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【ツール・ド・フランス2022 レースレポート:第5ステージ】パヴェに笑ったものと泣いたもの この先の戦いを予感させたポガチャルのパヴェ適性と契約なしの危機を乗り越えたクラークの喜び
ツール・ド・フランス by 福光 俊介このステージに向けては、多くのチームがタイヤサイズ30Cをチョイス。激しい振動に備えて、バーテープも厚めに巻き付けた選手が多かった。どのチームも、念入りな準備を経てレースを迎えた...はずだった。
どんなに準備をしていても、トラブルというものはパヴェにつきものである。もっとも、マイヨ・ジョーヌを着るワウト・ファンアールト(ユンボ・ヴィスマ)は、パヴェセクションを前に落車に見舞われた。「道幅が狭く集団前方で走るにはリスクが大きかったので、タイミングが来るまでは集団後方で走ろうと思っていた」というのにである。無事に集団復帰は果たしたものの、その間には他チームの車両に軽く接触してしまうなど、どこかソワソワしている様子は否めなかった。
視界が遮られるのどの砂埃があがる石畳ステージ
パヴェセクションが始まると、慌ただしさはいっそう増した。ペーター・サガン(トタルエナジーズ)は石畳の入口で落車し、個人総合上位入りを期待されるベン・オコーナー(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム)はメカトラブルに見舞われたまま、後方に取り残された。
このステージで力を発揮するとみられていたユンボ・ヴィスマも受難の一日になった。ファンアールトの落車に続き、ヨナス・ヴィンゲゴーがメカトラブル。アシストから受け取ったバイクはサイズが大きく、別のアシストが対応したと思ったら、直後にチームカーが追いつき三度のバイク交換。まごついている間に集団との差は広がるばかりである。
さらには、プリモシュ・ログリッチまでもが落車に見舞われた。カメラモトがラウンドアバウト脇のクッション材を引っかけ、コース内に飛ばされたことで避けきれず地面に叩きつけられてしまったのだ。これで左肩を脱臼したログリッチは、みずから肩を戻してからコース復帰。さすがにこれには時間を要し、ヴィンゲゴーらにも追い抜かれてしまった。
彼らを“悲”とするなら、この日“喜”の代表格となったのは、タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)だ。パヴェを走る姿は、もはやスペシャリストのそれであり、集団前方へ姿を現しては攻撃的な姿勢を貫いた。今回のセクション中、最も難易度が高い4つ星のセクション3・ティヨワ=レ=マルシエンヌ~サール=エ=ロジエールでヤスパー・ストゥイヴェン(トレック・セガフレード)が集団から抜け出しを図るや、待っていたとばかりに同乗。総合系のライバルからアドバンテージを得るべく、ステージ狙いのベルギー人ライダーと協調した。
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