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ラグビー コラム 2023年3月10日

猪と鷲の真っ向勝負。6位・相模原ダイナボアーズが4位・横浜イーグルスに挑む。

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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三菱重工相模原ダイナボアーズ vs. 横浜キヤノンイーグルス

ジャパンラグビー リーグワン2022-2023は今週末、第11節を迎える。プレーオフ進出枠のトップ4、ディビジョン2との入替戦へ進む下位3チーム(10~12位)を決める順位争いはし烈だ。4位の横浜キヤノンイーグルス(横浜E)は現在、6勝2敗2分けの勝ち点33で5位以下を引き離しにかかる。5位東芝ブレイブルーパス東京(BL東京、勝ち点26)、6位三菱重工相模原ダイナボアーズ(相模原DB、勝ち点20)もあきらめていない。望みをつなぎたい第11節になる。下位グループを見ると、相模原DBから10位の静岡ブルーレヴズ(静岡BR、勝ち点17)までは勝ち点差7の間に5チームがひしめいている。レギュラーシーズンはあと6節。何が起こるか予断を許さない。

3月12日(日)、神奈川県相模原市のギオンスタジアムで対戦するのは、トップ4に望みを残す相模原DBと、プレーオフに向けて確実に勝ち点を積み上げたい横浜Eだ。ホストゲームとなる相模原DBは、前節、花園近鉄ライナーズと激闘を繰り広げ、後半18分には、22-21といったん逆転されながら、CTカーティス・ロナのトライで再逆転。交代出場のマット・トゥームアのトライで突き放した。プレーヤー・オブ・ザ・マッチには、WTBタウモハパイ ホネティが輝いている。

対する横浜Eは、静岡BRと引き分けた(22-22)。後半32分の時点で、15-22とリードを許す中でなんとか追いつく粘りを見せた。最後は小倉順平の決勝PGは外れて勝利を逃したが、最低限の勝ち点2をゲット。沢木敬介監督は苦笑いを浮かべた。「ストレスの溜まる試合でした。どんな障害があっても力を出せるぐらいにならないと。来週の試合では納得のいくパフォーマンスを出せるように、自分たちにベクトルを向けてやっていきたいです」

横浜キヤノンイーグルススターティングメンバー

その横浜Eは静岡BR戦から先発では2名のみの変更で相模原DBに臨む。LOリアキマタギ・モリが8節以来の先発復帰で、コリー・ヒルとLOコンビを組む。前節先発FBの小倉順平がリザーブに回って、エスピー・マレーが15番を背負う。

三菱重工相模原ダイナボアーズ スターティングメンバー

対する相模原DBは先発6名の変更だ。PR(3番)は蜂谷元紹に代わって石井智亮、FL(6番)は佐藤弘樹が第6節以来の先発で、NO8にはエピネリ・ウルイヴァイティに代わってサム・チョンキットが入る。エピネリはリザーブ。BKでは前節はリザーブだったSOマット・トゥームアが先発し、CTBマット・ヴァエガが6節以来の先発復帰。カーティス・ロナとCTBコンビを組む。FBアラサイア空ローランドは欠場、前節WTBだった韓尊文がFBに回り、WTB(14番)で奈良望が出場する。

横浜Eの田村優(日本代表70キャップ)、相模原DBのマット・トゥームア(オーストラリア代表59キャップ)の世界レベルのSO対決は、この試合の楽しみの一つ。互いに質の高いキック、パスで攻撃を司る。客席を沸かせるプレーを見せてくれるだろう。相模原DBと横浜Eは、リーグ戦では通算5度目の対戦となる。過去は横浜Eの3勝1敗。相模原DBが勝利したのは2009年10月だ。相模原DBは前節のライナーズ戦で勝利し、ディビジョン1での連敗を4でストップさせた。今節も勝利すると開幕2試合以来の連勝となる。

統計数値で見ると、横浜Eはここまで52トライ、相模原DBは29トライと決定力には大きな差がある。また、横浜Eの今季スクラム勝率(96%)はディビジョン1のトップだ。スクラムで圧力を受けると相模原DBは苦しい戦いを強いられる。スクラム、ラインアウトを安定させ、ハードトレーニングで培った粘りのディフェンスで横浜Eのミスを誘いたい。相模原DBは負ければ順位が大きく下がる可能性もあり、なんとしても勝ち点を積み上げたい。一方、横浜Eは「納得のいくパフォーマンス」で勝ち点を積み上げ、上位を追いかけたい。好ゲームが期待できる。

文:村上 晃一
村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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