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サイクル ロードレース コラム 2023年7月18日

【Cycle*2023 ツール・ド・フランス 2週目まとめ】10秒差で締めくくられた世紀の一騎打ちは3週目に引き継がれる。マイヨ・ジョーヌのヴィンゲゴー「とてつもない接戦だし、真の大バトルだ」

ツール・ド・フランス by 宮本 あさか
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【ハイライト】ツール・ド・フランス 第15ステージ|Cycle*2023

大会2週目のクライマックス、第15ステージの山頂フィニッシュへ向けても、やはりユンボ・ヴィスマは無理には逃げを追いかけなかった。沿道の観客の不注意で、大切なアシスト役の2人、セップ・クスとネイサン・ファンホーイドンクが地面に叩きつけられる事故があったせいでもある。前日にステージ序盤に濡れた路面で巨大な集団落車が発生し、一時レースが中断するアクシデントが起こったばかりだった。

またチームの中から、ワウト・ファンアールトが逃げに乗っていたせいでもあった。これまで大集団スプリントから個人タイムトライアルまで、モン・ヴァントゥを越えるステージでもシャンゼリゼ大通りでも勝ってきた究極のオールラウンダーは、初めての「難関山頂フィニッシュ」勝利を目指していた。ただ、相手が悪すぎた。元クリス・フルーム山岳最終補佐、ワウト・プールスの本物の山の脚には、さすがに敵わなかった。

逃げを許された38名もの巨大なグループの中では、マイヨ・ジョーヌと同様、いまだ持ち主がはっきりと定まっていないマイヨ・ア・ポワを巡って熾烈なバトルも繰り広げられた。8日間にわたり山岳賞首位に留まったニールソン・パウレスは、前日、同ポイント(54pts)ながらヴィンゲゴーに赤玉を譲り渡し、この日も同ポイント(58pts)ながらジュリオ・チッコーネの次点に甘んじた。

そして肝心の2人の綱引きも、大会3度目の日曜日、引き分けに留まった。2023年ツールの難関山岳ステージで、初めて、ヴィンゲゴーとポガチャルのタイム差に変動がなかった。

この日はUAEが猛烈に攻め立てた。なにより逃げたマルク・ソレルと最終盤に早掛けしたアダム・イェーツが、フィニッシュ直前に待ち構え、ポガチャルの発射台役を務めたものの……盤石なヴィンゲゴーを突き放すことは不可能だった。10秒差のまま。勝負の行方は大会3週目に繰り越された。

「いまだにどちらが勝つのか、明言することはできない。とてつもない接戦だし、真の大バトルだ。ただ来るべき3ステージ……特にタイムトライアルを考えると、この先は『秒差』の戦いではなくなるはず。最終的に差は1分以内かもしれないけど、秒差が一桁というのは考えられない」(ヴィンゲゴー)

「今現在、どちらが精神的に有利な立場に立っているか分からない。ただ僕ら2人とも実力的にはほぼ対等で、しかも互いに刺激し合い、互いに進化を続けている。週明けの2ステージが総合争いを決めるだろう。『秒差』を埋められるよう、願ってる」(ポガチャル)

文:宮本あさか

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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