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モーター スポーツ コラム 2022年5月2日

連勝が止まったトヨタの逆襲は? ル・マン前哨戦はいかに?

モータースポーツコラム by 皆越 和也
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連勝が止まったトヨタは第2戦で雪辱を期す。

プロトタイプカーとGTマシン、4つのクラスの混走によるFIA世界耐久選手権(WEC)の2022年シーズン開幕戦「スパ6時間」が、5月 5〜7日にベルギー東部、スパ-フランコルシャンにおいて開催される。その予選、決勝の模様はJ SPORTSで生中継J SPORTSオンデマンドでもLIVE配信する。

全6戦で争われる2022年WECは、3月にアメリカのセブリングで開幕した。ハイパーカーであるGR010を投入し昨年から連勝中だったトヨタは、BoP(性能調整)とセブリングのコースに苦しみ、7号車はレース中盤にクラッシュ。レースはサンダーストームの接近により赤旗で打ち切りとなり、8号車は2位でフィニッシュ。優勝を飾ったのはアルピーヌA480だった。

J SPORTS 放送情報

スパ-フランコルシャンは、ベルギー東部、ドイツとの国境に近いアルデンヌの森に1921年に設営された山岳コース。現在のコースは一周7.004kmと短縮されている。山岳コースのためコースはアップダウンに富み、タイトな1コーナー(ラ・スルス)を抜けた先は一気に急な坂を駆け上る名物コーナーであるオールージュ。また近年、オールージュ周辺で大きなアクシデントが起きたこともあり、オールージュからラディオンにかけては、ランオフエリアの拡張や路面の再舗装を行うなど安全性を高めている。またコースは山中にあるため、場所によって天候も変わりまた天候の急変もあり、”スパウェザー”と呼ばれ、エントラントを悩ませる。

ベルギーのスパ-フランコルシャンが第2戦の舞台となる。

今大会のエントリーは、開幕戦から1台増の計37台。クラスごとに見ると、トップクラスとなるハイパーカーにトヨタが2台、アルピーヌが1台、グリッケンハウスが1台の計4台。LMP2が15台(全車オレカ・ギブソン)、GTE Proがフェラーリ2台、ポルシェ2台にコルベット1台の計5台。そしてGTE Amがフェラーリ5台、ポルシェ5台、アストンマーティン3台の計13台。このスパ6時間は、6月8〜12日に行われる第3戦ル・マン24時間の前哨戦となるため、各チームとも気合の入るレースとなる。

ハイパーカーでは、スパで6勝を挙げて得意としているトヨタが開幕戦の雪辱を狙う。7号車はセブリングのクラッシュでモノコックに大きなダメージを負ったために、新たな車両を準備。また8号車はハイパーカーデビュー戦で平川亮が2位表彰台を獲得し自信をつけたはず。BoPはセブリングから変更ないが、新たな連勝記録のスタートとしたい。セブリングで優勝したアルピーヌは、今回最大出力が20kW減らされることになった。グリッケンハウスも開幕戦で3位表彰台を獲得しており、スパでの戦い方にも注目しておきたい。

J SPORTS オンデマンド番組情報

LM P2は23号車ユナイテッド・オートスポーツUSAがセブリングを制したが、昨年の覇者であるチームWRTが2位(31号車WRT)と3位(41号車リアルチーム・バイ・WRT)でゴール。地元ベルギーのチームでコースを熟知していることもあり、優勝候補の筆頭となるだろう。またセブリングで表彰台を逃したJOTA(28号車、38号車)もスパでの表彰台を狙っての戦いとなるだろう。

巻き返しを図りたいJOTA

GTE Proはポルシェとフェラーリのバトルに今季からコルベットが加わった。セブリングでは下馬評どおりポルシェが優勝と3位で、コルベットが地元で2位表彰台を獲得するなど活躍を見せた。フェラーリの巻き返しはなるだろうか。

GTE Amは前回のエントリーを見送った86号車GRレーシングが今回エントリーしたことで参加台数は1台増に。セブリングでアストンマーティンが1-2フィニッシュと大活躍を見せただけに、6位フィニッシュだった777号車D’stationレーシング(星野敏/藤井誠暢/チャーリー・ファグ)にもさらに上位を狙って欲しいもの。ポルシェやフェラーリの強敵も多いが、アクシデントに巻き込まれなければ上位入賞のチャンスはあるだろう。

上位進出を狙う777号車D’stationレーシング

今年も各クラスで激しいバトルが長時間にわたり展開される”シーズン10”。 J SPORTSでは、予選を6日深夜1:00〜3:00、決勝を7日19:30〜深夜3:30に 生中継予定。

文:皆越 和也

皆越 和也

皆越 和也

1961年熊本県出身。1980年代後半に富士スピードウェイで観戦した「WEC in JAPAN」で四輪モータースポーツに目覚め、モータースポーツ専門誌編集部等を経てフリーランスのフォトライターに。SUPER GTは全日本GT選手権がスタートした1993年より、ほとんどのレースを現場で取材している。

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