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ラグビー コラム 2025年5月12日

【ハイライト動画あり】スピアーズは鉄壁のディフェンス見せ、3位でプレーオフへ。ヴェルブリッツは10位でシーズン終了

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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5月10日(土)、豊田スタジアムには、1万4731人の観衆が集った。その多くは、今季最後のホストゲームとなるトヨタヴェルブリッツ(トヨタV)の雄姿を見届けようとしていた。第17節まで4勝1分け12敗で10位のトヨタVは、前節で入替戦は回避し、ディビジョン1残留が決まっていた。この日の目標は「ストロング・フィニッシュ」。最後まで応援してくれたサポーターに感謝の気持ちも込めて、良い試合を見せ、来季への弾みをつけることだった。

対するクボタスピアーズ船橋・東京ベイ(S東京ベイ)は、17節を終えて3位。3トライ以上引き離すボーナス点を獲得して勝てば、1位ブレイブルーパス東京(BL東京)と、2位埼玉ワイルドナイツ(埼玉WK)の結果次第で1位になる可能性もあった。1、2位はプレーオフの準決勝で、3位対6位、4位対5位の勝者を待ち受ける形になる。短期間で1試合少ないのは大きなアドバンテージであり、プレーオフの組み合わせを決める順位争いにも注目は集まっていた。

午後2時30分、試合はS東京ベイのキックオフで始まった。前半11分、先にトライを奪ったのは、S東京ベイの22歳のLOメルヴェ・オリヴィエだった。相手キックを後ろに走りながらキャッチしたSH藤原忍がSOバーナード・フォーリーにパスし、フォーリーがトヨタV陣へキック。その後、トヨタVがボールをつなごうとしたところで、藤原がプレッシャーをかけ、ハンドリングエラーで浮いたボールをオリヴィエがキャッチ。タックルによろめきながらも体勢を立て直してトライエリアへ。5-0とリードする。

トヨタVの反撃を受けるが、S東京ベイのディフェンスは固く、自陣22mラインに壁があるかのように何度も跳ね返した。21分、相手のミスボールを藤原が拾いあげ、CTB廣瀬雄也がトライ。29分、ここまで2本のゴールを外していたフォーリーがPGを決めて、13-0とリードを広げた。

 

ようやくトヨタVがトライを返したのは、32分だった。S東京ベイのハイタックルの反則で得たPKからSO小村真也がタッチキック。この日初めてS東京ベイ陣ゴール前でラインアウトのチャンスを得ると、モールからの攻撃でNO8姫野和樹キャプテンが左隅にトライ。小村が難しい角度のゴールも決めて、13-7とした。しかし、前半終了間際、S東京ベイはFWの波状攻撃でFLトゥパ・フィナウがトライして、20-7。後半はトヨタVもHO彦坂圭克の突進からLOアドレ・スミスがトライし、23-14とするなど拮抗した時間帯もあったが、S東京ベイのディフェンスは崩れず、終了間際にはWTB山田響が前節に続いて独走トライを決め、37-14で勝利した。

ジャパンラグビー リーグワン2024-25 第18節(5月10日)

【D1 ハイライト動画】トヨタヴェルブリッツ vs. クボタスピアーズ船橋・東京ベイ

S東京ベイは狙い通り、3トライ差をつけての勝利で勝ち点5を積み上げたが、BL東京、埼玉WKも勝利したため、3位でプレーオフ準々決勝(対東京サンゴリアス、5月18日)に進出することになった。1、2位浮上とはいかなかったが、フラン・ルディケヘッドコーチは「プレーオフのチャンスを獲得できたことは嬉しいです」と前向きにコメント。「まずは一試合一試合に勝つ。そして、準備も一日一日、チームを勢いづけるように進んでいきたい。サントリーは楽な相手ではありません。しっかりプランを立てて準備します」。

今季の最終戦となったトヨタVのスティーブ・ハンセンヘッドコーチは、「今シーズンの要約のような試合でした」と振り返った。ミス、反則からトライにつなげられるシーンがこの日も多かったからだ。ただ、シーズンを通しての感想を問われると、「リーダーシップグループが強化されたのは、よく成長できた部分。ミライチームが強くなって、選手層も厚くなりました」と来季に向けてチームは上向いていると語った。

姫野キャプテンは、この日ボールキャリー14、タックル18と、いずれもチームNO1を記録。彼が怪我で離脱した期間が長かったこともチームには痛手だった。その姫野は応援し続けてくれたファンに感謝しつつ、「勝てなかったことは残念ですが、課題は明確です。トヨタらしく、泥臭く前に進み続けます」と力強く来季を見据えた。

文: 村上晃一

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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