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【Cycle*2023 ツール・ド・フランス 2週目まとめ】10秒差で締めくくられた世紀の一騎打ちは3週目に引き継がれる。マイヨ・ジョーヌのヴィンゲゴー「とてつもない接戦だし、真の大バトルだ」
ツール・ド・フランス by 宮本 あさかタデイ・ポガチャル
世紀の一騎打ち。17秒差で始まった大会2週目は、10秒差で締めくくられた。大会初日からいきなり勃発したヨナス・ヴィンゲゴーとタデイ・ポガチャルの総合争いの結末は、15日間かけて、すでに約2600kmを走破した後でも、いまだに見えてこない。
2023年ツール・ド・フランスには、いわゆる「移動ステージ」も「退屈なステージ」も、決して存在しないのだ。中央山塊で過ごした休息日の翌日、プロトンは信じられないほど全速力で走り出した。逃げ向きの中級山岳コースだというのに、総合上位の2名が睨み合いながら前に飛び出したせいで、さらにスピードは上がった。2日後の第12ステージ、ボジョレーのぶどう畑を縫うように引かれた起伏ステージでも、やはりヴィンゲゴーとポガチャルは互いに挑発するように加速を繰り返した。
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幸いにも、この2日間に限っては、2人は軽いジャブの打ち合いのみで満足した。一時は後方に吹っ飛ばされた「その他大勢」の総合エースたちは、落ち着いて集団内でフィニッシュすることができたし、ペリョ・ビルバオとヨン・イサギレは、開幕の地バスクに10日遅れで喜びを届けた。
さすがに第11ステージの大集団スプリントフィニッシュでは、ヴィンゲゴーもポガチャルも無茶はしなかった。そもそも平地の争いに関しては、ヤスペル・フィリプセンの1人勝ち。これまで5区間で全力ダッシュし、うち4回で拳を天に突き上げた。第8ステージのマーク・カヴェンディッシュ落車棄権に続き、第12ステージにはファビオ・ヤコブセンが4日目の落車の痛みを理由に未出走を選び、第13ステージにはカレブ・ユアンが最後尾で孤独な奮闘を続けた末に自転車を降りた。ライバルスプリンターたちが次々と大会から去っていく一方で、フィリプセンはポイント賞ジャージをしっかり着込む。
秒単位の本気のバトルは、7月14日、フランス革命記念日にいよいよ再開した。
道の果てに孤高に聳える超級グラン・コロンビエが、ミハウ・クフィアトコフスキの感動的な逃げ切り初優勝を演出し、その背後ではUAEチーム・エミレーツが猛然と牽引に励んだ。狙っていた2度目の区間勝利も、1位10秒と2位6秒のボーナスタイムも取り逃したものの、エースを区間3位に送り込むことには成功する。ラスト450mのアタックで、「ペダルで」ヴィンゲゴーを4秒突き放す共に、ポガチャルはボーナスタイム4秒を収集する。
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