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金丸晃輔(シーホース三河 #14)
西地区首位のシーホース三河は、天皇杯で2位の琉球ゴールデンキングスに快勝するなど、ここまでいいシーズンを過ごしている。その原動力となっているのが、B1屈指のシューターである金丸晃輔。今シーズンは50%という高い3P成功率に加え、1試合平均3本成功も自己最多ということでも、いかに質の高いプレーができているかが理解できよう。ここでは、天皇杯から1週間後の1月19日、金丸に聞いた話の全容を紹介する。
Q 今シーズンのプレーを見ていると、ここ4~5年でコンディションが最もいいという感触、そう思える理由があれば言える範囲で教えてくださいますか?琉球戦を現場で見てそう思ったのですが…。
「コンディションよさそうですか?一つ思い当たるのが、一つのことにフォーカスできていることが大きいかなと思いますね。今まではいろいろなことをして得点に絡んでいたので、今年は3Pの割合を多くしてやっている。その辺がコンディションよく見えるのかなと思うんですけど…」
Q 実際はそれほど変わっていないと…。
「でも、言い方はあれですけど、楽かなと言えば楽という感じはありますね。役割分担がチームでしっかりされているので、僕は今年3Pに集中させてもらっています」
Q コンディションがいいと思えた理由が、後半にディフェンシブ・リバウンドへの跳び方、奪い方がすごく印象に残っています。すごくきれいにボックスアウトしていたし、高く跳べていたので、足の状態がすごくいいのかなと…。
「まあそうですね、コンディションはいい方だと思う。あと琉球のキーがリバウンドだったし、結構僕はマークされていたじゃないですか。思うようにオフェンスができなかったんです。3Pも打てなかったし…。おとりにはなっていたと思うんですけど、それだけじゃあまりチームにとってプラスにならなかったので、リバウンドも積極的に狙っていこうかなと思っていました」
Q オフボールで厳しいマークにあっても、高確率でショットを決めています。チームが今シーズン少しオフェンスを変えたことによる効果といえば、何かいい例を話してもらえますか?
「いい例はカイル(コリンズワース)がどんどんアタックし、ヘルプが寄るのでそこからのキックアウトは結構多いですよね。彼はいろいろなところを見ていて、パスを最初に考えている選手なので、僕にとってはそれが一番大きいですね。そこのズレからオフェンスを展開することが多いので助かっています」
金丸晃輔(シーホース三河 #14)
Q 今季の三河は個人の成功率でトップ3を独占するなど3Pショットが大きな武器になっていますが、金丸選手自身はどう感じていますか?
「シュートが入っていると言う前に、僕自身3Pの意識を去年よりも高く持ったのと、チームとしてのフォーメーションもアウトサイドのデザインが増えたのもあります。あとは今年の外国籍選手がスクリーンをしっかりかけて、その後のダイブもしっかりやってくれるので、シューターからするとありがたいですよね。そういう場面が多くなったので、結果的にですけど今トップ3を独占している状態になっていると思います」
Q シェーン・ウィティングトン、シェーファー・アヴィ幸樹、コリンズワースといった新戦力は、時間がかからずにフィットしたと感じていますか?
「ありますね。彼らはすごく真面目なので、気付いたことがあったらコミュニケーションをとってくれますし、練習もしっかり真面目にやってくれています。フィットするまでというか、だからフィットするまで時間がかからなかったと僕は思うんです。本当に能力が高い選手なので、これからもっともっとフィットしていくんじゃないかなと思います」
Q シェーファーのシュート力向上はチームにとってすごくプラスになっていると思いますが、いかがでしょうか?
「そうですね、助かっています。シュート入るし、きれいなシュートを打つので…。どうしても(ダバンテ)ガードナーのところにヘルプが寄りがちになってアヴィがノーマークになるから、もっと積極的に狙ってもいいのかなと僕は思います」
Q 天皇杯の琉球戦はディフェンスで試合をコントロールしての勝利でした。攻防両面での内容という点では、今シーズンベストのゲームだったと思えますか?
「ベストだと思います。あれは出だしからうちのリズムで、ディフェンスから入った。キーとなるリバウンドもみんな必死にやっていたし、約束事もしっかりやっていました。あれは終始こう、3クォーターの出だしでリズムの悪いところもありましたけど、そこから崩れずに我慢してもう1回カムバックできたのもいいことだと思うので、本当にベストゲームだなと思います」
Q オフェンスが強力なことはシーズン前半で十分証明されていると思いますが、課題はやはりディフェンス。チームにとって10回目となる天皇杯制覇、悲願であるB1のタイトル獲得に向けて、ディフェンスのどの部分をレベルアップさせる必要があると感じていますか?
「ディフェンスのヘルプの寄りまではいいんですけど、ヘルプに行った後のローテーションをちょっと改善する必要があるかなと思います」
Q それができれば2冠も…。
「可能性はあります」
Q 昨年2月のチャイニーズ・タイペイ戦で久々に代表としてプレーし、その後も合宿に召集されるなど、フリオ・ラマスコーチからの信頼度が上がっているような気がします。質の高いパフォーマンスを継続できれば東京五輪の舞台に立てるということで、そのあたりのモチベーションはどんな感じですか?
「まだ先が不透明なことが多すぎて、どうなのか正直僕もわからないんです。次(代表活動が)あるのは来月ですよね。そこもまだわからない状況なので、先のことが決まるまではあまり言えないです、はい」
Q 一昨年のワールドカップを見たとき、自分がいたら世界のトップレベル相手にどんなパフォーマンスができるのか、自分の3Pは絶対に通用するというような強い気持みたいなものが出たりしましたか?
「どれだけあの場で打って決められるのかなという思いはありました。一番に思ったのが、ボールをもらうまでが大変だろうなと。当然フィジカルも強いだろうし、ディフェンスの強度も全然上だろうし、今まで僕が経験したことのないようなプレッシャーを与えてくるだろうなと思っていたので、まずシュートを打つまで行けるのかなと正直思いました」
Q あの場は体感したいですよね。
「あの場で決めてみたいという思いはありました」
Q それが東京五輪になるのは、天皇杯とB1を制覇した後の目標になりますね。
「そうですね。モチベーションになります」
Q オフコートでは釣りが趣味ということですが、最近は釣果がありましたか?
「最近行けてないんですよね。スケジュールがタイトなので、休みの日はどうしてもリカバリーに当てないといけないですし、何より寒いです」
Q 寒いのは苦手?
「苦手ですし、風邪ひいてしまったらバスケに影響するかなと思うので、最近は行ってないですね」
Q Bリーグの選手で一緒に釣りに行くような人はいますか?
「いないんですよ。一緒にお願いしますと言ってくる人はいるんですけど、なかなか実行に至らずという感じです」
Q 一人で黙々という感じですか?
「どちらかと言えば、僕がシーズン中釣りに行くのは気分転換。魚を釣るというよりは気分転換がメインなので、のんびりできれば釣れなくても満足なので、行くことに意義があります」
Q 最後に、今季自身が成し遂げたいことと、ファンへのメッセージをお願いします。
「成し遂げたいことは、個人的に言えば3Pのアテンプトを平均、どのくらいかな…、7~8本くらいは行きたいですね。それが自分の目標です。ファンの皆さんへは、そのアテンプトでさらに僕のシュートが決まるところを見にきてほしいです」
文:青木 崇
【Bリーガーインタビュー】
シーホース三河 14番/SF 金丸晃輔(取材日:2021年1月19日)
青木 崇
NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。
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