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リーグワンのディビジョン1は今週末、プレーオフトーナメント準決勝を迎える。5月24日(土)、秩父宮ラグビー場で相まみえるのは、昨季の王者でリーグ戦1位通過の東芝ブレイブルーパス東京(BL東京)と、今季リーグ戦5位のコベルコ神戸スティーラーズ(神戸S)だ。5月10日(土)の第18節以来の試合となるBL東京に対して、神戸Sは、プレーオフ準々決勝(5月17日)で静岡ブルーレヴズを下し、2週連続での戦いとなる。1週の休みを挟むのは、1、2位チームに与えられたアドバンテージだが、勢いのある神戸Sがどんな戦いを見せるのか興味深い。
J SPORTS オンデマンド番組情報
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ジャパンラグビー リーグワン2024-25 D1 プレーオフトーナメント 準決勝-1 東芝ブレイブルーパス東京 vs. コベルコ神戸スティーラーズ
5月24日(土)午後1:55 ~ LIVE配信
両者は今季のレギュラーシーズンで2度対戦しており、BL東京が連勝(第3節=32-26、第14節=73-28)。特に4月6日、神戸ユニバーで行われた試合は、BL東京が11トライを記録する大勝だった。ただし、BL東京のトッド・ブラックアダーヘッドコーチは、「あの時はブロディ・レタリックもいなかった。シーズンを通して成長しており、別のチームだと思う」と警戒する。準々決勝では静岡ブルーレヴズの強力スクラムに圧力をかけ、相手のドロップアウトのボールを受けて2度トライを決めるなど、切り返しのアタックも見事だった。リーグ随一の攻撃力を持つBL東京とのアタック合戦は見ものだ。
BL東京のメンバーで注目は怪我から復帰のFB松永拓朗だろう。ブラックアダーヘッドコーチは「いまリーグワンで一番のフルバックだと思う」と誇らしげに語る。松永は第15節(4月12日)以来の復帰戦。タイミングの良いライン参加からの突破、キックに対するカウンターアタックなど、ランニング、パススキルともに高く、神戸Sにとっては脅威になる。このほか第18節からの変更メンバーはFBだった豊島翔平が11番のWTBにまわり、11番だった桑山聖生が14番のWTBにまわるのみ。14番だった森勇登はメンバー外となった。この選考についてブラックアダーヘッドコーチは「難しい判断でした。すべてのポジションをカバーするバランスを考えてのことです」と説明した。ジョネ・ナイカブラは怪我で欠場するが、CTB、WTBはリザーブの眞野泰地と、マイケル・コリンズがカバーする。
FW陣はPR木村星南、HO原田衛、LOジェイコブ・ピアス、ワーナー・ディアンズ、FLシャノン・フリゼル、佐々木剛、NO8リーチマイケルと主力がずらり。3番は120kgのタウファ・ラトゥが務める。SH杉山優平、SOリッチー・モウンガがゲームをコントロールするが、モウンガは、「連覇のことは考えていません。フォーカスするのは神戸に勝つことのみです」ときっぱり。ニュージーランドのクルセイダーズで何度もスーパーラグビーのプレーオフを勝ち抜いたプレーメイカーは、大一番のマインドセットも心得ている。チームメイトたちも「セミファイナル」という言葉は使わず、ファイナルの気持ちで戦い抜くという。
対する神戸Sは、準々決勝と先発メンバー、リザーブ含めて変更はなし。キャプテンを務めるLOブロディ・レタリック、LOジェラード・カウリートゥイオティ、FLワイサケ・ララトゥブア、ヴィリー・ポトヒエッター、NO8サウマキ アマナキなどFW陣はパワフルだ。スクラムはベテランのPR山下裕史を軸に重いバックファイブの押しを相手に伝える。BKも経験豊富なSH日和佐篤、キック戦略の巧みなSOブリン・ガットランドがBKラインを操り、技巧派ティモシー・ラファエレ、突破力抜群のマイケル・リトルというCTBコンビがチャンスを広げる。視野の広いFB李承信、高いラン能力を誇る松永貫汰、植田和磨のフレッシュな両WTBと、バックスリーも魅力的だ。
デイブ・レニーヘッドコーチは、「今季はメンバー争いが激化していますが、力強いメンバーを組むことができました」と、準決勝に自信をもって送り出す。レタリックキャプテンは、攻撃力の高いBL東京に対して、「自分たちのディフェンスの時間を無駄に長くしないことが大切」とキーポイントを語った。自分たちの攻撃時にいかにボールをキープし主導権を握ることができるか。ミスをして、BL東京の攻撃時間を長くしてしまっては苦しい戦いになるということだ。
ブラックアダーヘッドコーチは、22日、メンバー発表後に開催された記者会見で、リーグワンの運営サイドファンに感謝を述べた上で、「今週の試合は、毎週見てきてくださるファンに素晴らしいラグビーを見せる責任を感じています」と、熱い思いを口にした。リーグワンのスタッツを担当するOPTAによれば、今季のディビジョン1で1試合平均のゲインメンターはBL東京が1位(573m)、神戸Sが2位(530m)。タックルされながらボールをつなぐオフロードからのトライも、BL東京が1位(18個)、2位が神戸S(13個)だ。激しいフィジカルバトル、フィールドを大きく使った攻防が観客席を楽しませる、そんなエキサイティングな試合になりそうだ。
文: 村上晃一
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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