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この試合の感想はさまざまだろう。「お互いに攻め合って面白い試合だった」、「勝てるチャンスがあったのに、悔しい」、「勝てる気がしなかった。オーストラリアとはまだ差がある」などなど。スタンドを埋めた21,322人の観衆も一喜一憂し、感情のコントロールが忙しい試合だった。たしかなことは、日本代表が一戦ごとに課題を修正しては、新たな課題が出るというプロセスを多くの観客が見守り、楽しんでいるということだ。
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リポビタンDチャレンジカップ2026 日本代表対オーストラリア代表の第1戦は8月8日(土)、東大阪市花園ラグビー場で行われた。試合前のコイントスに勝った日本代表は、先蹴りを選択し、午後7時5分、SO伊藤龍之介のキックオフで試合は始まった。先制したのは日本代表だった。前半12分、相手陣深く攻め込んだ日本代表は、22mライン付近でボールを持った伊藤龍之介がディフェンダーの隙を見逃がさずに突破し、1人、2人とタックルをかわしてゴールポスト下にトライをあげる。若いプレーメイカーの個人技にスタンドは沸きあがった。FB松永拓朗がゴールを決めて、7-0。
しかし、15分、出足のいいディフェンスでパスミスを誘いながら、WTBメイン平がインターセプトを狙ったこぼれ球がオーストラリアに入ってしまい、WTBハリー・ポッターにトライを奪われる。SHライアン・ロネガンがゴールを決めて、7-7。その後は、汗でボールが滑ることもあって、スコアは動かない。次のスコアは前半26分だった。オーストラリア代表が日本代表陣10mライン付近のラインアタックでFBトム・ライトがトライ。14-7とリードする。
日本代表も負けてはいない。前半32分、オーストラリア代表に攻め込まれ、ラインアウトからモールを組まれたが、ここはしっかり止める。フランス代表戦で圧倒されたモールのディフェンスについては修正ができていた。このディフェンスの中でオーストラリア代表のLOマイルズ・アマトセロの肩がLOワーナー・ディアンズの頭部にヒットしたとしてイエローカード。その後、レッドカードとなり、オーストラリア代表は20分間、14人で戦うことになった。続く34分、自陣から攻めた日本代表は、PR竹内柊平、LOジャック・コーネルセンらがボールをつなぎ、最後はNO8マキシ ファウルアがトライ。松永がゴールを決めて、14-14に追いつく。
ラグビー日本代表強化試合 リポビタンDチャレンジカップ2026(8月8日)
【ハイライト】日本 vs. オーストラリア
後半も拮抗した展開が続いた。2分、オーストラリア代表WTBマックス・ジョーゲンセンがトライすると、5分、日本代表WTB植田和磨がトライ。このゴールが決まらず、21-19。直後のキックオフからのリターンで日本代表が反則を犯し、トライを奪われてしまう。自陣から簡単に相手にボールを渡してしまう失点が続き、スコアは、28-19。日本代表も後半13分、19分と、松永がPGを決めて、28-25。1トライで逆転可能な点差で終盤に入る。
しかし、後半30分、またしても自陣で反則を犯した日本代表は、オーストラリア代表PRタニエラ・トゥポウにトライされ、35-25と突き放されてしまう。自陣での反則、ミスはこの夏のテストマッチで、なかなか修正されない課題だ。38分にはワーナーがトライをあげて再び3点差に迫ったが、最後の攻撃はハンドリングミスで終わってノーサイドとなった。
オーストラリア代表からの初勝利はならなかったが、日本代表にとって収穫のある試合ではあった。課題だったモールのディフェンスも機能し、スクラム、ラインアウトも比較的安定していた。空中戦はどちらもクリーンキャッチできないシーンが多く評価は難しかった。後半は次々に交代選手を投入。16分には今季初出場のWTB矢崎由高、期待の万能BK上ノ坊駿介も登場。特に上ノ坊の投入時の歓声の大きさは、その人気の高さ、ファンの期待感をうかがわせた。試合後の記者会見。エディー・ジョーンズヘッドコーチは「ファンダメンタルスキルに尽きる。勢いを作ったときにミスをしていた」と、簡単なハンドリングエラー、判断ミスなどを敗因にあげた。ただし、報道陣から日本代表の合言葉になっている「ゴールドエフォート」(一つの仕事で終わらず、仕事をし続ける)についての評価を問われると「ゴールドエフォートは100%。選手を誇りに思います」と、ゲームプランに沿って動き続けた選手たちを称えた。
オーストラリア代表のレス・キス新ヘッドコーチは自身の初陣を飾れて「ホッとしました」と安堵の表情だった。日本代表のスピーディーなプレーを警戒し、ハリー・ウィルソンキャプテンはじめ、経験豊富な選手を並べて勝ち切った。第2戦は8月15日(土)、オーストラリアのタウンズビルで行われる。オーストラリアは冬本番だが、タウンズビルは気候がよく、冬でも15度から26度程度。グラウンドもランニングラグビーに適しており、さらにスピーディーな展開が予想される。両者がどんなラグビーを繰り広げるのか楽しみだ。
文:村上 晃一
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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