人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

野球 コラム 2021年4月16日

人種問題がクローズアップされる今だからこそ意義深い、今年のジャッキー・ロビンソン・デー

MLB nation by 豊浦 彰太郎
  • Line

現地時間4月15日は、恒例のジャッキー・ロビンソン・デーだ。短縮シーズンだった昨季は8月28日だったが、今年は本来の日程に戻る。1947年のこの日、ブルックリン・ドジャースの一塁手として、ロビンソンがエベッツ・フィールドでのブレーブス戦にデビュー。19世紀から黒人選手に門戸を閉ざしていたメジャーのカラーラインが破られたのだ。

その歴史的な日から半世紀後の1997年の4月15日には、彼の背番号42は全球団の永久欠番になった。2004年にはジャッキー・ロビンソン・デーがMLB全体の記念日として制定され、2009年からはこの日は全選手が42番を背負うことになった。いまや、MLBの年間カレンダーの中でも、ロビンソンデ・デーは欠くことのできないイベントとなっている。

個人的には、近年の盛大なロビンソン・デーにはやや違和感を抱いていた。「彼の功績により、多くの黒人選手のみならず、ラテンアメリカをはじめとする多くの国や地域からも優秀な選手が集まるようになり、メジャーの人種的多様性が飛躍的に拡大した」というメッセージ自体は事実なのだけれど、反面メジャーでの人種問題は、特に日本のような異国のファンには、過去完了であるかのような印象も与えていたと思う。

しかし、実際にはロビンソンのデビューはメジャーの人種差別の終焉ではなく、闘いの始まりであった。1960年代では、黒人選手はたとえスター級であっても、南部フロリダでのキャンプにおいては宿泊施設の確保に苦労した。1963年にヤンキースのエルストン・ハワードがア・リーグでは初の黒人選手としてのMVP(メジャー初は49年のロビンソン)に選出されると、「黒人がMVPになるなんて」というひどいバッシングに遭った。74年にハンク・アーロンがベーブ・ルースの通算本塁打記録714本を更新した際には、多くの脅迫が寄せられた。その後も人種差別に関するエピソードは事欠かない。近年では、2017年に、現在オリックスに在籍するアダム・ジョーンズが、ボストンのフェンウェイ・パークで観客から人種的侮辱行為を受けたとメディアにぶちまけたことが大きな反響を呼んだ。カラーラインが破られてから74年もの年月が流れたが、まだ人種差別問題は進行形なのだ。

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

人気ランキング(オンデマンド番組)

J SPORTSで
野球を応援しよう!

野球の放送・配信ページへ