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パブロ・マテーラ(三重ホンダヒート)
2試合連続の逆転勝利に笑顔があふれた。2月23日(日)、三重交通Gスポーツの杜鈴鹿サッカー・ラグビー場で行われたリーグワン・デイビジョン1の一戦は最後までもつれる激闘となった。横浜キヤノンイーグルス(横浜E)を迎え撃ったホストの三重ホンダヒート(三重H)は、前節、三菱重工相模原ダイナボアーズに逆転勝ち。今季の通算成績を3勝5敗とし、10位から8位に順位を上げていた。5位の横浜Eに勝ってさらに勢いをつけたい。プレーオフ進出圏内の6位に向かって選手たちのモチベーションも高かった。
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田村優(キヤノンイーグルス)
三重Hは2023年にハーレクインズクラブ(イングランド)と戦略的パートナーシップ契約を結んだ。この日はイングランドのフィッシュ&チップスの販売やビールの配布が行われるなど「ハーレクインズフェス」として会場を盛り上げた。午後1時、三重Hボールのキックオフで戦いの火ぶたが切られた。開始3分、SO田村優の好タッチキックでチャンスを作った横浜Eが、LOコルマック・ダリーのトライで先制する。15分、三重HもSO中尾隼太がPGを返したが、23分、横浜EのWTB竹澤正祥がトライし、スコアは3-12。三重Hも中尾のPGで食らいつき、前半は6-12で終了する。
前半を通して、横浜Eは田村、SH山菅一史の防護背後へのキックを軸に有利な地域で試合を進めた。後半の序盤も横浜Eが攻め、三重Hが守る展開が続いた。流れが変わったのは、後半15分あたりのスクラムだった。前半はやや横浜Eが優勢だったが、後半投入されたPR藤井拓海、HO山田生真、PR星野克之のFW第一列が圧力をかけ、反則を誘ったのだ。続く19分、フィールド中盤での横浜Eのラインアウトでは、FLフランコ・モスタートがスティール。セットプレーで流れをつかんだ三重Hは、中尾のタッチキックで相手陣深く入ると、ラインアウトのモールから連続攻撃を仕掛け、最後は交代出場のSH竹中太一が密集サイドにボールを持ち出し、値千金のトライ。中尾のゴールも決まって、13-12と逆転に成功する。
ジャパンラグビー リーグワン2024-25 D1 (2月23日)
【第9節 ハイライト動画】三重ホンダヒート vs. 横浜キヤノンイーグルス
勝敗を決定づけたのは、後半26分のトライだ。ハーフウェイライン付近のラインアウトから攻めた三重Hは、交代出場のWTBダーウィット・ケラーマンが攻撃ラインに参加して、トライエリアに向かって地面を這うグラバーキックを蹴り込む。カバーに走って来た横浜EのSHファフ・デクラークはボールのバウンドが合わずに行きすぎ、トライエリアにボールが入ったところで、三重HのWTBテビタ・リーがボールを押さえる。強風下の難しいゴールを中尾が決めて、20-12。1トライ1ゴールでは追いつかない点差となった。
田畑凌(横浜キヤノンイーグルス)
後半32分、横浜EもWTB石田吉平がトライを返し、20-17として終盤の攻防へ。ボールをキープして残り時間をつぶす作戦に出た三重Hだが、37分に倒されたボールキャリアの上に倒れ込む反則を取られ、逆に横浜Eにチャンスが巡る。逆転勝利に向かって攻め続ける横浜Eと、疲れた足を懸命に動かして守る三重H。観客席では両チームのサポーターが声をからした。緊迫感ある攻防の末、横浜Eの元気印・CTB田畑凌が左タッチライン際を駆け抜けようとしたとき、懸命に追いかけて倒したのは三重HのHO山田生真だった。そして、タッチライン際でボールを奪ったLOマーク・アボットがボールを持ってタッチの外に出る。直後、ノーサイドの笛が鳴った。
プレーヤー・オブ・ザ・マッチは、交代出場でトライをあげた竹中太一。後半の交代選手がチームにエナジーを注ぎ、FW前5人を軸に献身的にタックルを続けた三重Hの我慢の勝利だった。地域獲得率もボール保持率も下回りながらの勝利に、「試合を通して選手たちのプライドや努力が見られ、満足しています」と、キアラン・クローリーヘッドコーチは選手を称えた。「第9節までを終えて感じるのは、リーグワンのどのチームとも(互角に)戦えるということ。他の上位チームに比べれば無名の選手たちが奮闘している」とも話し、チーム全体の底上げに手ごたえを口にした。
三重Hは第9節を終えて、順位は8位のままだが、勝ち点は18とし、6位横浜E、7位東京サンゴリアスの21に迫った。次節は静岡に乗り込んで4位の静岡ブルーレヴズと戦う。一方、横浜Eは7点差以内のボーナス点を獲得したことで6位以内にとどまり、次節は東京サンゴリアスと対戦する。プレーオフ進出圏内を巡る戦いは当分続きそうだ。
文: 村上晃一
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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