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モーター スポーツ コラム 2025年5月15日

スーパーフォーミュラ2025 Rd.5プレビュー 前半戦締めくくりの九州決戦、王座への一歩を踏み出すのは誰だ?

モータースポーツコラム by 吉田 知弘
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早くも前半戦が終了するスーパーフォーミュラ2025

3月に開幕したスーパーフォーミュラの2025シーズンは、早くも前半戦の締めくくりとなる第5戦オートポリス大会を迎える。今シーズンは1大会2レース開催のフォーマットがメインとなっているが、今回は通常通り1大会1レースということで、土曜日に90分のフリー走行を行い、午後に公式予選。そして日曜日に30分のフリー走行2回目を経て、午後に決勝レースというスケジュールになる。

ピットウインドウはなく、1周目からタイヤ交換が可能ということで、作戦の幅が広がることになる。ここオートポリスはシーズンの中でも一番といって良いほどタイヤへの負担が大きいコースで、戦略面も非常に重要になってくる。

ただ、現時点での天気予報は土日ともに雨絡みの確率が高そう。仮にウエットレースとなった場合は、タイヤ交換義務は無くなるので、最初から最後までピットインせずに走り切ることが可能。とはいえ、タイヤの内圧設定など、レース中のどこに照準を合わせるかも注目ポイントのひとつだ。

冒頭でも触れたが、全12戦のうち5戦目にはなるものの、このオートポリス戦が終わると、富士スピードウェイで合同テストが控えていることもあり、各チームとしては今回が前半戦の締めくくりという意味合いが強い。前半戦をどういう形で締めくくって後半戦への弾みにするのか…本大会の見どころの一番の軸になってくるのではないだろうか。

それを踏まえた上で今シーズンの4戦を振り返ると、DOCOMO TEAM DANDELION RACINGが圧倒的な強さをみせており、昨年の最終鈴鹿大会を含めて、年跨ぎで6連勝中だ。特に前回のもてぎ大会では2日連続でワンツーフィニッシュを達成したこともあり、チームランキングでは2番手のTEAM MUGENに対して、早くも60ポイント近い差をつけている。

圧倒的な強さをみせているDOCOMO TEAM DANDELION RACING

ドライバーズポイントでも、太田格之進が61ポイント、牧野任祐が60ポイントと他を圧倒。今季の勝利数で見ると、2人とも2勝ずつということで、このオートポリスでどちらが先行して後半戦に入っていくのかで、後半戦に向けた流れにも左右することだろう。

相性という点で見ると、昨年のオートポリスで牧野が圧倒的な強さを見せて自身初優勝を飾ったというところで、優勢な雰囲気はあるが、太田の勢いも止まらないところを見ると、どっちが前に出てもおかしくない状況。太田に関しては、今季アメリカと日本を行き来する生活になっているが、もてぎ大会以降は日本に滞在していたとのことで、コンディション的にも整っているはず。アグレッシブな走りに期待がかかる。

完全にダンディライアンが頭ひとつ抜け出た雰囲気になっているが、もちろんライバルたちも黙っていない。なでも、昨年のオートポリスでポールポジションを獲得しながら決勝では悔しい2位フィニッシュとなった岩佐歩夢(TEAM MUGEN)。前回の第4戦もてぎでは自身も納得できるレースができていたようで、4戦中3度の表彰台に上がる安定ぶりだ。

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岩佐歩夢(TEAM MUGEN)

また15号車でいうと、2023年にリアムローソンがここで優勝飾っているということで相性は決して悪くない。待望の初優勝に向けた走りに注目だ。また、もてぎでの第4戦ではトラブルにより悔しいリタイアとなった坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)も、決勝では必ず上位に上がってくるドライバーだ。先述で触れた通り、オートポリスは戦略が大事になってくるコースということを考えると、最終的にトップ争いに加わる可能性もありそう。前回がノーポイントで終わっただけに「もう落とせない」という意気込みでトップを狙ってくるはずだ。

その他にも、もてぎ大会では上位進出の気配が感じられた阪口晴南(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)や、今季は安定して上位に食い込んできている佐藤蓮とイゴール・オオムラ・フラガのPONOS NAKAJIMA RACING勢にも注目が集まる。

阪口晴南(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)

今回は改めてレギュラードライバーが全員揃う大会にもなる。開幕戦のフリー走行1回目でクラッシュを喫し、負傷欠場が続いていたオリバー・ラスムッセン(ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL)が今回から復帰する。既にゴールデンウィークのSUPER GTでレース復帰を果たしており、背中の痛みもないとのこと。彼にとっては実質スーパーフォーミュラの初戦となるなか、どういう戦いを見せるのか注目だ。

そして先日からシーズン途中にドライバー交代があるのではないかという噂に上がっているKDDI TGMGP TGR-DC。現在レギュラーである小高一斗と平良響としては、ここで何としても結果を残したいところ。2人とも前回のもてぎではポイントを獲得できなかったものの、ポジティブな部分もあったようで、それをオートポリスにどう繋げられるか。

今週末はフォーミュラEの東京E-Prixも開催されるほか、海外ではF1やWRCもあり、モータースポーツファンにとっては慌ただしい週末となるが、その中でもスーパーフォーミュラもチェックしていただけると幸いだ。

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文:吉田 知弘

吉田 知弘

吉田 知弘

幼少の頃から父親の影響でF1をはじめ国内外のモータースポーツに興味を持ち始め、その魅力を多くの人に伝えるべく、モータースポーツジャーナリストになることを決断。大学卒業後から執筆活動をスタートし、2011年からレース現場での取材を開始。現在ではスーパーGT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久、全日本F3選手権など国内レースを中心に年間20戦以上を現地取材。webメディアを中心にニュース記事やインタビュー記事、コラム等を掲載している。日本モータースポーツ記者会会員。石川県出身 1984年生まれ

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