人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

サイクル ロードレース コラム 2020年8月17日

【ツール・ド・フランス2020:選手相関】1985年以来の栄冠をフランスにーー。ティボー・ピノ × ロマン・バルデ

ツール・ド・フランス by 山口 和幸
  • Line
ティボ・ピノー × ロマン・バルデ

ティボ・ピノー × ロマン・バルデ

ツール・ド・フランスの総合優勝者を国籍別に見ると、地元フランス勢が36勝で、2位ベルギーの18勝を大きく引き離している。ところが1985年のベルナール・イノーを最後にフランスから総合優勝者が輩出されていない。すでに34年になる。つまり34歳以下のすべてのフランス人は自国選手がパリでマイヨ・ジョーヌを着用するシーンを目撃したことがないのである。

1990年生まれのティボー・ピノ(グルパマ・エフデジ)とロマン・バルデ(アージェードゥーゼル・ラモンディアール)もフランス人優勝者を知らない世代の選手だ。そしてこの2人は、近年のツール・ド・フランスで国民の期待を受けて、外国勢に真っ向から戦いを挑んで敗れたという共通の経験を持つ。

どうしてフランス選手はツール・ド・フランスで総合優勝できなくなってしまったのか? 現地のサルドプレスで地元のベテラン記者に質問をしたことがある。ベテラン記者の分析はこうだった。

「観光立国であり、原子力大国であるフランスは、他の欧州諸国よりも経済が活発化している。フランスの若い子どもたちが興味を持つようなものがたくさんある。漫画やゲームなどだ。過酷な自転車競技にあえて挑戦する若者はそれほど多くないんだ」

加えて地元開催のメジャーイベントだけに、フランス選手は競技だけに集中していればいいというわけにはいかない。例えばチームスポンサーや地元有力企業のキーマンが訪ねて来たら顔を出さなくてはならない。地元選手は競技以外にも社交を担うという宿命があるのだ。

ツール・ド・フランスで最初に5勝したジャック・アンクティルの逸話をご紹介したい。1963年のツール・ド・フランスがピレネー山中にある小国アンドラで休息日を過ごしたとき、スポンサー訪問を受けたアンクティルは丸焼きヒツジだけでなく、シャンパンもロゼのワインも1杯たりとも断らなかったという。

翌日に消化不良を起こしたアンクティルはライバルに4分遅れるバッドデーになる。それでも最終的に3年連続4回目の総合優勝を遂げるのだから並外れた実力者だったのに違いない。

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
サイクル ロードレースを応援しよう!

サイクル ロードレースの放送・配信ページへ