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大活躍だった全日本での経験から、上位選手と戦うためにはジャンプ以外を磨かなければならないと痛感したそうだ。それが見事に表れたショートの演技だった。
フリーでは目標としていたトリプルアクセルを成功できず、総合順位も3位と後退してしまった。実は今回、練習からトリプルアクセルの確率が低かった。軸を取れた時には確実に3A+3Tに持っていけていたので、決して調子が悪そうには見えなかったのだが、確率の低さが本番に出てしまった。そして、トリプルアクセルの失敗が更なる痛恨のミスにつながった。本人はパンクしたトリプルアクセルはシングルアクセルだったと判断したのだが、実はダブルアクセルのダウングレードと判定されており、そのためにダブルアクセルがひとつ、ノーバリューとなってしまったのだ。
「表彰台に乗れたんですが、今は悔しい気持ちが強いです」
その悔しさは是非世界ジュニアで晴らすことを期待したい。新たな年齢制限の下でもミラノ五輪の代表入りの資格がある選手だ。3年後に向けて世界にアピールをしてきてもらいたいものだ。
4位 柴山歩
柴山歩
ショートではひどく緊張している様子だったが、無事に演技をまとめることができた。全中の直前に開催された国体のショートでジャンプが決まらなかったことが緊張につながっていたのだ。
「6分練習からジャンプがはまらなくて、国体でのショートが頭に浮かんで不安だったんですけど、自分の今できることは全部できたかな、と思うので良かったです。凄く緊張していたので、ほっとしました」
国体のショートの前日に、弟が留学のためニュージーランドに出発したそうだ。それまでは「全然私のことを気にかけてくれなかった」弟だったそうだが、国体のフリーの前、そして全中のショートの前には応援メッセージを送ってくれたとのこと。国体のショートでの失敗を知って心配してくれたのだろう。
以前はショートを得意としている選手だったように感じていたが、ジュニアグランプリシリーズ、ポーランド大会で、調子が良かったにもかかわらずミスをしてしまい、それ以降、緊張感を覚えるようになったのだという。この日の素晴らしい演技で嫌なイメージを払拭できたと願いたい。
フリーでは、ジャンプのクオリティに不満を感じたようだが、それでも大きなミスをすることなくまとめることができた。
「全体的にいいジャンプじゃなかったんですが、今季、ショート、フリーを通してすべてのジャンプを成功することがあまりできていなかったので、それが全中でできたことは良かったと思います」
今後、より高みを目指すために「一歩で伸びるスケーティングを身に着けたい」とスケーティングの改善に取り組むとのこと。また「本田真凜さんのような、華やかな手の使い方を身に着けたい」とも話してくれた。
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