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ラグビー コラム 2023年3月10日

完敗から立ち直った姿を見せたいグリーンロケッツ。ブレイブルーパスは前節の流れを持続できるか。ジャパンラグビー リーグワン、第11節展望

ラグビーレポート by 直江 光信
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グリーンロケッツ東葛 vs. 東芝ブレイブルーパス東京

柏の葉公園総合競技場での2週連続のホストゲームとなるNECグリーンロケッツ東葛にとっては、熱心な地元サポーターの前で前節リコーブラックラムズ東京戦の完敗から立ち直った姿を示す大切な試合だ。対する東芝ブレイブルーパス東京にとっても、上位4強によるプレーオフ進出に向け絶対に勝利が必要なゲームとなる。

全16節にわたるリーグ戦の3分の2を消化したジャパンラグビー リーグワンのディビジョン1は、今週末に別カンファレンスのチームが対戦する交流戦のラストマッチとなる第11節を迎える。ポストシーズンに向け勝ち点争いが白熱してきた中、3月12日には現在11位のグリーンロケッツと、同5位のブレイブルーパスの一戦が行われる(14時30分キックオフ)。

両チームのここまでの成績の比較で特徴的なのは、得点力だ。ブレイブルーパスが全体3番目の計367点を挙げているのに対し、グリーンロケッツの総得点は165で全体12番目。ボールを前へ進めた距離を表すゲインメーターでも、8,766メートルで首位のブレイブルーパスに対し、グリーンロケッツは6,484メートルの10位と大きな差がある(1試合平均約230メートル差)。打ち合いになればブレイブルーパスに分があるだけに、グリーンロケッツとしては粘り強く守ってロースコアの展開に持ち込むことが、この試合の重要なテーマになる。

 

それぞれの現時点での勝ち点をチェックしていくと、グリーンロケッツは9で入替戦を回避できる9位との差が9ポイント。26のブレイブルーパスはプレーオフ出場圏の4位まで7ポイント差となっており、残り6試合ということを考えれば、どちらも当面のミッションを達成する上で崖っぷちに近い状況といえる。次週から始まる同一カンファレンス内での2巡目の対戦に勢いをつけるためにも、必勝の意気込みで臨んでくるだろう。

グリーンロケッツ東葛スターティングメンバー

キックオフ48時間前に発表された登録メンバーを見ると、ホストのグリーンロケッツは前節からFW5人、BK4人とスターティングラインアップを大きく入れ替えた。HOにアッシュ・ディクソン、右PRには當眞琢が入り、ウエールズ代表50キャップのLOジェイク・ボールが3節ぶりに復帰。両FLは前節100試合出場を達成した細田佳也と1年目の大澤蓮のコンビとなり、フェトゥカモカモ・ダグラスが6番からNO8へシフトする。

BKはSH田中史朗が今季初スタメンで、ペアを組むのはアーリーエントリーからこれがデビュー戦となるSO吉村紘だ。両WTBには今季初出場の宮島裕之と、第6節以来のメンバー入りとなる後藤輝也のベテラン2人が起用され、キャプテンのレメキロマノラヴァはFBに回る。

東芝ブレイブルーパス東京スターティングメンバー

対するブレイブルーパスの前節からの先発変更は4人で、コベルコ神戸スティーラーズに快勝した前節の流れを持続しようという狙いが浮かぶ布陣となった。フロントローでは3番のタウファ・ラトゥが今季9試合目の出場で初先発。バックローでは佐々木剛が7番に名を連ねた。

BKはSHがジャック・ストラトンに替わり、第4節を除いて10番を背負い続けるSOトム・テイラーとともにゲームをコントロールする。13番は南アフリカ出身のハードランナー、バーガー・オーデンダールに。前節プレーヤーオブザマッチを獲得した眞野泰地と、どのようなコンビネーションを見せるか楽しみだ。

ちなみにこの両者は2003年度の第1回マイクロソフトカップ(トップリーグプレーオフ)で決勝を戦い(NECが24-19で東芝府中に勝利)、2005年度の日本選手権決勝では大雨の中6-6の死闘を演じるなど、最高峰の舞台で日本ラグビーの歴史に刻まれる名勝負を繰り広げてきた。ともに接点の激しさにプライドを持つチームであり、対戦カードを見るだけで往時の息の詰まるようなバトルを想起するファンも少なくないはずだ。熱戦を期待したい。

文:直江 光信

直江 光信

スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。

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