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ラグビー コラム 2024年6月14日

全勝の早大が、学生王者・帝京大に挑む。春の関東を制するのは?

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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早稲田大学 vs. 帝京大学

関東大学春季交流大会は4月21日~6月23日までの日程で開催中だ。前年度秋季リーグの戦績によって、対抗戦・リーグ戦の各9チームを3グループに分けて総当たり戦を行っている。最上位のAグループは、対抗戦Aとリーグ戦1部の上位3チームずつ。6月16日(日)、23日(日)に行われる最終節を残して早大が4連勝で首位。3勝1分けの帝京大が2位につけている。16日、早大・上井草グラウンドで行われる早大対帝京大が春の王者を決める大一番となる。

 

首位を走る早大は、6月2日(日)、ライバル明大と対戦して36対26で勝利。スクラムで圧力をかけ、ラインアウトのモールからHO佐藤健次キャプテンがトライを奪うなどFW戦で優位に立ってスコアを重ねた。 9日(日)の法大戦では日本代表合宿に参加する佐藤健次、練習性として参加するWTB/FB矢崎由高らを欠いていたが、スクラムからの展開で池本晴人が先制トライを奪うと、SH細矢聖樹のパスに次々に走り込む連続アタックから池本が連続トライ。SO野中健吾がゴールを決めて14-0と主導権を握った。最終スコアは52-14。今季は例年より早く、1月上旬に新チームの練習をスタートさせ、フィジカル面の強化を進めてきた成果が出ている。桐蔭学園卒のNO8城央祐、WTB田中健想ら1年生も活躍しており、5シーズンぶりの大学王座奪還に向けて着実に歩みを進めている。

対する帝京大はリーグ戦グループ(法大、流経大東海大)には快勝したが、6月9日(日)、静岡県のエコパスタジアムで行われた明大戦では前半を5-24とリードされる苦しい展開。防御背後へキックを使われ、スピードあるBKに走られるパターンが続いた。しかし、後半はスクラムの優位性を生かして盛り返し、FLグアイニ優人、交代出場の倉橋歓太、NO8カイサ・ダウナカマカマがトライを奪い、24―24の同点に追いつく。

 

3度インゴールに入りながら、ラストパスのスローフォワードや、グラウンディングが認められないなど決めきれずに敗れたが、試合中に戦い方を修正する底力は見せつけた。負けないカルチャーはしっかり受け継がれている。昨季の大学選手権優勝メンバーからHO江良颯(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)、FL奥井章仁(トヨタヴェルブリッツ)など大駒が抜けたが、NO8ダウナカマカマの突進力は大学レベルでは図抜けている。LO本橋拓馬、FL青木恵斗、SH李錦寿といった1年生からのレギュラー選手が最上級生になってチームの軸になっており、選手権4連覇を十分に狙える戦力だ。

6月16日の早大対帝京大は春の王者を決めると同時に今季の大学ラグビーを占う重要な一戦となる。このところ選手権では振るわない早大が、帝京大とどんな試合ができるのか。フィジカル面を見直し、スクラムでも明大を押し込んだ強みをここでも発揮するのか。あるいは帝京大が跳ね返すのか。早大は佐藤健次キャプテン、帝京大もPR森山飛翔ら日本代表合宿に参加するメンバーや怪我を抱える選手は不在。現時点でのチームの仕上がり具合、セットプレーの安定感、新戦力、負傷者の穴を埋める選手層など今後の大学ラグビーシーンを楽しむためのチェックポイントは多い。秋を楽しむためにも見逃せない試合だ。

文:村上 晃一

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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