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ついに悲願の決勝トーナメントへ。多くの関係者、ファンが夢見てきた準々決勝の舞台で日本代表がどんなパフォーマンスを見せてくれるのか。期待と不安の入り混じった感情を誰もが持っていただろう。ラグビーワールドカップ(RWC)はプール戦が面白いと何度も盛り上げておいて、「本当の闘いはこれからだ」なんて言うのは気が引けたが、そこは間違いなく別世界だ。優勝を狙う実力者は、ここから本来の力を発揮するのである。
準々決勝の舞台となったのは、大分スポーツ公園総合競技場と東京スタジアムだ。2019年10月19日、最初にキックオフされたのは、大分でのイングランド対オーストラリアだ。2003年のRWC決勝戦と同じカードである。あの時、エディー・ジョーンズはオーストラリアのヘッドコーチで、イングランドに敗れた。2007年大会は南アフリカのテクニカルアドバイザーとして優勝し、2015年は日本代表のヘッドコーチとして南アフリカに勝利。そして2019年はイングランドを率い、「死のプール」と言われたプールCを1位通過し母国を迎え撃つ。その生き様はドラマチックだ。
イングランド代表 エディー・ジョーンズ HC
試合は白熱した。前半のイングランドは俊足WTBジョニー・メイの2トライなど17-9とリードするが、後半開始早々、オーストラリアはWTBマリカ・コロインベテが個人技でタックラーをかわしてトライするなど一時17-16の1点差に迫った。最後はイングランドが引き離すのだが、ディフェンスの崩し方が見事。コーチの手腕を感じる勝利だ。
同日、東京ではニュージーランドがアイルランドと対戦した。優勝候補の一角だったアイルランドだが、プール戦で日本代表に負け、プールA2位通過でいきなりオールブラックスと激突することになった。アイルランドは日本代表に負けた時点で自信を喪失していたのかもしれない。この試合はニュージーランドの強さが際立つ展開となった。SHアーロン・スミスの2トライで主導権を握り、WTBセヴ・リース、FBボーデン・バレットが目を見張るスピードで防御を切り裂く。この出来すぎとも言えるパフォーマンスが、その後の落とし穴になるのだが、こんなチームが優勝できないのだから、RWCは面白い。
アイルランド戦前半に2トライをあげたニュージーランド代表SHアーロン・スミス
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