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サイクル ロードレース コラム 2024年4月23日

【Cycle*2024 リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ ファム:レビュー】「あとわずか」で苦渋を飲んでいたグレース・ブラウンがキャリア最大の勝利に酔いしれる

サイクルロードレースレポート by 山口 和幸
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リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ ファム

優勝のブラウン。左が2位ロンゴボルギーニ、右が3位フォレリング

第8回リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ ファムがベルギーで4月21日に行われ、FDJ・スエズのグレース・ブラウン(オーストラリア)が悲願の初優勝を手中にした。2020年は英国のエリザベス・ダイグナンに敗れて2位、2022年はオランダのアネミエク・ファンフルーテンに敗れて2位だった。

31歳のブラウンはアップヒルを得意とするワンデーレースハンターで、タイムトライアルの現オーストラリアチャンピオンだ。特徴的なのは「あとわずか」という結果が多いこと。世界選手権の個人タイムトライアルでは2022年、2023年と2位。オーストラリア選手権ロードは3年連続で2位。東京五輪の個人タイムトライアルでもメダル獲得にわずかに届かず4位だった。

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リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ ファム

激坂を上るモニュメントレース

ブラウンは4年前とまったく同じような作戦を取り、レース途中で抜け出すと終盤に追いついてきた実力者を相手にしてゴールの競り合いで勝利を目指した。3度目の優勝を目指すSDワークス・プロタイムのデミ・フォレリング(オランダ)、リドル・トレックのエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア)、4日前のフレーシュ・ワロンヌ フェミニーヌを制したキャニオン・スラムレーシングのカタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド)という強力なトリオとのラスト勝負となり、誰が見ても「あとわずか」がリプレーされると思った。しかし最後の最後でブラウンは先行するロンゴボルギーニを抜き去ってガッツポーズした。

第8回リエージュ~バストーニュ~リエージュ ファムは140選手が13時45分にバストーニュをスタートした。ゴールのリエージュまでは152.9kmの道のり。同日開催の男子レースの序盤は気温の低い曇天だったが、女子レースが始まった頃は晴天に恵まれ、それでも横からの向かい風にさらされながら選手はリエージュを目指した。

序盤戦からアタックが連続し、有力選手が含まれるメイン集団がこれを追った。レース中盤になるとSDワークス・プロタイム、ヴィスマ・リースアバイク、キャニオン・スラムレーシング、リドル・トレック、UAEチームADQ、フェニックス・ドゥクーニンクといった強豪チームのサブエースが抜け出していく。こうして9人の先頭集団が形成されたが、ここに加わったのがブラウンだ。男子レースでタデイ・ポガチャルが勝利へのアタックを決めたラ・ルドゥットの丘にあと5kmと迫る地点で9選手はメイン集団に3分差をつけていた。

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