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ラグビー コラム 2025年5月15日

静岡と神戸は2週連続での対戦。ブレイブルーパス東京に挑むのは、どっちだ?

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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リーグワン4年目の王者は誰なのか。過去3年は、埼玉パナソニックワイルドナイツ(埼玉WK)、クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(S東京ベイ)、東芝ブレイブルーパス東京(BL東京)と王者が変わった。今季より、優勝を争うプレーオフトーナメント進出枠は4から6に拡大された。そのことが最後まで目の離せない順位争いにつながったのだが、チャンスをつかんだ6チームがどんな戦いを繰り広げるのか。新王者誕生か二度目の優勝か。想像するだけで胸が高鳴る。

まずは、3位から6位までの4チームによる準々決勝を行い、勝ったチームがBL東京、埼玉WKが待ち受ける準決勝に進出する。5月17日(土)、東大阪市花園ラグビー場で対戦するのは、レギュラーシーズンを4位で終えた静岡ブルーレヴズ(静岡BR)と、5位のコベルコ神戸スティーラーズ(神戸S)だ。

両者は5月10日(土)の第18節で戦い、静岡BRが勝ったが、29-23という接戦だった。最後は神戸Sが逆転を狙って攻めていたが、パスを前に投げる「スローフォワード」の判定で終わるという、余韻を残した幕切れだった。勝った静岡BRの藤井雄一郎監督は「今日は手の内を見せられないですし、なかなか難しいゲームでした」とコメント。互いに翌週を想定しながらの戦いだったということだ。ボールの支配率はスクラムでは静岡BR、ラインアウトでは神戸Sが上回ったが、互いに対策を練るだろう。同じことが起こるとは考えにくい。

 

15日正午に発表されたメンバーを見ると、両チームともに数名の変更がある。静岡BRは、FW第一列の両PRが、山下憲太、伊藤平一郎から、河田和大、ショーン・ヴェーテーに変更。4番だった大戸裕矢が7番に下がって、4番にはマリー・ダグラス。前節7番で先発したクワッガ・スミスは、リザーブからのスタートになる。そして、14番で怪物WTBヴァレンス・テファレが先発する。スミスのリザーブ起用について、藤井監督は「(プレーオフのような戦いでは)試合の最後をどう締めるかが大事」と話し、どんな状況でも試合の流れを味方に引き寄せるスミスの経験と能力を買ってリザーブ起用したと話した。

テファレの他にもBK陣はパワフルな選手が並ぶ。CTBヴィリアミ・タヒトゥアは、ディビジョン1で250以上のキャリーを記録している2選手のうちの1人で、ディフェンス突破数はでディジョン1全体2位タイ(76)。そして、WTBマロ・ツイタマのゲインメーター数は同トップの1380m。SH北村瞬太郎はここまでリーグ2位の14トライをあげており、長い距離を走り切れるスピードを持つ。神戸Sには脅威になる選手が多い。

 

対する神戸Sは、前節負傷交代のFLティエナン・コストリーが欠場し、6番には前節4番のワイサケ・ララトゥブアが下がる。4番には、前節5番のLOでキャプテンを代行したジェラード・カウリートゥイオティが入り、5番はLOブロディー・レタリックが先発してキャプテンを務める。FL(7番)ヴィリー・ポトヒエッター、NO8サウマキ・アマナキ、SH日和佐篤、CTB(13番)マイケル・リトル、FB李承信も先発復帰。コストリーの欠場は痛いが、多くの主力が戻ったのは心強い。

特に大きいのは、16節以来の復帰となるリトルの復帰だ。デイブ・レニーヘッドコーチも「ディフェンス能力が高く、パワフルなボールキャリアーであるリトルの復帰は、チームにとって大きい」と歓迎。パワフルな選手が並ぶ静岡BRのBK陣に対して、前節でリーグ100試合出場を達成したCTBラファエレ ティモシーとのコンビでどんなプレーを見せるのか楽しみだ。

OPTAのスタッツによれば、今季ディビジョン1で1試合平均6以上のターンオーバーを記録しているのは、神戸S(6.8)と静岡BR(6.4)のみ。相手からボールを奪う能力が高いということなのだが、一方で、神戸Sはターンオーバーされる数もディビジョン1で一番多い。先週もミスから失点するシーンがあった。神戸Sとしては改善したいポイントだが、激しいフィジカルコンタクトからのボールの争奪戦も見どころのひとつになる。

花園ラグビー場については、神戸Sの李承信共同キャプテンが「どちらかといえばホーム」と話し、静岡BRの藤井監督は「アウェイの感覚はありますね」と話した。地の利は神戸にありそうだが、当日は雨の予報で、その場合はセットプレーに強みのある静岡有利とみる意見が多い。実力は拮抗。手に汗握る攻防になるだろう。

文: 村上晃一

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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