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ラグビー コラム 2026年9月11日

いよいよ偉大なるライバルツアーの最終戦。3勝目へベストの南アフリカ。NZはSOモウンガで負け越し回避へ

ラグビーレポート by 田村一博
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8月7日のストーマーズ戦で始まった『Rugby’s Greatest Rivalry』は、今週末で長いツアーを終える。
南アフリカとニュージーランド。長くライバル関係にある両国の魂がアフリカの地でぶつかり合った約1カ月だった。
最終戦はアメリカのボルチモアでおこなわれる。

9月12日、現地の17時にキックオフとなる決戦は、今回のツアーで組まれた4つのテストマッチの中の最終戦でもある。
第1テストマッチは33-16とオールブラックスが勝利するも、続く2戦目、3戦目は、33-26、29-24と南アフリカが勝った。

戦いの舞台となるM&Tバンク・スタジアムの収容人員は7万257人。当日は大観衆で埋まりそうだ。NFLボルチモア・レイブンズの本拠地。すぐ隣には、MLBボルチモア・オリオールズの本拠地オリオール・パークもあるが、規模は前者の方が倍近く大きいそうだ。
ビデオスクリーンの迫力でも知られる。そこにも注目してみたい。

アメリカは2031年のワールドカップ開催を控えている。しかし現時点でのラグビー人気は、大会成功に向けて不安を感じさせる規模にとどまっている。
そんな背景があるだけに、世界のラグビーを統括するワールドラグビーを舵取り役に、ビッグゲームが当地で実施される流れは強まっている。

 

オールブラックスは2025年にアイルランドとテストマッチを戦っており(シカゴにて。2016年にも同地でアイルランドと戦っている)、2024年のフィジー戦も含め、今回で3年連続となる(アメリカとの3テストマッチを含めアメリカでの試合は今回が7回目)。
南アフリカにとっては、今回がアメリカでの4回目のテストマッチとなる。

南アフリカの2勝1敗で迎える最終テストマッチは、対戦成績でリードしている側としては、再び勝利してシリーズ勝ち越しを決めたい。オールブラックスは何がなんでも星を5分にする気持ちで挑むだろう。

4週連続でテストマッチを戦うハードスケジュールに選手たちの疲労度は増している。その観点からいくと、チーム全体のコンディションについては南アフリカのほうに分があるように見える。

 

南アフリカの先発は第3テストマッチとFWは全員同じ。フロントローのオックス・ンチェ、マルコム・マークス、ウィルコ・ロウは、今回もスクラムで強烈な圧力をかけるだろう。前戦ではトライライン前で怒涛のプッシュ。ペナルティトライを得た。
バックローのシヤ・コリシ主将、ピーターステフ・デュトイヤスパー・ヴィーセの3列も息が合っている(3人が揃って先発するのは19試合目)。

BKの変更は、 SHにモルネ・ファンデンバーグが入ったことと、負傷したチェスリン・コルビに代わり、コンディションが整ったダミアン・ヴィレムセがFBで起用されるだけ。他に変更はない。
ラッシー・エラスムス ヘッドコーチ(以下、HC)も、「シリーズを力強く締めくくり、トロフィーを手にするために全力を尽くす強い決意を持っています。選手たちも試合を楽しみにしている」と自信に溢れている。

ただ相手に対し、「我々同様に彼らも誇り高いチーム。先週、最後のホイッスルが鳴るまで決して戦いをやめないことを示しました」と敬意を表し、「今週末に待ち受ける挑戦がどれほど大きなものなのか、われわれは十分に理解しています」と気を引き締めている。

前戦の先発メンバーから7人を変更した。負傷者や体調不良者が出たことに加え、当初から予定していた変更も含まれる。その中にはアーディ・サヴェア主将もいた。
またサヴェアの離脱に伴い、この試合のキャプテンはコーディー・テイラーに託された。

リッチー・モウンガは、2023年ワールドカップの決勝以来のテストマッチで10番のジャージーを着る。23番のジャージーを着るボーデン・バレットは、出場すれば今季初めてのテストマッチだ。

ベンチスタートで21番のジャージーを着るカイル・プレストンは今回のツアーのすべて、ここまでの7試合全部に出場した唯一の選手だ。先発したのはシャークス戦だけも、漆黒のジャージーを着続けた日々は大きな財産となるだろう。
ちなみにプレストンのキャップ数は、今ツアーで得た3を含む4キャップ。初キャップの相手も2025年の南アフリカ戦だったから、オールブラックスの一員として出場する試合はすべて南アフリカのチームという、特別なキャリアを重ねている。

チームを率いるデイヴ・レニーHCはメンバー構成について、怪我人が多く出ているのは事実も、勝利してシリーズ成績を2勝2敗とするためのセレクションには変わりないと言う。
「何人かの選手を変更することは、当初から予定していました。ここにいるすべての選手が、(今季のスタートからの)過去7週間にわたって懸命に取り組み、(このツアーでの)7試合を通して準備を重ねてきました。今回のテストマッチに選ばれた選手は、全員がその資格を十分に備えています」

両軍の全員が、歴史に残るツアーのクライマックスにふさわしい80分とすることを誓ってプレーする覚悟でいる。

文: 田村 一博

田村一博

前ラグビーマガジン編集長。鹿児島県立鹿児島中央高校→早稲田大学。早大GWラグビークラブでラグビーを始める。ポジションはHO。1989年、ベースボール・マガジン社に入社。ラグビーマガジン編集部に配属される。1993年から4年間の週刊ベースボール編集部勤務を経て、1997年からラグビーマガジン編集長に就く。2024年1月に退任し、現在は編集者、ライターとして活動。

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