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バレーボール コラム 2026年7月1日

クインシーズ刈谷がアリーザ愛知に名称変更。創部75年の歴史を継承し、新ブランドで地域密着を強化

SVリーグコラム by 小野寺 俊明
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アリーザ愛知

◆75年の歴史を持つクインシーズ刈谷

6月30日、女子バレーボールの『クインシーズ刈谷』は、クラブのリブランディングを行い、7月1日からチーム名を『アリーザ愛知』に変更すると発表した。創部75年の歴史を持つクラブが、新たなチーム名、ロゴ、クラブカラーのもとで次のステージへ踏み出す。

クインシーズ刈谷は1951年に刈谷車体(現・トヨタ車体)の9人制バレーボール部が始まりで、その後、6人制に移行し、1999年にV1リーグ(2部リーグ)に昇格。2006年にはV・プレミアリーグ(1部リーグ)昇格を果たした。その後、『天皇杯・皇后杯全日本バレーボール選手権大会』で2度優勝。さらに『黒鷲旗全日本選抜大会』で優勝もするなど、長年にわたり、日本女子バレーボール界で存在感を示してきた。

SVリーグ初年度となった2024-25シーズンはレギュラーシーズン9位。続く2025-26シーズンは順位を6位に上げ、チャンピオンシップ進出を果たした。競技面で着実に成長を示す中、クラブはさらなる発展を見据え、ブランドの再構築に踏み切った。名称変更は単なるイメージ刷新ではなく、75年の歴史を受け継ぎながら、クラブの存在意義を改めて明確にする取り組みとなった。

◆リブランディングの背景にあるスポーツ環境の変化

今回のリブランディングについて、北河英典クラブ代表は、スポーツ業界を取り巻く環境が大きく変化していることを理由に挙げた。クラブはこれまでの歩みや価値を改めて見つめ直し、より多くの人に愛される存在を目指すため、名称やロゴ、カラーの変更を行った。

新たに掲げたミッションは「誰かの前向きな一歩を後押しする」。ビジョンには「挑戦を魅せ続ける」が示された。クラブは自ら挑戦する姿を通じて、ファンや地域の人々の背中を押す存在になることを目指す。

これまでのクインシーズ刈谷は愛知県刈谷市を拠点に、多くの支援を受けながら歴史を重ねてきた。一方で、今後は愛知県内をホームとする、唯一のSVリーグ女子クラブとして、より広い地域とのつながりを強める方針だ。名称に『愛知』を掲げることで、クラブの活動領域と発信力を広げ、地域全体に根ざしたチームづくりを進めていく。

アリーザ愛知の新ロゴ

◆新名称『アリーザ愛知』に込めた意味

新チーム名の『アリーザ』(ALEEZA)は、英語の『Ally』と『Breeze』を組み合わせた造語。『Ally』は味方・仲間・同盟を意味し、『Breeze』は波風・疾風を表す。選手・チームだけでなく、ファンや愛知のみなさまを仲間として一丸となって前へ進む。その力を海から吹く力強い風に重ね、新たなチーム名とロゴに吹き込んだ。

クラブカラーは『アリーザパープル』。これまでのチームカラーである青と赤を受け継ぎ、青が持つ冷静さと気品、赤が持つ情熱を掛け合わせた色として紫を採用した。また、紫は愛知県の花であるカキツバタの色にも通じることから、地域性を表すカラーとしても位置づけられている。

新ロゴは、クラブ名の由来でもある「風」を表現したもの。風は常に動き続けるエネルギーの象徴であり、仲間との連携によって生まれる流れや、勝利へ向かう勢いを表している。シンプルな造形には、ファンとともに止まることなく前進し続ける意思が込められた。

北河代表は新たなクラブ名やロゴについて、「私たちの思い、覚悟、夢を詰め込んだ。子どもたちに夢を、地域に笑顔を、そんな存在になりたい」と説明した。そのうえで、今回の発表を新ブランドの完成ではなく、ファン、スポンサー、地域とともに育てていくスタートだと位置づけた。

