呼びかける事態も起きている。
最新鋭のマシンやデータ分析をもってしても、天候と同様、野生動物の動きを完全にコントロールすることは難しい。こうした予測不能な要素との共存もまた、それぞれのサーキットを特徴づける要素のひとつなのかもしれない。
文:J SPORTS編集部
J SPORTS 編集部
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