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モーター スポーツ コラム 2025年2月17日

キーワードは“タイヤ”、シーズンに向けて重要な2日間 スーパーフォーミュラ鈴鹿公式テストプレビュー

モータースポーツコラム by 吉田 知弘
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日本のレース初挑戦となるオリバー・ラスムッセン

早くも2月中旬となった2025年。国内外では3月からのシーズン開幕に向けて、各チームの参戦体制が発表されるなど、準備が着々と進んでいる。

国内ではSUPER GTのメーカーテストが各地で始まっているが、昨今注目度が上がりつつあるスーパーフォーミュラも、2月18日・19日に鈴鹿サーキットで開催される公式テストを皮切りに2025シーズンが本格始動する。

2024年いっぱいで山本尚貴、国本雄資が同シリーズ引退を発表したこともあり、2025年はドライバーの入れ替わりが多い。さらに初参戦となるドライバーも今年は多く、昨シーズンはFIA F2で2勝を挙げたザック・オサリバンをはじめ、昨年WECのハイパーカークラスを戦ったオリバー・ラスムッセンが日本のレースに初挑戦する。

ザック・オサリバン

さらに国内勢では昨年スーパーフォーミュラ・ライツでチャンピオンに輝いた小出峻、FIAグランツーリスモ チャンピオンシップのネイションズカップ初代王者でSUPR GT(GT300)にも参戦中のイゴール・オオムラ・フラガが国内トップフォーミュラに挑む。

また高星明誠もスーパーフォーミュラの参戦経験はあるが、トータル4戦未満ということでルーキー枠にて参戦。今年はこの5名でルーキー・オブ・ザ・イヤーをかけた争いが展開される。

その他のラインナップを見ると、チーム移籍が少ない印象だが、いくつかの動きがあるのは確か。なかでも注目なのが2022年以来の参戦となるサッシャ・フェネストラズ。フォーミュラEを2シーズン経験し、今年は再び日本の舞台で戦う。スーパーフォーミュラではVANTELIN TEAM TOM’Sからの参戦となり、日本のトップフォーミュラの舞台で、どのような走りを見せてくれるか、注目が集まる

サッシャ・フェネストラズ

また新体制チームであるKDDI TGMGP TGR-DCに小高一斗と平良響が加入。参戦2年目を迎えるJuju(野田樹潤)は新しく立ち上がったHAZAMA ANDO Triple Tree Racingで参戦することが明らかとなっている。これにより、2025年シーズンは13チーム22台で争われる。

改めて、2024年シーズンを振り返ると、坪井翔がシーズン3勝を挙げて初のシリーズチャンピオンを獲得。2023年の宮田莉朋に続いてTOM’Sが2年連続でドライバーズタイトルを勝ち取り、さらに今年は2022年のスーパーフォーミュラランキング2位であるフェネストラズが加入ということで、より強力な布陣になりそうだ。

しかし、昨年の最終大会でTOM`S陣営が警戒していたのが、DOCOMO TEAM DANDELION RACING勢の速さだ。実際に鈴鹿サーキットで行われた第8戦、第9戦ともに太田格之進が他を圧倒するペースを披露し2連勝。チームメイトの牧野任祐もシーズン中に2勝を挙げ、ダンディライアン勢がチームタイトルを手にした。さらに昨年12月のオフシーズン合同テストでも、2台がどのセッションでも速さをみせてトップタイムを記録する場面が何度もみられた。

“坪井がチャンピオンを獲得したものの、現段階ではダンディライアン勢が一歩リード”という印象があるなかで、プレシーズン公式テストを迎えるのだが、2025年はその勢力図に影響を与えそうな変更点がある。

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12月のテストで速さを見せたダンディライアン勢

スーパーフォーミュラのプロモーターである日本レースプロモーションは、2月10日にプレスカンファレンスを開催し、その中で今季の概要について発表。大きなトピックとしては2レース開催の大会が増え、全7大会12戦で争われる。さらに2レース開催の場合は、土曜と日曜で決勝レースのフォーマットを少し変えて、2日間で戦略面でも異なる展開になることが期待されている。

加えて、今シーズン各チームに供給されるだが、変わらず横浜ゴム『ADVAN』レーシングタイヤであるものの、2023年から再生可能原料・リサイクル原料を一部使用したタイヤが導入されている。今年のドライタイヤに関してはその比率が46%まで向上したタイヤが導入される。

これにより、タイヤの特性が若干変わってくる可能性が高く、それに合わせたマシンのセッティングや走らせ方なども求められてくるだろう。

そうなっていくると、事前に新しいタイヤの特性をどれだけ理解しておけるかが重要となってくるため、今回の鈴鹿テストが重要な項目となってきそうだ。

予選アタックで必要となる“一発の速さ”はもちろんのこと、今年は日曜日に開催される決勝レースではタイヤ交換ができる周回の制限がなくなるため、1周目にピットストップを済ませることが可能となる。そうすると、昨年よりも長い距離を1セットのタイヤで走り切らないといけないため、ロングランの安定さも重要な要素となり、その辺の確認もシーズン前のテストでどれだけ出来るかが、ひとつのポイントとなってくる。

そして、昨年もそうだったが開幕大会が3月と気温・路面温度ともに寒い時期の開催で、今年はチャンピオン争いで重要な局面を迎えるであろう最終大会も昨年より2週間遅い11月下旬。つまり“寒い鈴鹿”で速さを見出せるかが、今季の制する上で欠かせないポイントとなることは間違いなさそう。今季は全12戦のうち、3分の1にあたる4戦が鈴鹿での開催となるため、昨年以上に鈴鹿テストで良いものを見つけないといけない雰囲気が出てきている。

しかし、2月16日時点の天気予報だと、走行2日目の19日が降雪予報ということで、想定よりも走行時間が限られてきそう。こういった状況も踏まえて、2025年の勢力図がどう変化していくのか…今年も目が離せない“日本一速いドライバー決定戦”の幕が、いよいよ上がる。

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文:吉田 知弘

吉田 知弘

吉田 知弘

幼少の頃から父親の影響でF1をはじめ国内外のモータースポーツに興味を持ち始め、その魅力を多くの人に伝えるべく、モータースポーツジャーナリストになることを決断。大学卒業後から執筆活動をスタートし、2011年からレース現場での取材を開始。現在ではスーパーGT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久、全日本F3選手権など国内レースを中心に年間20戦以上を現地取材。webメディアを中心にニュース記事やインタビュー記事、コラム等を掲載している。日本モータースポーツ記者会会員。石川県出身 1984年生まれ

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