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野球 コラム 2020年1月26日

ボンズ、クレメンス、シリング・・・殿堂入り落選者のそれぞれ

MLB nation by 豊浦 彰太郎
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現地時間1月21日、今年の全米野球記者協会(BBWAA)選出の野球殿堂入り投票結果が発表された。引退後5年を経て今回初めて資格を得たヤンキースの元キャプテン デレク・ジーターと、今回が10回目で最後のチャンスだったラリー・ウォーカーが晴れの殿堂入りとなった。

ここでは、栄光の2名ではなく選から漏れた候補者の中から数人を取り上げ、彼らにとって今回の結果はどう評価すべきなのか、今後の見込みはどうなのか、を述べてみたい。


カート・シリング 8年目 70.0% (前年60.9%)

今回選出の可能性も取り沙汰されていただけに、本人は残念だろう。通算216勝は殿堂入りにはそれほど訴求力はないが、WAR79.5は堂々たる数値だ。昨年初年度でいきなり選出されたロイ・ハラディは、両リーグでのサイ・ヤング受賞、完全試合やポストシーズンでのノーヒッターを誇るにせよ、203勝&WAR64.3であったことと比較すると、少々不合理な印象は拭えない。これは、引退後のイスラム教徒や性的・人種的マイノリティに対する不適切な言動に象徴される彼のキャラの影響と言えるだろう。

しかし、悲観する必要はない。もうここまで来ていれば、選出基準の75%はすぐそこだ。来年は新たに資格を得る有力候補者はせいぜいマーク・バーリー(通算214勝&WAR59.2、完全試合を含むノーヒッター2回)くらいなので、候補者間の競合はむしろ緩やかになる。来年の殿堂入りはまちがいないだろう。あとは、失言を慎むだけ?

ロジャー・クレメンス 61.0%(前年59.5%)、バリー・ボンズ 60.7%(同59.1%) ともに8年目 

この投打の元スーパースターには似通った点が多い。MLB薬物問題の象徴として扱われることが多いが、証拠を掴まれたことはなく「限りなくクロに近いグレイ」でしかないこと。薬物問題を差し引いても、その実績は抜きん出ていること。そして、同じ2013年から候補者名簿に名を連ねてほぼ同じ得票率で推移しており、ここ4年はその数字も固着気味だということだ。あと2回の落選で資格を失う。殿堂入り投票では、残りのチャンスが少なくなると得票率が急激に上がるケースが散見されるが(それが良いことかどうかは別だ)、この2人に関してはそれは期待できないだろう。彼らへの評価に関しては、浮動票層は少ないと思われるからだ。

殿堂入りには、BBWAAで資格を失った者を対象に再発掘を行う時代委員会選出のルートもある。時代の流れとともに選手への評価基準も変化し、その結果再評価されるべきケースもあるからだ。薬物蔓延時代の「ほぼクロのグレイ選手をどう評価するか」後年の選考委員は重い宿題を背負うことになるだろう。


オマー・ビスケイル 3年目 52.6%(前年42.8%)

前年から大きく票を伸ばした「勝ち組」の1人だ。現役時代はゴールドグラブ11度受賞の名遊撃手だが、どちらかと言えば「専守防衛」型で現代の基準では本来評価され難いタイプだ。通算WARも45.6と物足らない。したがって、今回の躍進はチト過大評価のようにも思える。

しかし、今回50%を超えたことには大いに意義がある。というのも、過去一度でもこのラインを超えた者の中で、最終的に殿堂入りできなかったのはギル・ホッジス(ブルックリン時代のドジャースの強打者で、1969年ミラクル・メッツの監督)ただ1人なのだ。彼以外は、最後は75%に達するか、資格を失ってから時代委員会から敗者復活を得ている。

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