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【ツール・ド・フランス2022 レースレポート:第14ステージ】モンテ・ジャラベールの激闘再び 妻と娘を思い勝利したマシューズ「僕がプロライダーである理由を証明したかった」
ツール・ド・フランス by 福光 俊介両手を広げてフィニッシュするマイケル・マシューズ
これぞ意地と意地のぶつかり合い。これまでいくつもの名勝負が生まれてきた激坂クロワ・ヌーヴは、今年も激闘の地となった。プロトンきっての“上れるスプリンター”マイケル・マシューズ(チーム バイクエクスチェンジ・ジェイコ)が、アルベルト・ベッティオル(EFエデュケーション・イージーポスト)との競り合いを制し、実に5年ぶりとなるツールのステージ優勝をつかんだ。
「これは僕のキャリアのワンストーリーになりそうだよ。これまで浮き沈みが激しかったからね。最高のシーンを妻や娘に見せたかった。また1つ、夢がかなったよ」(マイケル・マシューズ)
ツール一行は翌週に待つピレネー決戦へ向けて、着々と進行している。前日フィニッシュ地のサンテティエンヌをスタートし、マンドを目指す第14ステージ。計5カ所のカテゴリー山岳だけじゃなく、無印の上りもあって、終始アップダウンの連続。とりわけ、最後に上る2級山岳クロワ・ヌーヴ坂は登坂距離3kmながら、平均勾配10.2%、最大16%の急坂だ。初登場だった1995年にはフランスの英雄ローラン・ジャラベールが制していて、以来この上りには「モンテ・ジャラベール」との別名もついた。ただ、それから4度のツール登場で、フランス人選手たちがことごとく跳ね返されているという事実もあるのだけれど...。
迎えたレースは、ここ数日と同様に逃げたい選手たちで活性化。リアルスタートしてすぐに18人が先行する局面があったものの、これは集団が容認せず。そうしているうちに3級山岳が始まったものだから、集団のいたるところで中切れが発生。前日の落車で傷んでいたカレブ・ユアン(ロット・スーダル)にとどまらず、同様にクラッシュでの痛みを抱えながら走るプリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ)も後方に取り残された。
その事態を知ってか知らずか、アタックする面々の中にはマイヨ・ブランを着るタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)の姿が。さすがにリーダーチームも黙っているわけにはいかず、マイヨ・ジョーヌのヨナス・ヴィンゲゴーとマイヨ・ヴェールのワウト・ファンアールトのスペシャルジャージコンビがみずから引き戻しに走った。
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