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2026年のツール・ド・フランスはいつも以上に見どころ満載! これを押さえておけば観戦が楽しくなる、ツール2026見どころ
サイクルロードレースレポート by 福光 俊介世界最大の自転車ロードレース、ツール・ド・フランス
シーズン2つ目のグランツールにして、世界最大の自転車ロードレース、ツール・ド・フランス。2026年大会の開催が迫ってきて、出場チームや選手の動向が少しずつ見えてこようとしている。特に今年のツールは見どころ満載で、熱いレースを彩るあらゆる要素に満ちている。
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開幕地はバルセロナ そのストーリーは17年前に始まった
2026年のツール・ド・フランスは、スペイン第2の都市・バルセロナで開幕する。
バルセロナが州都を務めるカタルーニャ州とツールの関係性は深く、1957年大会で初めてプロトンがフランスとの国境を超えて同地へと足を踏み入れた。2009年大会でも訪れ、そのときにはスプリントフィニッシュが演じられている。
実はこの2009年大会のバルセロナステージは、同地でのグランデパール(開幕)の布石だったのだという。開幕地としてふさわしいか、そしてその熱量があるか、ツールはレースを行いながら可能性を図っていたという。
バルセロナの政治・経済的な事情もあり、実現まで17年を要したが、ついに世界最大の自転車ロードレースはスペインが誇る大都市での開幕を迎える。美しく、華やかに、その瞬間が訪れようとしている。
久々のチームTT チーム1番手ライダーのタイムが採用される特別ルール
そのバルセロナ開幕は、ツールの歴史においても異例中の異例のものとなる。
チームタイムトライアルの採用は7年ぶりとなるが、第1ステージでの採用まで見方を絞ると1971年以来55年ぶり。それも、チーム内一番手ライダーのフィニッシュタイムが有効となる特別ルールを採用する。
これによって、アシスト陣はスタートから全力で飛ばし、フィニッシュに向かってエースを発射させる戦術を多くのチームがとることになるだろう。何より、ここで発生したタイム差は、個人総合成績に反映されるからだ。
フィニッシュは、名所モンジュイックの丘の上。大会初日から、マイヨ・ジョーヌ候補たちが全力で上る姿を見ることとなる。
山岳最終決戦はラルプ・デュエズ2日連続登頂で
スタートラインに並ぶポガチャルとヴィンゲゴー
昨年10月に行われたコースプレゼンテーションで、大きな衝撃をもって迎えられたのが「ラルプ・デュエズ連続登頂」だった。
どんなものかというと、まず第19ステージ(127.9km)でこの山が頂上フィニッシュ地に。21ものヘアピンコーナーが待ち受ける高難度の登坂をこなす。
その24時間後、今度は新たなアプローチでラルプ・デュエズへ。レース序盤から超級山岳コル・ド・ラ・クロワ・ド・フェール(24km、5.2%)を越え、中盤からは1級山岳テレグラフ峠(11.9km、7.1%)、超級山岳ガリビエ峠(17.7km、6.9%)と上っていく。クロワ・ド・フェール頂上は標高2067m、ガリビエにいたっては2642mまで達する。いったん下って、超級山岳コル・ド・サレンヌ(12.8km、7.3%)を経由したのちにラルプ・デュエズを再登坂。
第20ステージ コースプロフィール
第20ステージのレース距離は171kmで、獲得標高差は5600m。大会主催者にして、「歴史的な1日」。マイヨ・ジョーヌ獲得も、パリ到達も、この2日間を乗り越えないことには成し遂げることは不可能なのだ。
5勝クラブ入りかかるポガチャルに、ヴィンゲゴーとセクサスが待ったをかける
ハイライトぞろいのツール2026。ここまでそろっていれば、最高栄誉マイヨ・ジョーヌをかけた伝説級の争いとなることだろう。
絶対王者タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ・XRG)は、5度目の制覇をかけてツールに乗り込む。つまりは、今大会を勝てば「5勝クラブ」の仲間入りである。
「5勝クラブ」はツールのみならず、自転車競技界全体でレジェンドとして称えられ、その走りは長く語り継がれることとなる。ツールを五度制しているのはわずか4人。ジャック・アンクティル、エディ・メルクス、ベルナール・イノー、ミゲル・インドゥライン。
自転車ロードレースファンなら誰もが知る男たちに、ポガチャルが並ぼうとしているのである。新要素やユニークな取り組みが行われる今年のツールは、ポガチャルにとって「5勝クラブ」入りへの大きな試練にもなりそうだ。
最終日にはモンマルトルが今年も組み込まれた
もっとも、ライバルも黙ってはいない。ジロ・デ・イタリアを制し、グランツール2冠「ダブル・ツール」にチャレンジするヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(チーム ヴィスマ・リースアバイク)は、その実力や実績からしてポガチャルにストップをかける一番手。ツールでは2022年と2023年に勝っており、3度目の大会制覇もかかっている。
近年は山岳でのポガチャルとヴィンゲゴーとのマッチアップが多く見られてきたが、今年は違う様相となるかもしれない。フランスが生んだワンダーボーイ、ポール・セクサス(デカトロン・CMA CGM チーム)は、このところの好走からツール出場を決意。「まだ時期尚早ではないか」と慎重な姿を見せていたが、ポガチャルとヴィンゲゴーの勢いを止めるべく立ち上がった。今シーズンはビッグレースでたびたびポガチャルに立ち向かい、敗れはしたもののその走りは将来的に大成功へとつながることは誰もが確信をしている。1985年のイノー氏以来、フランス人選手のツール制覇者は出ていないが、セクサスの登場で一気にその瞬間が近づいている印象だ。もちろん、フランス国民も彼への期待は大きい。今年のツール期間中は、まだ19歳。未来は明るい。
文:福光 俊介
福光 俊介
ふくみつしゅんすけ。サイクルライター、コラムニスト。幼少期に目にしたサイクルロードレースに魅せられ、2012年から執筆を開始。ロードのほか、シクロクロス、トラック、MTB、競輪など国内外のレースを幅広く取材する。ブログ「suke's cycling world」では、世界各国のレースやイベントを独自の視点で解説・分析を行う
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