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【ツール・ド・フランス2022 レースレポート:第18ステージ】美しくも激しい頂上決戦 鉄壁アシスト背中を押されたヨナス・ヴィンゲゴー「チームメートに勝たせてもらえる僕はラッキーだ!」
ツール・ド・フランス by 福光 俊介健闘を讃えあうポガチャルとヴィンゲゴー
美しく、それでいて激しい頂上決戦。私たちが観たかったものは、こんなレースだったのではないだろうか。ツール・ド・フランス2022における最後の山岳ステージ。追う者と追われる者の直接対決は、“追われる者”に軍配が上がった。
ピレネー山脈3連戦の最終ラウンド。第18ステージは、143.2kmの中に超級山岳オービスク、1級山岳スパンデル、超級山岳オタカムを詰め込んだ。それも、レース半ばからフィニッシュにかけて。強引ともいえるコース設定にあって、マイヨ・ジョーヌを着るヨナス・ヴィンゲゴー(ユンボ・ヴィスマ)は揺るがなかった。もはや鉄壁ともいえるチーム戦術を武器に、最後はみずからの脚でオタカムの頂を征服した。
「娘に今日は勝ちたいと言っていたのだけれど、本当にそうなった。信じられないよ」(ヨナス・ヴィンゲゴー)
ステージが進むにつれ色濃くなっていく、ヴィンゲゴーとタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)の2強状態。マイヨ・ジョーヌ争いは実質残すところ2回で、それがこのステージと第20ステージ。後者は個人タイムトライアルだから、「直接対決」という観点でいけば、このステージが最後ともいえる。スタート時点での両者の総合タイム差は2分18秒。追う側のポガチャルがその差を縮め、状況次第ではひっくり返すこともあるのか。はたまた、追われる側のヴィンゲゴーがタイム差を守るのか、または広げるのか。まさに、運命の1日である。
誤解を招かないよう、マイヨ・ジョーヌの行方がほぼこの2人で決まりつつある理由をあらかじめ示しておきたい。第17ステージ終了時点で個人総合3位につけるゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアーズ)は、ヴィンゲゴーとのタイム差4分56秒。勝負に“絶対”はないから、トーマスが逆転できる可能性はゼロとは言い切れないけど、トップ2の力を考えると、ここから大逆転...というのはさすがに難しい。もっとも、4年前のツール王者である彼にして「総合表彰台の確保が現実的なところ」と語っているのである。同じく4位のナイロ・キンタナ(チーム アルケア・サムシック)は、7分53秒差。いよいよ、トップを争う2人の力が際立って見えてくる。
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