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スポーツアーカイブについて | 町田樹のスポーツアカデミア 【Dialogue:研究者、スポーツを斬る】 秩父宮記念スポーツ博物館・図書館
フィギュアスケートレポート by J SPORTS 編集部秩父宮記念スポーツ博物館・図書館
M:ここは国内最大の規模を誇るスポーツ博物館ですが、どのような経緯で設立されたのでしょうか。
K:秩父宮記念スポーツ博物館は、スポーツの宮様として親しまれた秩父宮雍仁親王が亡くなられた後、財団法人秩父宮記念会と日本体育協会が中心となって、スポーツに関わる方々に呼び掛けて資料の寄贈を募り、開館したのが昭和34年、1959年のことです。旧国立競技場の中に設置されましたので、ご存知の方も多かったと思います。
M:それでは、もう半世紀以上にも遡る歴史があるということですね。どのような資料がどれくらい保存されているのでしょうか。
K:現在、公にしております博物館の資料は約6万件。そして、秩父宮記念スポーツ博物館内にある図書館の蔵書は約16万件です。
秩父宮記念スポーツ博物館・図書館 主な展覧会実績
1959年に旧国立競技場の敷地内に開館して以来、多数の展覧会を実施。2014年の休館以降も全国の博物館などと連携し、各地で巡回展なども開催しています。
倉庫を見せてもらう町田
現在、秩父宮記念スポーツ博物館は休館中ですが、今年6月に移転してきたばかりの収蔵庫があります。そこに博物館が貯蔵している資料が保管されているのです。収蔵庫は1400平方メートルの広さを持ち、貴重なスポーツ用具の数々、そして図書や文書などが幅広く保管されています。早速、学芸員の新名佐知子先生にお話を伺いながら、資料を見ていきましょう。
町田(以下M):倉庫に潜入し、貴重な資料の数々を拝見させていただきます。
金栗四三さんのシューズ
新名(以下N):一見、生活用具にも見えますが、これも貴重なスポーツ用具です。金栗四三さんというマラソンランナーが1912年のストックホルムのオリンピックに出場されました。
M:少し前にテレビドラマで話題になりましたね。
N:はい、そうですね。当時、金栗さんが履いていた足袋です。これでオリンピックに出場されましたが、ストックホルム大会に出場した時は、全くいい成績が出なかったんです。なぜかというと、ストックホルムは石畳の街でした。このような足袋で42.195キロを走るのです。でも、布製の物では持つわけがないですよね。そこで、ご自身でも用具を考え開発し、どんどん進化していきます。
その進化の過程が分かる資料です。固く滑りやすいヨーロッパの石畳での走りに苦労したことから、金栗さんは運動用具店の店主と改良を進めました。丈は短くなり、足裏は布からゴムへ。そして、足の甲で紐を結ぶ現在のスニーカーに近い形へと変化し、戦前の日本のマラソン選手の多くが使用。アスリートとしての探求心が用具の進化へとつながりました。
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