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ラグビー コラム 2025年3月24日

【ハイライト動画あり】ラストワンプレーの逆転劇。 神戸スティーラーズが今季ビジターゲーム初勝利

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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松永貫汰(コベルコ神戸スティーラーズ)

逆転に次ぐ逆転でスタジアムは興奮のるつぼと化した。3月23日(日)、快晴の秩父宮ラグビー場には、9,963人の観客が集った。午後2時30分、コベルコ神戸スティーラーズ(神戸S)のSOブリン・ガットランドのキックオフで激闘の幕が上がる。開始3分、東京サントリーサンゴリアス(東京SG)陣に深く入ったラインアウトから神戸Sが連続攻撃。最後はCTBマイケル・リトルが4人のタックラーを引き付けながら右タッチライン際のWTBアタアタ・モエアキオラにパスし、アタアタがタックラーを弾き飛ばして先制トライをあげた。

ここまで4勝5敗2分けで7位と苦しむ東京SGにとって、プレーオフ進出圏内の6位を死守するためにも負けられない戦いだった。5位の神戸Sにはリーグ戦で6連勝中であり相性は良い。第7節(2月8日、対神戸S)以来の復帰となったHO堀越康介キャプテンを先頭にアグレッシブに攻める。前半6分、CTB中野将伍の突破でトライラインに迫ると、最後はSO高本幹也が激しいディフェンスのプレッシャーの中でボールを弾くようにタップパス。WTB尾崎晟也のトライを引き出した。10分、高本がPGを追加して8-5と逆転する。

ブロディ・レタリック(コベルコ神戸スティーラーズ)

前半は神戸Sがミス、反則でボールを失うケースが多く、東京SGがチャンスを確実にものにした。19分に中野、23分にCTBイザヤ・プニヴァイがトライし、20-8と点差を広げる。流れを変える神戸Sのトライが飛び出したのは、34分だった。NO8ワイサケ・ララトゥブアのパスを受けたLOブロディー・レタリックが、軽やかなステップワークで2人のディフェンダーをかわし、約35mを走り切ってトライゾーンへ。CTB李承信がゴールを決めて、20-15に迫った。そして、40分、ラインアウトからモールを押し込んだ神戸SはHOジョージ・ターナーがトライし、20-20の同点とする。

福田健太(東京サンゴリアス)

後半は東京SGが先にトライ。その後も高本の好タッチキックなどでチャンスを作るが、ラインアウトでノットストレートを取られるなど良いプレーが続かない。神戸Sも自陣でパスミスがあり、両チームのサポーターにとってもどかしい展開が続いた。神戸Sは後半22分、レタリックのトライで30-27と迫ると、31分、ガットランドのキックパスを受けたアタアタがトライして34-30と逆転。しかし、東京SGも交代出場のSH福田健太がトライし再び逆転。34-37と、東京SGの3点リードで残り時間5分となった。

ジャパンラグビー リーグワン2024-25 D1

【第12節 ハイライト動画】東京サンゴリアス vs. コベルコ神戸スティーラーズ

後半37分、ハーフウェイライン付近の神戸Sボールのスクラムで東京SGがスクラムを崩すコラプシングの反則をとられる。このPKからタッチキックで前進した神戸Sだが、粘る東京SGのディフェンスにタッチラインの外に押し出されてしまう。残り時間は1分。東京SG陣のトライラインから15m地点での東京SGボールのラインアウトとなった。東京SGがボールをキープし、そこで数十秒を使えば試合は終わる。両チームの首脳陣、メンバー外の選手たち、サポーターが固唾を飲む。ボールはラインアウトの後方に投げ入れられた。

ここで、後半35分に交代出場していた神戸SのLO小瀧尚弘がめいっぱい手を伸ばす。小瀧をリフトしているのは、レタリックと交代出場のPR具智元だった。小瀧の右手がボールを自陣側にたたいて、神戸Sは一気に右オープンに展開し、HO松岡賢太、FLサウマキ アマナキ、ガットランド、李、WTB松永貫汰とパスをつなぐ、そして松永がタックラーの内側に切れ込んで決勝トライ。小瀧の値千金のラインアウトスティール。2022年にリーグワンが開幕して以降、神戸Sが初めて東京SGに勝った瞬間だった。

今季ビジターゲームで初めての勝利でもあった神戸Sは6勝6敗(勝ち点33)として5位をキープ。東京SGは3連敗で4勝6敗2分けとなり、7点差以内の負けに与えられるボーナス点1を獲得したものの順位を8位に下げた。東京SGは第12節(3月29日、秩父宮ラグビー場)、静岡ブルーレヴズと対戦。神戸Sはリコーブラックラムズ東京(3月30日、秩父宮ラグビー場)と戦う。

文: 村上晃一

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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