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モーター スポーツ コラム 2025年2月14日

今季初優勝を飾った「日産」に風は吹くか? 中東ジェッダでは初開催 | FIA フォーミュラE世界選手権 2024/25 第3戦・第4戦ジェッダ プレビュー

モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ
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前戦で勝利した日産のエース、オリバー・ローランド

前戦で勝利した日産のエース、オリバー・ローランド

電気自動車の世界選手権フォーミュラカーレース「フォーミュラE世界選手権」のシーズン11(2024年〜25年)はすでに2ラウンド、2戦を終了。舞台を中南米から中東に移し、第3戦、第4戦がサウジアラビアのジェッダで開催されます。今シーズンもJ SPORTSは「フォーミュラE世界選手権」を生中継。今回はF1サウジアラビアGPのショートコースで開催される第3戦、第4戦「Jeddah e-prix」のプレビューをお届けしましょう。

中東サウジアラビアでの「フォーミュラE」開催の歴史は2018年から始まり、すでに6回開催されています。2019年に観光ビザが解禁されるまではあまりメジャーな旅行地ではなかったサウジアラビアですが、近年は他の中東諸国と同様に観光立国を目指しています。「フォーミュラE」は首都リヤド近くのディルイーヤで開催されてきましたが、今年からはF1サウジアラビアGPの舞台になっているジェッダのストリートコースを使って開催されることになりました。

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ジェッダは紅海沿いのサウジアラビア第2の都市で、イスラム教徒の聖地メッカの聖地巡礼の拠点としても栄えた街です。F1の開催はコロナ禍の2021年からということで、実はサウジアラビアでは「フォーミュラE」の方が長く開催されています。コースはF1の1周6.174kmに対し、フォーミュラEは3.001kmのショートコースでの開催。シケインを4箇所追加した特設レイアウトになっています。初開催のコースということでこれまた今季の勢力図に影響を及ぼしそうな重要な大会と言えるでしょう。

そんなサウジアラビアでの2連戦を前に、メキシコシティで開催された第2戦では日本の「日産」が優勝しました。エースのオリバー・ローランド(日産)が昨年の最終戦ロンドンに続く通算4勝目をマーク。残り5周のオーバーテイクと見事なエネルギーマネージメントでの実力勝ちでした。開幕戦サンパウロでも予選から速さを見せていたローランドでしたが、今回は結果に繋がりました。

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【決勝 ハイライト】FIA フォーミュラE世界選手権 2024/25 第2戦 メキシコシティ(メキシコ) (1月11日)

「日産フォーミュラEチーム」の母体、日産自動車は昨今、経営危機が伝えられ、再建に向けた動きが頻繁に経済ニュースで伝えられていますが、フォーミュラEチームに関しては昨年から復調。2年間でトータル3勝をマークして第二の勢力となっています。その好調ぶりの原動力となっているのがオリバー・ローランドです。

幼少期からマクラーレンの育成ドライバーとしてキャリアを積んできたローランドですが、F2で年間ランキング3位となるものの、身体つきが大柄なこともあってかF1はテストドライバー止まりでレギュラーの座はつかめませんでした。2018年からはフォーミュラEに活躍の場を求め、2020年のベルリンで初優勝を飾っています。途中2年間「マヒンドラ」に移籍したものの、昨シーズンからは古巣の「日産」に帰還しました。

ローランドは予選での速さが際立っており、フォーミュラEではポールポジションを8回獲得。デュエル予選では常にトーナメントのレギュラーとなっており、一発の速さは抜群です。今季のチームメイトとしてこれまた「日産」に戻ってきたノーマン・ナト(日産)とのパフォーマンス差は歴然です。

今回は初開催のコースということもあり、ローランドと日産パワートレイン勢の実力は未知数ですが、彼は過去8回のポールの内4回(サンヤ、プエブラ、ソウル、東京)が初開催のコースで獲得していますから、今回も初開催のジェッダでは予選から速さを見せつけてくれることでしょう。今回の2連戦で「日産」が優勝争いができれば5月の東京開催に向けても「フォーミュラE」への関心が高まることは間違いありません。

日産勢の活躍は楽しみではありますが、今季最も速さを見せているのは「ポルシェ」です。昨年王者のパスカル・ヴェアライン(ポルシェ)は2戦連続のポールポジションを獲得。そして、ローランドに敗れたものの2戦連続の2位でランキング首位に立っているのはアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(ポルシェ)です。

開幕戦サンパウロを制したミッチ・エヴァンス(ジャガー)は第2戦で接触リタイアとなり無得点。そのチームメイトで今季こそはワールドチャンピオン獲得かと目されていたニック・キャシディ(ジャガー)は2戦連続でデュエル予選にも進めず、決勝でもノーポイント。ジャガー勢よりもポルシェ勢の方が安定して上位に食い込んできています。2強チームが若干の足踏みをしている今は第2勢力の「日産」はチャンスと言えるでしょう。ここからジェッダの2連戦、そしてアメリカのホームステッドマイアミと初開催のコースが続くだけに前半戦の勢力図はグチャグチャに入れ替わりそうな予感もします。

また、日本勢ではヤマハ発動機が参画する「ローラ・ヤマハABT」が今季から参戦中。こちらは11チーム中、ただ1チームだけポイントを獲得できておらず最下位と苦戦しています。しかし、ゼイン・マローニ(ローラ・ヤマハ)、ルーカス・ディ・グラッシ(ローラ・ヤマハ)ともに予選グリッドは決して最後尾付近にいるわけではなく、結果がついてくるのはこれからという状況です。こちらも東京大会に向けて初ポイント獲得を期待したいですね。

ショートコースとはいえ、F1と同じレイアウトを一部使うジェッダでのレース。若手のゼイン・マローニ(ローラ・ヤマハ)とジェイク・ヒューズ(マセラティ)はF2でジェッダでのレース経験があり、2人とも最高位4位を獲得した経験を持っています。こういった新世代のドライバーたちにもチャンスがあるかもしれません。

初開催のジェッダ(サウジアラビア)でのレースでシーズンの流れを掴むのは果たしてどのメーカー、どのドライバーでしょうか。重要な中東での2連戦が始まります。

文:辻野ヒロシ

辻野 ヒロシ

辻野 ヒロシ

1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。

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