アリーザ愛知の新ユニフォーム

◆チームコーディネーター、監督、新キャプテンが語った決意

会見では荒木絵里香チームコーディネーター、酒井新悟監督、佐藤彩乃キャプテンも登壇し、それぞれ新ブランドへの思いを語った。

荒木コーディネーターはチーム名が変わると聞いた当初は「とても驚いた」とコメント。2016年に選手としてクインシーズ刈谷に加入して以来、10年にわたって親しんできた名前であり、それ以前もライバルチームとして長く見てきた存在だったからだ。

一方で、新しいアリーナ(三河安城駅前に2028年3月完成予定)や、クラブハウスができるタイミングでのリブランディングについて、「みなさまと新たな歴史を築いていけるということに、今はとてもワクワクしている」と期待を示した。

荒木コーディネーターはバレーボールを「ボールをつなぐ競技」で、レシーブ、トス、スパイクと仲間がつないで初めて得点が生まれる競技であることから、「人と人」「思いと思い」をつなぐ力があると説明。アリーナを試合観戦の場にとどめず、選手、地域、パートナーが交流するハブやコミュニティにしていきたいと語った。

酒井監督は、新たなブランドの1ページ目に携われる喜びと同時に、「大変な重責を感じている。ブランド価値を高めていくためにも、より結果にこだわり、より地域の皆さんに貢献できるよう取り組んでいく」と述べた。

また、チームについては「若い選手が多く、まだ発展途上」だとしながらも、「選手たちの向上心、挑戦意欲、最後まで諦めない姿勢、仲間を思いやる心、本当に素晴らしい選手たちが揃っている。まだまだ未熟だが、アリーザ愛知ともに成長していければ」とコメントした。

新キャプテンの佐藤彩乃

今シーズンから新キャプテンとなる佐藤は、アリーザ愛知がスタートする年にキャプテンを担うことについて「身の引き締まる思い」と語った。また、このリブランディングについては、「クラブが大きくなっていこう、そして新たな伝統を作っていこう、というタイミングで、このチームの一員でいられることに自分は幸せ者だなと感じた」と述べた。

そして、「このクラブにはたくさんの支えがあって、私たちだけのチームではないということを強く実感した。だからこそ、私たちはどんなことがあっても諦めることなく、常に前を向いて、成長を追い求めて、挑戦し続けられる選手、チームになりたいと強く感じている」と決意を語った。

◆伝統を継承し、愛知に根ざすクラブへ

クインシーズ刈谷からアリーザ愛知へ。今回のリブランディングは、長い歴史を持つクラブが新たな時代に対応するための大きな転換点となる。

クラブは75年の歴史を受け継ぎながら、名称に『愛知』を掲げることで、より広い地域との結びつきを強める。競技面ではSVリーグで順位を上げ、チャンピオンシップ進出も果たした。成長途上のチームが新たなブランドを得ることで、競技力向上と地域貢献の両面でさらなる発展を目指す。

アリーザ愛知が掲げるのは「仲間とともに前へ進み、誰かの一歩を後押しするクラブ」だ。名称、カラー、ロゴに込められたメッセージを、今後どのようにコート上の戦い、地域活動、ファンとの交流で体現していくのか。新たな一歩を踏み出したクラブの挑戦が始まる。

文:小野寺俊明(スポーツ企画工房)/写真提供:アリーザ愛知

小野寺 俊明

京都市出身。同志社大学卒業後、リクルートを経てスポーツ業界に。今はなき「ISIZE SPOERTS」や、Jリーグファンサイト「J's GOAL」で執筆を始めた。現在は株式会社スポーツ企画工房の代表で、ライターのほか、スポーツのコンテンツクリエーター、広報アドバイザー、WebサイトやSNSのプロデューサーなどを務める。

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@tigeronodera

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