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ポルシェ、ジャガー優勢は今季も変わらず? | FIA フォーミュラE世界選手権 2024 第2・3戦 ディルイーヤ プレビュー
モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ開幕戦を制したパスカル・ヴェアライン(ポルシェ)
2024年東京・お台場での開催が決定している「フォーミュラE」。10年目の記念となるシーズン10はスリリングなバトルで1月13日(土)に開幕しました。3月30日(土)の「Tokyo E-Prix」開催まであと2ヶ月。今年最注目のイベントを前にシーズンの流れが出来上がるであろう、第2戦(1月26日)、第3戦(1月27日)がサウジアラビアのディルイーヤで開催されます。
J SPORTSでは今季も「フォーミュラE世界選手権」をライブ中継!今回はリヤド市街地サーキットで行われる「Diriyah E-Prix」のプレビューをお届けしましょう。
「Gen3」カー導入2年目のシーズンオープニングとなったメキシコシティでのレースはメキシコ人ドライバー不在のグリッドながらも大勢の観客を動員して盛り上がりました。今季はドライバーのチーム間移籍が多かったのですが、「Gen3」カーでのデータが揃い、各チームは準備万端で挑んだ開幕戦でした。
レースで優勝したのはポールポジションスタートから逃げ切ったパスカル・ヴェアライン(ポルシェ)。このコースが得意なヴェアラインは2022年にも優勝していますし、昨年は2位フィニッシュを飾っていることで、なんと3年連続の表彰台を獲得しています。
昨年ポルシェワークスチームでありながら、同じポルシェのパワートレインを使うジェイク・デニス(アンドレッティ)に敗れてしまいましたから、ヴェアラインはポルシェのエースドライバーとして見事な開幕ダッシュを果たしたといえます。
パスカル・ヴェアライン(ポルシェ)は「フォーミュラE」で6年目のシーズン。メルセデスの秘蔵っ子として育てられ、マノー、ザウバーで2シーズンに渡ってF1を経験した元F1ドライバーです。しかし、メルセデスのF1シートは巡ってこず、2019年からはフェラーリF1の開発ドライバーになりました。
それと同時に「マヒンドラ」から「フォーミュラE」に参戦。デビューから2レース目となるサンティアゴでいきなり2位表彰台を獲得するという順応性の高さを見せました。
開幕戦で2位表彰台を獲得したセバスチャン・ブエミ(エンヴィジョン・ジャガー)
初優勝は2022年のメキシコシティ。これまで通算5勝をマークしていますが、そのうちの4勝がメキシコシティとディルイーヤということで、シーズン序盤のレースで優勝するケースが多いのです。ヴェアラインはシーズン中盤から後半にかけて表彰台フィニッシュから遠ざかり、いつの間にかチャンピオン争いから脱落しているというパターンが続いています。今年はどうでしょうか?
開幕戦で優勝したヴェアラインの対抗馬となったのはシーズン1から10年連続で出場し、チャンピオン経験もある大ベテランのセバスチャン・ブエミ(エンヴィジョン・ジャガー)でした。アタックモードを使い、なんとかヴェアラインを最終的に捕まえようと懸命の走りを見せましたが、2位でのフィニッシュ。昨年の最終ラウンド(ロンドン)に続く表彰台を獲得することになりました。
ブエミは昨年、長く在籍した「ニッサン」から「エンヴィジョン・ジャガー」に移籍し、苦戦が続きました。チームメイトのニック・キャシディ(今季:ジャガー)の後塵を拝することが多かったのです。FIA WEC(世界耐久選手権)では長くトヨタのドライバーを務めているブエミですから経験は誰よりも豊富。30代後半になった今も速さや集中力が衰えていないことを「フォーミュラE」でも証明しています。
そして3位フィニッシュは昨年ブエミと同じチーム「エンヴィジョン・ジャガー」から出場し、ランキング2位を獲得したニック・キャシディ(ジャガー)。今季晴れてワークスチーム「ジャガー」に移籍しました。開幕戦メキシコシティでは決勝レースでファステストラップを獲得しながらもトップ2台を捉えることはできず。しかしながら、メキシコシティでは過去に上位フィニッシュできていなかったということを考えれば、良いシーズン開幕になったと言えるかもしれません。
とはいえ、ワークスチームに移籍したキャシディにとって「エンヴィジョン・ジャガー」のドライバーに敗れてしまっていますから、満足できる結果ではないはずです。今回の第2戦・第3戦ディルイーヤでの最大のポイントはキャシディがワークスチーム移籍後の初レースで表彰台に登ったという、この勢いをキープできるかどうかというところです。
キャシディはディルイーヤの過去6レースでベストフィニッシュは6位。予選でなかなか上位に行けないことが多く、キャシディが苦戦してきたコースなのです。シリーズチャンピオン獲得に向けて彼が乗り越えなければならない壁がここで立ちはだかります。
一方で開幕戦から失速したのはチャンピオンのジェイク・デニス(アンドレッティ・ポルシェ)です。予選からトップ8のデュエルに進めず、長い数珠繋ぎトレインとなった5番手争いの中で9位フィニッシュとなりました。ポイントは獲得できたものの、順風満帆とは行かない開幕立ち上がりでしたから、ディルイーヤでは予選から挽回が必要です。
接触やトラブルなどで4台がリタイアすることになった開幕戦。全体の勢力図は昨年と大きくは変わらない印象で、今季もポルシェ、ジャガーのパワトレインを使用するチームが予選から好調。そこにDS、マセラッティ、ニッサンが加わっているという勢力図です。
しかし、レースごとに勢力図が入れ替わっていくのも「フォーミュラE」の毎年の恒例。2レース分あるディルイーヤの闘いはかなり重要なレースになりそうです。昨年ディルイーヤで2連勝を飾ったのは開幕戦ウイナーのパスカル・ヴェアライン(ポルシェ)。このままポルシェ勢が勢いづくのか、キャシディ率いるジャガー勢の逆襲はあるのか、日本期待のニッサン勢の結果は? 東京での開催を前に見ておきたいレースです。
文:辻野ヒロシ
辻野 ヒロシ
1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。
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