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いよいよ東京で開催!今年は2レース実施の重要な闘いに | FIA フォーミュラE世界選手権 2024/25 第8、9戦 東京 プレビュー
モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ現在ランキングトップ、日産のローランド
電気自動車の世界選手権「フォーミュラE世界選手権」のシーズン11(2024年〜25年)は全16戦の中の折り返しとなる東京大会「Tokyo ePrix」を迎えます。5月17日(土)、18日(日)の2日間、お台場の特設コースで開催される「Tokyo ePrix」は第8戦、第9戦として開催。そう、今年は東京大会では初の2レース制で開催されます。「日産」そして「ヤマハ」にとっては母国レースとなる「Tokyo ePrix」。今回は国内メーカー陣営の活躍が楽しみな「Tokyo ePrix」のプレビューをお届けしましょう。
J SPORTS オンデマンド番組情報
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FIA フォーミュラE世界選手権 2024/25 第8戦 東京 決勝
配信期間 : 2025年5月17日午後2:20 ~
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FIA フォーミュラE世界選手権 2024/25 第9戦 東京 予選
配信期間 : 2025年5月18日午前9:55 ~
さて、東京大会を前に行われた「Monaco ePrix」も初の2レース制で開催されましたが、シーズン中盤に来て今季初表彰台を獲得したドライバーが4人も現れるなど、シーズンの行方に動きをもたらす予想外の展開となりました。今季はジェッダ(サウジアラビア)、モナコと2レース制を敷くイベントでは土曜日のレースで義務付けられたピットストップ&エネルギーチャージのルール「ピットブースト」が実施されていますが、ジェッダでもモナコでも異なるレースフォーマットの採用によってウイナーが2人誕生するということになりました。今回の「Tokyo ePrix」でも同じく5月17日(土)の第8戦で「ピットブースト」が採用され、両レース違う展開のレースになっていきそうな予感です。上位を走る面々が大幅に変わるということになれば、シーズン後半の行方に大きな影響を及ぼすことになるでしょう。
ただ、とても優位にシーズンを進めているのはシリーズランキング首位のオリバー・ローランド(ニッサン)です。ローランドはモナコの第6戦で今季3勝目をマークし、第7戦でも2位表彰台を獲得。今季は7レース中5回表彰台を獲得するという無双っぷりで、ランキング2位のアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(ポルシェ)に対し48点もの差をつけて日産の母国、日本に凱旋します。昨年、「日産」チームに再加入したオリバー・ローランド(ニッサン)は東京でポールポジションを獲得したものの、レースでは惜しくも優勝ならず。シーズンを通じて強さは見せましたが優勝回数は2勝にとどまりました。それが今年は前半戦だけで3勝ですから、昨年の東京で勝つ「かもしれない」状態とは明らかに期待値が違いますね。どのコースでも安定的に速いのが今年の「日産」、いや正しくは「日産」のオリバー・ローランド(ニッサン)なのです。
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【決勝 ハイライト】FIA フォーミュラE世界選手権 2024/25 第7戦 モナコ(5月4日)
ましてや昨年ポールを獲得し、レースでも常に優勝を争って2位フィニッシュした東京のコースですからオリバー・ローランド(ニッサン)は必勝体制で挑んでくるでしょう。昨年の忘れ物を取り返すことができるか、彼のパフォーマンスに期待しましょう。
「日産」勢としてはチームメイトのノーマン・ナト(ニッサン)のパフォーマンス向上に期待したいところです。今季はマイアミでの6位以外ポイントを獲得できていないため、「ニッサン・フォーミュラEチーム」はチームランキングでは「TAGホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム」に負けています。しかしながら、今季から新設されたマニュファクチャラーズ選手権では「マクラーレン」が日産のパワートレインを使用し好調であるため、ランキング首位につけています。
「マクラーレン」はベテランのサム・バード(マクラーレン)とルーキーのテイラー・バーナード(マクラーレン)。特にフルシーズンは初挑戦のバーナードが好調で今季はすでに表彰台が3回。さらに前戦モナコ第6戦を含む2回のポールポジションを獲得しています。日産パワートレイン勢が母国で表彰台を独占するなんていうシーンも決して夢ではないかと思います。日本のファンとしてはこれまでになく応援しがいのある状況が整っていると言っていいでしょう。
さらに今年は日本メーカーとして「ヤマハ」が参戦。チーム名は「ローラ・ヤマハABT」でチーム国籍はローラのイギリスですが、バイクレースのMotoGPなどで幾度となくチャンピオンを獲得してきたヤマハ発動機の本格参戦は非常に大きなトピックスです。第5戦マイアミでは元チャンピオンのルーカス・ディ・グラッシ(ローラ・ヤマハ)が2位表彰台を獲得。ゼイン・マローニ(ローラ・ヤマハ)がモナコではルーキーながらデュエル予選進出まであと一歩のところまで行くなど、後半戦は一気に力をつけてきそうな兆候があります。そのキッカケがヤマハの母国である日本となる可能性は十分にあり、こちらも楽しみ。まず、デュエル予選進出を果たせば、東京はかなり盛り上がるでしょう。
Tokyo ePrixの特設サーキット(※昨年の様子)
東京大会「Tokyo ePrix」のコースはお台場の東京ビッグサイトの敷地も利用したストリートコースになっており、ゆりかもめと並走する区間もあります。今年のコースは一部変更があるものの概ね昨年と変わらないコースになっていますので昨年の結果を一つの参考にしてみましょう。
昨年の優勝はマキシミリアン・ギュンター(当時マセラティ/現DSペンスキー)で、2位がオリバー・ローランド(ニッサン)、そして3位がジェイク・デニス(アンドレッティ・ポルシェ)という表彰台でした。
ギュンターは今年同じ「ステランティス」グループのDSオートモービルのワークスチーム「DSペンスキー」に移籍。第3戦ジェッダでポールトゥウインを飾っていますし、東京ではきっと優勝争いに加わってくるでしょう。ローランドに関しては前述の通りで、シーズン9の王者ジェイク・デニス(アンドレッティ・ポルシェ)は第6戦モナコで今季初の表彰台を獲得していますから、こちらも調子が上向き傾向です。
そして、日本にゆかりのあるドライバーといえば、昨年優勝の期待も高かったニック・キャシディ(ジャガー)がモナコで今季初の3位表彰台を獲得したこともポジティブなニュースです。キャシディは昨年の2勝、ランキング3位が嘘のような不調の中にいましたがモナコでようやく暗闇脱出の兆しが見えました。去年のキャシディは予選で下位に沈みましたが、8位まで追い上げる好走を披露。大好きな東京で大暴れして欲しいところです。
また、スーパーフォーミュラに乗っていたドライバーではストフェル・バンドーン(マセラティ)が今年は昨年東京で優勝したマセラティに移籍。元チャンピオンのバンドーンは近年苦戦していますが、7レース中6レースでポイントを獲得(10位以内のフィニッシュ)を達成していますから、昨年ギュンターが生み出した良いデータを基に日本のファンの前で良い結果を出してくれることを期待しましょう。
さぁ、2レース開催の日本ラウンド「Tokyo ePrix」で推しにしたいドライバーは決まりましたか?昨年にも増して世界選手権の舞台で日本勢あるいは日本にゆかりのあるチーム&選手たちの活躍が期待できる状況ですから、「J SPORTS」のオンエアを通じて存分に「フォーミュラE」を楽しんでくださいね。
文:辻野ヒロシ
辻野 ヒロシ
1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。
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