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もう無駄に、悔しい、苦しい思いをしなくていいようにーー。坂本花織、苦難を乗り越えて掴んだ金メダル | ISU世界フィギュアスケート選手権2023 女子シングル レビュー
フィギュアスケートレポート by J SPORTS 編集部残念ながらFSでは、「悔し涙もでないくらい」、苦い思いを噛み締めた。とりわけジャンプに苦しんだ。中盤で2本、4分の1回転不足を指摘された。終盤の3連続コンビーネーションジャンプでは、1本目の3回転ルッツで着氷が乱れた。回転不足を取られた上に、その後にジャンプが続かなかった。前半に予定していた3Lz+3Tを、朝の練習時に「脚が持たない」と判断し、3回転ルッツのみに変更していたため……つまり繰り返し違反さえ取られた。最後の3回転ループを、急遽2Lo+2T+2Loのコンビネーションに変え、きれいに着氷することで、点数が大きく崩れることは防いだ。
「悔しさでいっぱいいっぱいです。もっと頑張れよ、と自分の中で思う部分がたくさんあります。最後の最後の最後の詰めが、まだまだ足りなかったのかな。今回の悔しいところを全部直して、次は、自分らしい演技を発揮できるように頑張りたいです」(三原)
また日本の渡辺倫果は、初めての世界選手権を10位で終えた。SPは持ち味の3回転アクセルで転倒+回転不足、さらには3回転ルッツが1回転に抜けノーバリューで、15位と大きく出遅れた。FSでもジャンプは安定させられず、たしかに転倒や回転不足が多かった。ただし決して気持ちを折らさず、終盤の3連続ジャンプや3回転ループはきれいに着氷。その後のステップやスピンは美しくレベル4でまとめ上げた。FSだけなら7位の好成績。学びの多い大会となった。
渡辺倫果選手
「やっとスタート地点に立てたという思いと、やっとここまで来られたという思いと。この世界選手権は、本当にいい経験となりました。来季はさらなる飛躍を目指して、頑張っていけたら」(渡辺)
昨季のジュニアチャンピオン、イザボー・レヴィト(アメリカ)は、初めてのシニア世界選手権を4位で終えた。16歳になって迎える初めての大会で、2017/18シーズンから続いてきた連続表彰台記録は途絶えてしまったけれど、間違いなく、近い将来、世界の大舞台でレヴィトの輝く笑顔が表彰台を飾るに違いない。また今季のジュニアGPファイナル銅メダリスト、16歳のキム・チェヨン(韓国)は、SPこそ12位と苦しんだものの、FSでは3位の大飛躍。今大会参加選手の中でも最高難度のプログラムを、すべてクリーン+全レベル4+全GOE加点でこなして、初めての世界選手権で初めてのスモールメダルを手に入れた。
文:J SPORTS編集部
J SPORTS 編集部
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