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2020スーパーフォーミュラ総集編:“悔しさ”から手にした“力強さ”……山本尚貴、2度目の国内二冠への道のり
モータースポーツコラム by 吉田 知弘スーパーフォーミュラとSUPER GTを制した山本尚貴
新型コロナウイルスの影響で、変則的なシーズンとなった2020年のスーパーフォーミュラ。当初の予定より約5ヶ月遅れの開幕となり、わずか4ヶ月で7戦をこなすハードスケジュールとなった。さらに感染防止対策のため、パドック内に立ち入る関係者を厳しく制限したほか、サーキットに集結する時間を低減するため、予選と決勝を同日開催に変更。レース中の給油も禁止してレース距離を短縮するなど、これまでとは戦い方も大きく異なった。
その異例とも言えるシーズンを最終的に制したのが、山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)だった。彼にとっては2013年、2018年に続いて3度目となる国内トップフォーミュラ制覇となったのだが、以前の2回とは異なる“力強さ”が際立ったシーズンだった。
2018年にスーパーフォーミュラとスーパーGT(GT500)を制し、国内二冠王に輝いた山本だが、2019年は一転して悔しいシーズンとなった。特にスーパーフォーミュラでは、ニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)と最終戦まで王座をかけて争ったが、一歩及ばずチャンピオン獲得ならず。初タイトルに歓喜するキャシディの後ろで、山本は人目をはばからず悔し涙を流していた。
「今年は何としてもチャンピオンを奪い返したい」
2019シーズン終了後、山本は我々の取材やイベントでのトークショーなどで、繰り返し強調していたのが、この言葉だった。
もちろん、チャンピオンを獲りたい気持ちはどのドライバーも抱いていることだが、その中で山本が意識していたのが「最終戦で必ずチャンピオン争いの渦中にいる」ということだった。
現在のスーパーフォーミュラでは、最終戦までチャンピオン争いがもつれ込み、そこでいかに良いレースができるかで年間王者の行方が左右している。山本はチャンピオン獲得のための第1ステップとして、目の前のレースも重要なのだが、最終戦に向けてどのようにしてポイントを稼いでいけるかを特に意識している姿が各レースで垣間見えた。
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