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686日ぶりの勝利を掴んだルイス・ハミルトン
フェラーリ移籍初年度となった昨シーズン、表彰台すら獲得できず、苦戦を強いられたルイス・ハミルトン。しかし、2026年シーズンは開幕から上位に食い込み、中国で移籍後初めて表彰台に上がると、モントリオールとモナコでは2戦連続で2位に入るなど、復調の兆しを見せていた。
そして迎えたバルセロナ・カタルニアGPでついに優勝。686日ぶりの勝利を飾るとともに、幼い頃から憧れていたフェラーリのドライバーとして初めてグランプリの頂点に立った。
「自分が何者かを忘れるな」
2025年は周囲の期待に反して思うような走りができず、自らを「役立たず」と評するほど低迷した。「多くの人が僕を引退させたがっている」と語る場面もあった。
それでもハミルトンは諦めなかった。オフシーズン中に家族や親しい友人と過ごす時間を増やし、これまで以上に激しいトレーニングにも励んだ結果、自分自身に対する疑念を払拭したという。批判的な声を原動力に変えてきたと語る一方で、ファンからかけられた“Remember who you are(自分が何者かを忘れるな)”という言葉が特に支えになったと語った。自身の『Instagram』の投稿にもその言葉を添えている。
今回の復活を支えた存在として、担当レースエンジニアのカルロ・サンティの影響も大きかったのだろう。サンティとのコンビは当初、暫定的な体制としてスタートしたものの、短期間で連携を深めた。昨季はリカルド・アダミとの無線交信がたびたび話題となったが、サンティとのコミュニケーションは良好のようだ。『Sky Sports』によれば、ハミルトンは「すぐに意気投合した」と語り、メルセデス時代に長年コンビを組んだピーター・“ボノ”・ボニントンになぞらえて、サンティを「イタリア版ボノ」と呼ぶほど信頼を寄せている。
ライバルも認めた復活劇
周囲も今回の勝利を特別なものとして受け止めている。幼い頃からハミルトンに憧れていたというマクラーレンのランド・ノリスは、「7度のワールドチャンピオンがこうした瞬間を迎えるのを見るのはうれしい」とコメント。
メルセデス時代に12年間をハミルトンとともに過ごし、6度のタイトル獲得を支えた代表のトト・ウォルフも、その復活劇に賛辞を送っている。『The Bolton News』によれば、ウォルフは「彼と選手権を争いたくはない。チャンスの匂いを嗅ぎつければ、彼は必ず仕掛けてくる」と語り、ハミルトンがタイトル争いの脅威であるとの認識を示した。
一方、フェラーリのチーム代表フレデリック・バスールは『RacingNews365』など複数のメディアに対し、「今日になって突然何かが変わったわけではない」と冷静な姿勢を崩さなかった。それでも今回の結果については、マラネロの開発陣や現場スタッフ、そしてドライバーたちを含めたチーム全体の努力が実を結んだ成果だと評価している。
ここ数戦は連勝を飾った19歳のアントネッリが話題の中心となり、F1の視線は次世代スターへと向けられていた。しかし、バルセロナで脚光を浴びたのは41歳のハミルトンだった。若き才能が未来を切り開く一方で、偉大な王者もまた、簡単には舞台を譲らない。
文:J SPORTS編集部
J SPORTS 編集部
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