人気ランキング

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム一覧

ラグビー コラム 2026年7月20日

ラグビー日本代表、フランス代表に完敗 モールから5トライを奪われ、空中戦でも差を見せつけられる

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
  • Line

 

フランス代表からの初勝利を狙ったラグビー日本代表だが、フランス代表にプレーの質の高さを見せつけられる内容になった。7月18日(土)、「ネーションズチャンピオンシップ(NC)」第3戦は、国立競技場に5万2632人の大観衆を集めて行われた。じっとしていても汗ばむ蒸し暑さの中で、午後5時40分、フランス代表SOロマン・ヌタマックのキックオフで試合は始まった。

立ち上がり、フランス代表に攻め込まれた際、日本代表HO江良颯が倒した選手のボールを奪おうとしたが、これが自立していないという判定で相手にPKを与えてしまう。正確なタッチキックでトライライン直前に迫ったフランスは、右タッチラインのラインアウトからのモールで押し込む。日本はタッチライン方向に押し出そうとしたが、うまく内側に回られてHOマキシム・ラモットにトライを奪われた。タッチライン際の角度からSHマキシム・ルクが難なくゴールを決めて7-0となる。

前半6分、日本代表は、最初のスクラムでフランス代表の反則を誘うと、PKからのタッチキックで攻め込む。トライは奪えなかったがFB松永拓朗がPGを決めて、7-3。15分には、SO伊藤龍之介が自陣でキックを受けると左タッチライン側へカウンターアタックを仕掛け、CTBディラン・ライリー、WTB石田吉平とつないでトライを奪った。「フランスのディフェンスを分析して、狙い通りのトライ」(SH齋藤直人)。7-8と逆転するカウンターアタックにスタンドは大いに沸いた。

しかし、この日の日本代表は、フランス代表にチャンスを与える反則が多く、SOヌタマックに好タッチキックを蹴り込まれ、モールで押し切られる失点が続いた。19分にもモールを押し込まれてディフェンスを崩されると、最後はFBマチュー・ジャリベールにトライを奪われる。このモールディフェンスの際に反則があったとして、LOハリー・ホッキングスがイエローカードを受ける。14人になった日本は、23分にもモールからNO8アレクサンドル・ルマットにトライされ、21-8と突き放された。30分のモールは止めたが、ラックサイドのディフェンスの遅れを素早く突いたSHマキシム・ルクにトライを奪われてしまう。

J SPORTS オンデマンド番組情報

日本代表が観客を再び沸かせたのは、前半36分だった。それまでエリア獲得が上手くいかず、中盤での反則で失点するパターンが続いたが、前半30分過ぎ、SO伊藤が防御背後へのキックを使って攻め込む。そして35分、トライライン直前でPKを得ると、HO江良が突進してトライラインに迫り、素早くサポートしたPR大塚壮二郎がボールを拾い上げてトライ。28-15とした。大塚は初先発でトライをあげたが、何度もアグレッシブに突進し、チームを勢いづけようとしていた。関西学院大4年生の活躍については、エディー・ジョーンズ日本代表ヘッドコーチも「大塚は超素晴らしい」と日本語で称賛した。

しかし、日本代表のスコアはここまで。後半3分、フランス代表は自陣からハイパントを蹴り上げ、これをWTBテオ・アティソグベが高い位置でキャッチし、攻め込んでFBマチュー・ジャリベールがトライした。アティソグベは、その直前、日本代表SH齋藤が蹴り上げたキックも自陣でクリーンキャッチしており、空中戦では圧倒的な能力の高さを見せ、プレーヤー・オブ・ザ・マッチに輝いている。スコアは、35-15となり、後半11分、フランス代表HOマキシム・ラモットのトライ、そして、すべてのゴールをルクが決めて、42-15となり、勝敗は決した。

その後は日本代表も健闘し、交代出場のティエナン・コストリーリーチ マイケルがエネルギッシュにプレーしたほか、メイン平も気の利いた動きでチャンスを作り、代表デビューとなった上ノ坊駿介はSOに入って攻撃のペースを上げた。今後の成長に期待感が高まる一方で、課題も多く露呈する戦いだった。ジョーンズヘッドコーチは言った。「学びの多い試合でした。きょうは2つのエリアで完敗したと思います。1つは、モールを起点に5トライを奪われたこと。2つめは空中戦を完全に制されたことです。ただし、選手たちのコミットメントは嬉しく思います。決してあきらめることなく戦い抜きました。フランスもこの結果に値するプレーをしていました」。

ワーナー・ディアンズキャプテンはいつも通り淡々と語った。「相手と差があるというよりも、反則で相手がやりたい展開に入ってしまった。自分たちで自分の首を絞めたと思っています。フランスのモールは、いいパンチ(強烈なインパクト)、いいモーメンタム(勢い)で組んでいました。その中でズラしもあった。勢いがあったということです」。フランスのモールの勢いに対応するのに時間がかかったということだ。オーストラリア遠征を挟んでの3週連続の戦いで、心身ともに疲労もあったはず。プレーの質はフランス代表に差を見せつけられたが、あきらめずに戦ったことは今後につながる。コストリーは試合後、次のように語った。「選手たちはみんなの見えないところでも努力をしています。この経験が今後につながると思います。これからのジャパンに期待してほしいです。来年のラグビーワールドカップでは、2019年のような試合ができる自信があります。これからも応援してほしいし、応援してくれる人たちに勝利を届けたいです」

文:村上 晃一

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
ラグビーを応援しよう!

ラグビーの放送・配信ページへ