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関西大学Aリーグ
関西大学Aリーグが11月7日、8日に開幕し、奈良・天理親里ラグビー場、大阪・鶴見緑地球技場で4試合が行われた。今季の関西リーグは新型コロナウイルス感染症の影響を受けて短期決戦。8チームを昨季の順位で奇数(Odd)リーグ、偶数(Even)リーグに分け、それぞれ総当たり戦を行い、同じ順位同士が対戦して最終順位を決める。上位3チームが全国大学選手権の出場権を獲得する。
第1週は勝敗だけを見ると順当だが、内容は白熱していた。7日の天理親里では、奇数リーグの4チームが集い、第1試合で近大と関西学大が対戦。昨季3位の関西学大は立ち上がりからFL冨岡青(4年)を筆頭にハードタックルを連発し、近大のミス、反則を誘った。前半10分、FB奥谷友規(4年)のPGで先制すると、26分、ラインアウトからのモールで近大ゴールラインに迫り、最後はSH橋詰学(3年)からWTB奥平湧(3年)にパスがわたってトライ。近大NO8末廣大智(4年)らにトライを返されたが、ディフェンスでプレッシャーをかけ続けて快勝した。最終スコアは、28-14。プレーヤー・オブ・ザ・マッチ(PMO)は、低い姿勢で相手ボールを奪うジャッカルを連発したFL魚谷勇波(3年)。「ジャッカルは自分の武器なので」と試合後の会見で笑顔を見せた。
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続いて登場した天理大は5連覇を狙う絶対王者だが、この日は松岡大和キャプテンが怪我で不在ということもあってかミスが多かった。前半2分、SO松永拓朗(4年)がディフェンス背後にキックし、これをゲームキャプテンのCTBシオサイア・フィフィタが拾ってそのまま先制トライ。9分にもラインアウトのモールからHO佐藤康(3年)がトライをあげたが、その後は攻めあぐんだ。
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最終的には10トライをあげたが、ブレイクダウン(ボール争奪戦)でも後手を踏み、個人技でタックラーを抜き去ったフィフィタがインゴールでボールをこぼすなど、ピリッとしないプレーも多かった。しかし、小松節夫監督は「ミスは多かったが、連携プレーでのミスがなかったのは収穫。試合をするたびに成長して日本一を目指して頑張りたい」と前向きだった。POMは後半5分にトライをあげたほか、元気いっぱいに味方を鼓舞し続けたLO中鹿駿(4年)が受賞した。
翌8日は鶴見緑地で偶数リーグの4チームが戦った。奇数リーグはスコアからくる印象以上に敗れた側の健闘が光ったが、偶数リーグはスコア上も接戦となった。第1試合では、京産大と立命大が対戦。大会前の交流試合では京産大がトライを畳みかけたカードだが、立命大が健闘。京産大が先にトライを奪うも、前半18分、立命大がスクラムからの連続攻撃でSO江良楓(3年)がトライ、自らゴールも決めて、7-7とする。その後は両者一歩も譲らず点を取り合い、前半は14-19と立命大がリードして折り返した。
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後半2分、立命大はCTB山口魁生(4年)のトライで追加点をあげたが、京産大もHO梅基天翔(3年)がトライを返し、一進一退の攻防が続いた。後半24分、京産大がCTBニコラス・ホフアのトライで、26-27の1点差に迫る。そして、後半35分、立命大は危険なタックルでFB安井拓馬(2年)がシンビンになる大ピンチ。ボールをキープして残り時間を使おうとしたが、インジュリータイムが4分あったこともあってキープしきれずに反則を犯してしまう。その後、攻め続けた京産大は交代出場のFL三木皓正(1年)が逆転トライ。33-27で劇的勝利を手にした。
第2試合は昨季2位の同大にBリーグから再昇格してきた関大が挑んだ。下馬評では同大有利も関大が健闘する。前半6分、FB橋本大吾(4年)のPGで先制すると、9分にはFL千原拓真(3年)がトライし、10-0とリード。同大は自陣からボールをつなごうとするが関大が粘り強くディフェンスし、同大がようやく逆転したのは後半5分のことだった。WTB岡野喬吾(1年)の右中間に飛び込み、24-28とスコアをひっくり返す。互いに地域獲得を意識してキックの応酬が多くなるが、試合を決めたのは後半38分、同大HO谷本卯楽(3年)のトライだった。最終スコアは、31-33。Bリーグから再昇格の関大の健闘は何が起こるか分からない今季のリーグを予感させるものとなった。
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関西大学Aリーグは、全試合、会場収容定員の50%以内で有観客にて開催される(当日券はなし)。開幕週は各チームの首脳陣からコロナ禍で開幕を迎えることができた感謝の言葉が聞かれた。報道陣も体調チェック表を提出し、検温して入場。天理での記者会見はメインスタンド前の野外で、鶴見ではスタンド下の練習場でソーシャルディスタンスを保って実施されていた。この後もリーグ戦全試合を行えるよう細心の注意を払っての運営が続くことになる。
文:村上晃一
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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