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ワールドシリーズが終わった。ドジャースが32年ぶりの世界一に輝いたが、最終の第6戦では、レイズの投手交代が大きな波紋を呼んだ。好投を続けていた2018年サイ・ヤング賞投手であるエースのブレイク・スネルを、5回と1/3、わずか73球で降板させたケビン・キャッシュ監督の判断は果たして正しかったのか。
レイズは初回、ランディ・アロザレーナのソロホームランで先制した。ワールドシリーズ3本目、このポストシーズン10本目だった。試合はその後膠着状態に。スネルは5回終了まで、被安打1、無四球、9奪三振という圧巻の投球を続けた。しかし、6回裏一死からドジャースの9番打者オースティン・バーンズに中前打を許し、次打者ムーキー・ベッツを迎えると、キャッシュ監督は左腕のスネルに替え、右のニック・アンダーソンをマウンドに送った。ベッツは右打ちだが、スネルはその前の2打席、ベッツを2三振と完璧に封じていた。結局この交代は裏目に出てこの回レイズは逆転を許し、シリーズ敗退に至ったのはご存知のとおりだ。
キャッシュ監督は試合後のインタビューで「3巡目に入った」ことを交代の理由に挙げており、これが物議を醸した。「あんなに好投を続けていたのに」、「どうしてエースを信頼できないのか」ということだ。
実は、「3巡目に入ったら交代させるべし」という考え方は、アチラでは一般的な理論だ。さすがにその日三度目の対戦ともなれば、打者は順応してくるからだ。また、セイバー系サイトのfangraphsは、6回に入りスネルの球威が衰えていたことをデータで示し、キャッシュの判断を擁護していた(参照)。また、スネルは、今季はレギュラーシーズン、ポストシーズン全ての登板において5.2回より長く投げてはいない(タマ数では100球以上も数度あるが)。これが、いつものパターンだとも言えるのだ。
それでも、この投手交代を全面的に肯定はできない。なぜならこの投手交代の判断への評価は、「スネルの降板」ではなく、「スネルをアンダーソンに変えたこと」の是非で下されるべきだからだ。
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