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サイクル ロードレース コラム 2015年7月3日

ツール・ド・フランス開幕直前!グランデパールを控えたユトレヒトからお伝えします

ツール・ド・フランス by 寺尾 真紀
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グランデパールを控えた、ユトレヒトからお伝えします。

地元チームであるロトNLユンボだけは、いち早く水曜にプレス会見を終えてしまったものの、ツールがようやくギアを入れ、始動したのは2日、木曜のこと。
ユトレヒトでツールの『本部』となるヤールブルース(Jaarberus)では、数えるほどだった車の数が、みるみるうちに増えはじめた。
プレス登録受付の待ち時間も、じりじりと延びていく。列の中で見知った顔を見つけ、挨拶を交わす。
いつ到着したか、宿はどのあたりか。その次に来るたいてい「ツールは全日程回るの?」だ。
答えが「イエス」ならば、これから3週間、その相手の顔は日常生活の一部になる。

午前中に登録を済ませたメディアのほとんどが、トレック・ファクトリー・レーシングのプレス会見に向かった。チーム広報の再三の誘導に関わらず、質問のほとんどはバウケ・モレマと、ファビアン・カンチェッラーラに集中する。
母国開幕のツール総合で活躍が期待されるモレマだが、自国でツールが開催されること、そのスタートラインに並べることの喜びを、慎重に言葉を選びつつ答える。
一方カンチェッラーラは、自身10回目となる今ツールが現役最後になるのではないか、と訊かれると、口を軽くへの字にして、肩をすくめて見せた。
「さあ、どうだろう ― 今年を最後にするかどうかということだけじゃなくて、そもそも来年以降のレース・プログラムがどうなるかということもある。それは僕の一存で決まることではないからね。けれど、そうかもしれない、という思いを持ちながら今年は走るよ」
土曜の個人タイムトライアル(TT)で優勝して、マイヨジョーヌを身に纏うことをどのくらい切望しているかの問いにも、答えはあくまでクールだ。
「出るからには勝ちたいよ。ライバル? トニー・マルティン、ローハン・デニス…それから、地元のトム・ドゥムランを忘れちゃいけないね」

そのトム・ドゥムランは、本日(2日・木曜)発売のデ・テレグラーフ紙の一面に登場した。
『ドゥムラン“勝利を望んでいる”』というヘッドラインの下には、「土曜のツール開幕日、ドゥムランはオランダの希望を一身に背負う。『勝ちたいけれど、ぼくは最有力候補ではない』」との見出し。グラン・デパールを見に行く、と言うユトレヒト市民に「誰に活躍してほしいか」と尋ねると、ドゥムランの名前を挙げる人が圧倒的に多かったのだが、もしかしたらこれは、国内紙による取り上げが、普段ツールを見ない人たちにドゥムランの名前を印象づけているのかもしれない。

ジャイアント・アルペシンのチームホテルで、メカニック兼テクニカルR&D担当のティム・ダヴィッズにドゥムランのTT機材のセッティングについて聞いてみた。
「トム(・ドゥムラン)は、今ツールから新しく導入される“トリニティ”TTバイクに乗る。実際のところ、バイクだけでなく、タイヤも、ヘルメットも、ウェアも新調して、今回のツールで初めて導入するものばかりだ」
バイク、タイヤ、ヘルメットは、フランスのマニクールにある風洞実験で開発したもの。ドゥムランとワレン・バルギルが同行し、5日間かけて様々なテストを行った。その結果、ディスクホイールの中心部分がパラボラのようにより厚くなり、ドゥムランのヘルメットはカスタム・メイドされることになった。他の選手と比べてヘルメット後部が長いのだという。
「ポジション調整を行いながらいろいろ試して、空力的に最高のヘルメットはこの形だった。なぜトムだけか? トム以外の選手たちにとっては、このヘルメットで、長いこと同じ姿勢を維持するのが難しく、メリットがない」
土曜のギアは、56(39)x11の予定。下見がない、中規模レースのTTでバイクセッティングに後悔が残ることはあっても、今回の大舞台でそれはあり得ない。 「明日(金曜)のコース試走のあと、納得のいくまで相談して、セッティングを決めるからね」

別のチームホテルの駐車場で黙々とセッティングを行うトレックのメカニックに聞くと、カンチェッラーラも同じ56(42)x11とのことだった。
※(カッコ)内はTTでは使わない2枚目のギア

18時からは、市内のレプレンブルグ公園でチームプレゼンテーションが行われた。ボートに乗った選手たちが運河を上ってくるという演出に、ビールを片手に待つ、会場や川岸のファンたちも大興奮。チーム紹介を終えた選手たちは自走でチームバスに戻ってくるが、中でもオランダチーム、ロトNLユンボの周りにはひときわ大きな人垣ができ、選手も気さくに記念撮影に応じていた。

チームプレゼンテーションの前後にユトレヒト旧市街地を散策したが、ツールのテーマカラーである黄色や自転車だけでなく、三賞ジャージやひまわりをモチーフにしたショーウィンドーがそこかしこで目についた。運河沿いのレストランやカフェのテラスも満席。同じく本日のデ・テレグラーフ紙には、グラン・デパールの招致は、約3770万ユーロ(日本円換算約51億)の経済効果につながるとの試算があった。そのうちの47%が飲食代、28%がグッズなどを含めた販売収益、11%が宿泊費とのこと。『ツール開幕は、地元経済にドーピング効果』の小見出しには一瞬たじろいだが、ユトレヒト観光局の担当者によれば、プロローグからの3日間で400万の観客動員が見込まれており、開幕準備期間、開催期間における経済効果にはかなり大きな期待があるようだ。

明日金曜は朝食後にTTコースの下見走行が行われる。また、多くのチームのプレス会見が予定されている。

代替画像

寺尾 真紀

東京生まれ。オックスフォード大学クライストチャーチ・カレッジ卒業。実験心理学専攻。デンマーク大使館在籍中、2010年春のティレーノ・アドリアティコからロードレースの取材をスタートした。ツールはこれまで5回取材を行っている。UCI選手代理人資格保持。趣味は読書。Twitter @makiterao

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